ISBN 9784297148324
TiDB実践入門 ── RDBMSのスケール課題を解消するNewSQL
概要
MySQLスケール限界をNewSQL TiDBで実践的に解消する
想定読者
MySQLやRDBMSのスケール・高可用性に課題を感じているバックエンドエンジニアおよびDBA。KubernetesやTiDB Cloudでクラウドネイティブなデータベース運用を検討している実務者。
こんな人には向いていない
- RDBMSやSQLの基礎を学び始めた初学者。本書はMySQL運用経験を前提に設計・構成の話が進む
- PostgreSQL系のNewSQL(CockroachDB・YugabyteDB等)を検討している読者。本書はMySQL互換のTiDBに特化しており、比較評価を求めるなら別書が必要
- TiDBをすでに本番クラスターで1年以上運用している上級者。アーキテクチャ詳解や内部実装の深掘りよりも導入・運用操作の比重が大きい
読了後にできるようになること
- TiDBのコンポーネント構成(TiDB/TiKV/PD/TiFlash/TiProxy)を図解レベルで説明できる
- TiUPを使って仮想・物理サーバーへTiDBクラスターを構築し、スケールアウト・インを操作できる
- TiDB OperatorでKubernetes上にTiDBをデプロイし、ライフサイクル管理を自動化できる
- TiCDC・DMを使ったMySQLからTiDBへのデータ移行とリアルタイム同期を設計・実行できる
- ホットスポット回避・リソース制御・TTL・ベクトル検索など本番運用で役立つ応用機能を活用できる
- TiDB CloudのServerless/Dedicated両形態でマネージドサービスを評価し適切に選定できる
本書のキー概念(章解説)
- 第 1 章 TiDBが必要とされるデータベースのいま — NewSQLカテゴリの定義とTiDBの位置づけを整理する導入章。RDBMSのスケール限界を具体的に言語化したい読者は先にここを読む
- 第 2 章 TiDBを構成するコンポーネント — TiDB/TiKV/PD/TiFlash/TiProxyの役割を解説する核心章。運用上の障害切り分けに直結する
- 第 3 章 仮想/物理サーバーへのTiDBの構築 — TiUPによる構築・スケール・バージョンアップまでをカバー。オンプレ検討者の実務直結度が最も高い章
- 第 4 章 Kubernetes環境へのTiDBの構築 — TiDB Operatorによるk8sデプロイ。既存k8sクラスターへの導入を検討している場合は第3章と並行して読む
- 第 5 章 TiDB Cloudの利用 — Serverless/Dedicatedの違いと始め方。まずTiDB Cloudで検証したい読者はここから入ると効率が良い
- 第 6 章 TiDBのデータ運用ツール — バックアップ・リストア・TiCDC・DM・sync-diff-inspectorを網羅。MySQL移行プロジェクトで参照価値が高い
- 第 7 章 TiDBを便利に使うためのテクニック — ホットスポット回避・ベクトル検索・Terraform管理・AI Assistantまで実践的応用技を13項目収録する章。辞書的に活用できる
ハイライト
- MySQLを運用していく上でよくある課題を具体的に挙げながらTiDBがどのように課題を解決するのかを解説します(単なるアーキテクチャ解説ではなくMySQL運用の実課題をTiDBで解消する実践的視点が本書の核心であることを示す一文)
- 現代の多様なインフラニーズに対応するTiDBを使用したモダンなデータベース運用の実践方法を理解し、ご自身のシステムに応用できる知識を習得することができます(クラウド・オンプレ・Kubernetes・マネージドサービスと多形態をカバーする本書のスコープを端的に表している)
外部からの言及
- Qiita のTiDB関連記事では、MySQLとのアーキテクチャ差分(TSO集中時計・Raftレプリケーション・Percolatorトランザクション)を解説する記事が上位に並ぶ。本書はこれらの概念を体系立てて日本語で学べる現時点で数少ない実践書として位置づけられる(qiita)
- PlanetScale代替を検討したエンジニアがTiDB Serverlessの無料枠(月5GB・5000万RU)に注目する記事が見られる。ただしドキュメントの表記揺れで仕様把握が難しいという声もあり、本書のような体系的な一次資料の需要を裏付けている(qiita)
編集メモ
入力に Qiita 記事・Rakuten ランキング情報なし。シグナルデータ不足のため supplementary 扱い。2025年5月刊行の新刊で、TiDB日本語実践書として現時点では稀少な一冊
