ISBN 9784065020357
現代暗号入門 いかにして秘密は守られるのか
概要
共通鍵・ハッシュ・公開鍵暗号とサイドチャネル攻撃を体系的に理解する
想定読者
暗号技術の仕組みを数式の重さなしに理解したい文系・理系問わないソフトウェア開発者、情報セキュリティに関心を持ち始めた学生や社会人
こんな人には向いていない
- 暗号ライブラリの実装コードを書くことを即座に目的とする実務エンジニア(実装例より概念説明が中心のため)
- 楕円曲線暗号やゼロ知識証明の数学的証明を厳密に追いたい数学専攻の読者(入門水準で証明の網羅性は限定的)
- 英語圏の標準的な暗号教科書(Applied Cryptography 等)を既読で実装詳細を求める読者
読了後にできるようになること
- DES・AES などの共通鍵暗号の動作原理と、歴史的な解読競争の文脈を説明できる
- ハッシュ関数がパスワード認証や改ざん検知でどう使われるかを具体的に説明できる
- RSA 暗号の公開鍵・秘密鍵の仕組みと、素因数分解困難性との関係を理解できる
- 楕円曲線暗号が現在の世界標準となった理由と、ビットコインへの応用を把握できる
- サイドチャネル攻撃(電力消費・タイミング等ハードウェア側面からの解読)の脅威と対策の概要を説明できる
本書のキー概念(章解説)
- 第 1 章 共通鍵暗号 — 戦争から始まる暗号史の文脈を通じて現代暗号の基礎へ接続する導入章。歴史好きな読者は特に読み進めやすい
- 第 2 章 ハッシュ関数 — Web 開発者に最も身近なパスワード認証・改ざん検知の技術的根拠を得られる章
- 第 3 章 公開鍵暗号――RSA 暗号 — 閉める鍵と開ける鍵が異なる仕組みを平易に解説。TLS/HTTPS の基礎理解に直結する
- 第 4 章 公開鍵暗号――楕円曲線暗号 — 現行世界標準の暗号方式とビットコインへの応用まで扱う。4 章終了時点で現代インターネット暗号の骨格が揃う
- 第 5 章 サイドチャネルアタック — ソフトウェア視点では見落としがちなハードウェア脆弱性を扱う独自性の高い章。類書での解説が少ないと著者自身が明記している
ハイライト
- シーザー暗号など暗号の歴史から、公開鍵暗号(RSA、楕円曲線)の具体的な話もありました。数学専攻でなくても普通に読めると思います。そして面白いです。(非数学専攻の読者が実際に通読して感じたアクセシビリティの高さを端的に示す評価)
- ハードウェアの面からの暗号解読についても紹介する。類書ではほとんど解説のなかった、ハードウェアの面からの暗号解読についても紹介する。(本書の最大の差別化ポイントであるサイドチャネルアタック解説を著者自身が強調している箇所)
外部からの言及
- 楕円曲線暗号やブロックチェーンを独学する際の入門書として参照されており、数学専攻でなくても読み通せる平易さが肯定的に評価されている(qiita)
編集メモ
確認できた Qiita 言及 1 件(likes 5)、楽天ランキング情報なし。Qiita での引用数・likes ともに essential / practical の閾値(10 件/200 likes、5 件以上)を下回る。ただし楕円曲線暗号・暗号入門カテゴリでは確認できた範囲での言及がある
読む前に押さえておきたいこと
- 高校数学レベルの整数・剰余の概念(mod 演算の読み方)
- HTTP/HTTPS の概念的な理解(ネットワーク層の知識は不要)
学習のコツ
- 1 章から順に読み進める構成になっているが、Web 開発の実務に近い読者は 2 章(ハッシュ関数)と 3 章(RSA)を最初に読んでも理解が成立する
- 5 章のサイドチャネルアタックは組み込み・IoT・決済端末に関わる開発者以外は読み物として把握する程度で十分。深く追う場合は別途専門書が必要
- 4 章の楕円曲線暗号は数学的な詳細よりも「なぜ RSA より効率的か」という直感を掴むことを優先すると通読が滞りにくい
- ビットコイン・ブロックチェーンの暗号基盤を理解したい読者は 4 章を重点的に読み、その後技術仕様書(Bitcoin Whitepaper 等)へ進むと回収が早い
出版社による内容紹介
現代の暗号技術には、純粋数学者が追究した緻密で膨大な研究成果が惜しみなく投入されている。開発者と攻撃者の熾烈な争いを追いながら、実際に使われている暗号技術を解説する。現代的な暗号の基本要素である「共通鍵暗号」「ハッシュ関数」「公開鍵暗号」にくわえ、類書ではほとんど解説のなかった、ハードウェアの面からの暗号解読についても紹介する。 ネットも、携帯も、SUICAなどのカードもみんな暗号で守られている現代社会、でも果たして安全か!? サイバー空間ではハッカーたちとどのような攻防が繰り広げられているのか、暗号はどのように守られ、あるいは破られるのか、その舞台裏を実際に起きた事件や実例をもとに描きながら、社会の隅々に浸透した暗号技術の実態(どのように実装されているか)と、現代暗号の進化とその仕組みについて分かりやすく解説します。 第1章 共通鍵暗号 戦争から始まった暗号の歴史をたどりながら、現代暗号の基礎を学ぶ 第2章 ハッシュ関数 ウェブサービスのパスワード認証や情報の改竄を防ぐための技術を知る 第3章 公開鍵暗号ーーRSA暗号 閉める鍵と開ける鍵が異なる「公開鍵暗号」の基本的な原理を学ぶ 第4章 公開鍵暗号ーー楕円曲線暗号 現在の世界標準であり、ビットコインにも使われる「楕円曲線暗号」とは何か 第5章 サイドチャネルアタック ハードウェアの脆弱性から暗号を解読する技術とその対策
この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。