ISBN 9784274226212

量子コンピューティング : 基本アルゴリズムから量子機械学習まで

量子コンピューティング : 基本アルゴリズムから量子機械学習まで
出版社
オーム社
刊行
2020-11

概要

高校数学を起点に量子アルゴリズムから量子機械学習まで体系的に習得する

想定読者

量子コンピューティングの理論と実装の両方を押さえたいITエンジニア・情報系大学院生。入門記事を読み終え、次のステップとして体系書を求めている人

こんな人には向いていない

  • 量子力学の物理的実装(超伝導量子ビット設計など)を専門的に掘り下げたい研究者には理論的深度が不足する
  • Qiskit / Cirq などの特定SDKを使った実装中心のハンズオン学習を求める人には、コード量が限定的
  • 線形代数・複素数・確率の基礎を未習得の完全な初学者には数式の追跡が困難

読了後にできるようになること

  • 量子ビットの重ね合わせ・もつれ・位相の概念を数式レベルで説明できる
  • Shorアルゴリズム・Groverアルゴリズムなど主要な量子アルゴリズムの動作原理を理解できる
  • NISQ時代の変分量子固有値ソルバ(VQE)・量子近似最適化アルゴリズム(QAOA)の位置付けを把握できる
  • 量子誤り訂正の基本スキームと、なぜNISQデバイスでは不完全動作になるかを説明できる
  • 量子コンピュータのプログラミングモデルとアーキテクチャの全体像を描けるようになる
  • 量子機械学習の現状と古典機械学習との比較における研究的射程を理解できる

本書のキー概念(章解説)

  • 第 1 章 なぜ量子コンピュータ? — 古典計算との差異・動機付けの章。読者の前提知識を揃えるため、初読では飛ばさない
  • 第 2 章 量子コンピュータの基本 — 量子ビット・量子ゲートの基礎。以降の全章の前提となるコア章
  • 第 3 章 量子計算の基本パッケージ — 回路ベースの計算モデルとユニバーサルゲートセットを扱う
  • 第 4 章 量子アルゴリズム — Shor・Groverなど定番アルゴリズムを網羅。理論的に最も密度が高い章
  • 第 5 章 NISQ量子アルゴリズム — VQE・QAOAなど現在の実機で動くアルゴリズムを扱う。実用的関心の強い読者はここを重点的に読む価値がある
  • 第 6 章 量子コンピュータのエラー訂正 — 誤り訂正の原理とNISQデバイスの限界を理解するための橋渡し章
  • 第 7 章 量子コンピュータのプログラミング — 実装寄りの章。SDK選定の判断材料になる
  • 第 8 章 量子コンピュータのアーキテクチャ — ハードウェア構成の概観。ソフトウェア専門のエンジニアには参考程度に読む章
  • 第 9 章 量子コンピューティングでひらく未来 — 量子機械学習を含む応用展望。現状の限界も記載されており、過度な期待を調整するのに有用

ハイライト

  • 入門書と専門書の間には大きな隔たりがあります。本書はこれから必ずくる量子コンピュータの時代で活躍されるであろうITのプログラマやエンジニアの皆様にとって、特に知っておくべき概念をできる限り網羅しています。(本書が狙う読者層と既存の学習リソースのギャップを最も端的に示した記述)
  • 量子コンピュータの背景、その原理や応用についても高校数学で学んだ内容を起点に数式も示しつつ、しっかりと解説しています。(数式を含むが高校数学レベルを起点とするという、難易度の立ち位置を明示している)

外部からの言及

  • 量子ビットの確率振幅・位相・複素数の関係を可視化する実装記事で参考文献として引用されており、理論的な裏付けを求める際のリファレンスとして活用されている(qiita)

編集メモ

Qiita記事での直接言及は確認できたのが1件(likes 1)にとどまる。rakutenランキング情報なし。量子コンピューティング分野自体がニッチであり、日本語の体系書として希少な存在ではあるが、外部シグナルの絶対数は少ない

読む前に押さえておきたいこと

  • 複素数・行列演算・内積など線形代数の基礎(高校数学〜大学1年レベル)
  • 確率論の初歩(確率変数・期待値)
  • プログラミングの基本的な素養(疑似コードや数式を追う上での論理的思考力)

学習のコツ

  • 2章・3章は量子ゲートの線形代数表現を扱う。テンソル積やユニタリ行列に不慣れな場合は、手元に線形代数の参考書を置きながら読み進めると理解が定着しやすい
  • 4章(量子アルゴリズム)は独立して読むことが可能だが、5章(NISQ)と対比させながら読むと、理論的な量子優位性と現実デバイスの制約のギャップを把握しやすい
  • 7章(プログラミング)は実際にQiskitやCirqのドキュメントを並走させると、概念と実装コードの対応が掴みやすくなる
  • 9章の量子機械学習セクションは2020年時点の研究状況を反映している。読後に最新のarXivや量子ML関連の動向を補うことで、現在の研究フロントとのギャップを補正できる
出版社による内容紹介

これから必ずくる量子コンピューティングの時代に備えるためのバイブル 本書は、ITのプログラマやエンジニアを主な読者対象として、その方々にとって特に重要な量子コンピューティングの基礎をわかりやすく解説した書籍です。 量子コンピュータについては、多くの人がクラウド越しで実物に触れられるようになった今でも、物理の専門書から学ぶかチュートリアルやハンズオンのウェブ記事を読んで勉強するかしかありません。これから量子の力をフル活用できる人や、量子情報の考え方を利用してコンピュータサイエンスをよくしていく人材が必要になるというのに、入門書と専門書の間には大きな隔たりがあります。 本書はこれから必ずくる量子コンピュータの時代で活躍されるであろうITのプログラマやエンジニアの皆様にとって、特に知っておくべき概念をできる限り網羅しています。量子コンピュータの背景、その原理や応用についても高校数学で学んだ内容を起点に数式も示しつつ、しっかりと解説しています。

この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。

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