ISBN 9784062577380

物理数学の直観的方法 〈普及版〉

物理数学の直観的方法 〈普及版〉
出版社
講談社
刊行
2011-09

概要

理工系の数学難所を大胆なイメージ化で突破する

想定読者

大学の数学・物理の授業についていけず、教科書の記号が直感と結びつかない理工系学生・社会人。データサイエンスや機械学習の数学基礎を固め直したいエンジニアにも読まれている。

こんな人には向いていない

  • 厳密な証明ベースの数学教育を求める人には、本書は直観優先の構成であり補助的な位置付けになる
  • 大学院レベルで数学を使いこなしている専門家には既知の内容が多く、新たな発見は少ない
  • プログラミングや実装の文脈で数値計算ライブラリの使い方を学びたい人には、本書の対象が理論的基礎に限られるため別書が必要

読了後にできるようになること

  • ベクトル解析(線積分・面積分・全微分)を図形的なイメージと結びつけて理解できる
  • オイラーの公式 eiπ=-1 を複素平面上の回転運動として幾何学的に把握できる
  • フーリエ変換・フーリエ級数の意味を基底分解のアナロジーで説明できる
  • 複素積分の留数定理を直観的に理解し、典型的な積分計算に適用できる
  • エントロピーと熱力学の対応を物理的イメージから捉え直せる
  • ε-δ論法と位相空間の概念を、測定の精度という身近なアナロジーで理解できる

本書のキー概念(章解説)

  • 第 1 章 線積分、面積分、全微分 — 空間中の経路や面を使った積分の幾何学的意味を先に押さえることで、後続章の基礎になる
  • 第 2 章 テイラー展開 — 関数の局所近似という道具の意味を確認する短章。後の複素関数・フーリエに繋がる
  • 第 3 章 行列式と固有値 — 線形変換の伸縮・回転を面積・体積変化で捉える視点が、機械学習の線形代数理解にも転用しやすい
  • 第 4 章 eiπ=-1の直観的イメージ — 複素平面上の回転としてオイラーの公式を可視化。Qiita記事でも本章の手法が繰り返し参照されている
  • 第 5 章 ベクトルのrotと電磁気学 — マクスウェル方程式の意味をローテーション操作の物理的イメージから理解するための章
  • 第 6 章 ε-δ論法と位相空間 — 数学的厳密性に馴染みのない読者向けに、測定精度のアナロジーで位相概念を導入する
  • 第 7 章 フーリエ級数・フーリエ変換 — 信号処理・データ分析に直結するテーマ。基底ベクトルへの分解という視点が他書より明解
  • 第 8 章 複素関数・複素積分 — 留数定理を直観的に示す。理論物理・電気工学で頻出の積分技法の意味を理解する
  • 第 9 章 エントロピーと熱力学 — 情報エントロピーとの接続が意識されており、機械学習の損失関数理解への橋渡しになる
  • 第 10 章 解析力学 — ラグランジアン・ハミルトニアンを変分原理のイメージから導入する最終章

ハイライト

  • 物理数学の入門書というか既存の教科書に困った人への手助けの本。発売当時村上春樹の『ノルウェイの森』を抜いたことがあるという伝説の本。(データサイエンス向け書籍リスト(1,632いいね)の著者が本書の位置づけと伝説的な普及力を端的にまとめている箇所)
  • 大胆なイメージ化により、難解な概念を短時間でマスターする!ベクトル解析、フーリエ変換、複素積分など、理工系学生の前に立ちはだかる数学の「10の難所」をカバー。(本書の編集方針である直観重視のアプローチが最も凝縮されている書誌説明冒頭)

外部からの言及

  • データサイエンス・機械学習の数学基礎を固める文脈で、標準的な教科書で詰まった人への補助書として繰り返し挙げられている。特にフーリエ変換・行列・エントロピーの章が学習者に有用と評価されている(qiita)
  • オイラーの公式やフーリエ変換の解説記事を書く際に、本書の説明手法(複素平面の回転・基底分解のアナロジー)を参照元として明示するケースが複数見られる(qiita)

編集メモ

Qiita言及記事4件 / 累計いいね1,726(うち1件がデータサイエンス定番書籍リスト記事で1,632いいね)。記事数が5件未満のため機械判定はsupplementary。ただし書籍紹介文脈での総いいね数は本カタログ内で上位水準にある

読む前に押さえておきたいこと

  • 高校数学レベルの微積分と三角関数の基礎(大学1年生の前期相当)
  • 複素数の概念(虚数単位iの定義と複素平面の概念)
  • 行列の積と転置程度の線形代数の最低限の知識

学習のコツ

  • 第4章(eiπ=-1)と第7章(フーリエ変換)を単独で先読みするだけでも価値がある。この2章が本書の核心であり、後から他の章を埋めるかたちで読み進めると定着しやすい
  • 各章の数式は追わなくてよい。著者の意図通りイメージをつかむことを優先し、厳密な計算は別の標準教科書に委ねるスタンスが本書の使い方に合っている
  • データサイエンスや機械学習の数学基礎に詰まっている場合、第3章(行列と固有値)・第7章(フーリエ変換)・第9章(エントロピー)の3章から入ると実務接続が早い
  • Qiita等の技術記事でフーリエ変換や複素関数の解説を読んでいてイメージが湧かない時、該当章を逆引きリファレンスとして使う読み方も有効
出版社による内容紹介

大胆なイメージ化により、難解な概念を短時間でマスターする! ベクトル解析、フーリエ変換、複素積分など、理工系学生の前に立ちはだかる数学の「10の難所」をカバー。試験前に途方にくれる幾多の学生を救い、「難解な数学的手法の意味が、目からウロコが落ちるように理解できた」「はじめて腑に落ちた」と絶大な支持を得た不朽の名著の新書版! 第1章 線積分、面積分、全微分 第2章 テイラー展開 第3章 行列式と固有値 第4章 eiπ=-1の直観的イメージ 第5章 ベクトルのrotと電磁気学 第6章 ε-δ論法と位相空間 第7章 フーリエ級数・フーリエ変換 第8章 複素関数・複素積分 第9章 エントロピーと熱力学 第10章 解析力学

この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。

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