読む前に押さえておきたいこと
- MySQLの基本運用経験(テーブル設計・インデックス・レプリケーション設定程度)
- LinuxサーバーへのSSH接続とパッケージ管理の基本操作
- Kubernetesの基本概念(Pod・Deployment・Service)の理解(第4章を読む場合)
学習のコツ
- 第5章(TiDB Cloud)から入るとローカル環境構築なしに動作確認できる。初読時はServerlessで手を動かしながら第1〜2章の概念理解を並行させると定着が早い
- 第2章のコンポーネント図は後の章で何度も参照点になる。概念をメモ書きしてから第3〜4章の構築手順に進むと、コマンドの意味が追いやすい
- 第7章は13項目あるが独立性が高く辞書的に使える。ホットスポット問題に直面した場合は7-6節、マルチテナント設計は7-3節を単独で参照するとよい
- 付録の逆引きコマンドリファレンスは実運用フェーズで参照頻度が高くなる。構築完了後に一度通読しておくと障害時の操作ミスを減らせる
出版社による内容紹介
本書はTiDBの基本的なアーキテクチャをはじめ、様々な環境へのTiDBのインストール手順について解説します。インストールが終われば、次に必要なことはTiDBに対する各種操作方法を理解することです。各環境におけるTiDBに対する操作方法をインストール手順の後に詳細に解説していきます。加えて、MySQLを運用していく上でよくある課題を具体的に挙げながらTiDBがどのように課題を解決するのかを解説します。最後に付録としてよく使うコマンド操作や逆引きコマンドリファレンスを記述していますので、読者の皆様の参考になることを願っています。 この本を通じて、現代の多様なインフラニーズに対応するTiDBを使用したモダンなデータベース運用の実践方法を理解し、ご自身のシステムに応用できる知識を習得することができます。 第1章 TiDBが必要とされるデータベースのいま 1-1 TiDBとは 1-2 NewSQLとは 1-3 TiDBの特徴 1-4 TiDBの提供形態 第2章 TiDBを構成するコンポーネント 2-1 TiDBの構成 2-2 TiDBクラスター 2-3 PDクラスター 2-4 ストレージクラスター 2-5 TiProxyコンポーネント 第3章 仮想/物理サーバーへのTiDBの構築 3-1 TiUPの基本 3-2 TiDB Playgroundの使い方 3-3 TiUPを使用した仮想サーバーまたは物理サーバーへのTiDBの構築 3-4 各種コンポーネントのスケールアウトとスケールイン 3-5 TiDB Dashboardの構築 3-6 モニタリング環境の構築 3-7 TiDBのライフサイクル操作 3-8 TiDB のバージョンアップ 3-9 クラスターメタ情報のバックアップ 3-10 デモ用データセットの作成 第4章 Kubernetes環境へのTiDBの構築 4-1 Kubernetes環境の準備 4-2 TiDB Operatorのインストール 4-3 TiDB Operatorを使用したTiDBの構築 4-4 ログの確認 4-5 初期パスワードとイニシャライズ 4-6 TiDBの削除 4-7 TiDB Operatorのアンインストール 第5章 TiDB Cloudの利用 5-1 TiDB Cloud Serverless 5-2 TiDB Cloud Dedicated 5-3 TiDB Cloudの始め方 5-4 TiDB Cloudの稼働状況の確認 5-5 TiDB Cloud CLIの使い方 第6章 TiDBのデータ運用ツール 6-1 バックアップとリストア 6-2 TiCDCによるTiDB外へのデータ同期 6-3 DMによるデータ移行 6-4 sync-diff-inspectorによるデータ同期の差分確認 第7章 TiDB を便利に使うためのテクニック 7-1 SQLによるバックアップとリストア 7-2 ガベージコレクションの設定 7-3 リソース制御によるマルチテナント環境の構築 7-4 メタデータロック 7-5 TTLを使用したデータの自動削除 7-6 ホットスポットの回避 7-7 ベクトル検索機能 7-8 TerraformによるTiDB Cloudの管理 7-9 Advanced StatefulSetを使用したTiDBの構築 7-10 PrometheusやGrafanaのカスタマイズ 7-11 TiDB Dashboardの活用 7-12 TiUPによるデータベースパフォーマンス測定 7-13 TiDB AI Assistantによるナレッジの検索 付録 逆引きコマンドリファレンス
この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。