ISBN 9784339029178

入門 サイバーセキュリティ 理論と実験 : 暗号技術・ネットワークセキュリティ・ブロックチェーンからPython実験まで

入門 サイバーセキュリティ 理論と実験 : 暗号技術・ネットワークセキュリティ・ブロックチェーンからPython実験まで
著者
面 和成
出版社
コロナ社
刊行
2021-03

概要

暗号・ネットワーク・ブロックチェーンをPython実験で体得する

想定読者

サイバーセキュリティの理論と実装の両面を1冊で習得したい理工系学生・ICTシステム構築に携わる実務者

こんな人には向いていない

  • すでにCTFや脆弱性診断の実務経験があり、攻撃手法の深掘りを求める上級者には、理論的基礎の比重が大きく物足りない
  • ブロックチェーン単体の詳細実装(スマートコントラクト開発等)を主目的とする読者には、関連章が入門レベルにとどまる
  • 数学的証明を端折った直感的な解説書を期待する場合は、3章の数論基礎(離散対数・中国剰余定理・情報エントロピー)の密度に戸惑う可能性がある

読了後にできるようになること

  • 対称・非対称暗号とハイブリッド暗号の仕組みをRSA攻撃実験を通じて理解できる
  • PKI・デジタル署名・SHA-256衝突実験を組み合わせて認証技術の実態を把握できる
  • Pythonコードを使ってビットコイン・Ethereumのブロックチェーン構造を手を動かしながら確認できる
  • 51%攻撃・二重払い・セルフィッシュマイニングなどブロックチェーン固有の攻撃モデルを説明できる
  • 統計的不正アクセス検知においてベイズ判別・線形判別をマルウェア検出に応用できる
  • IPsec/TLS/VPN・侵入検知・ハニーポットを含むネットワーク防御の全体像を体系化できる

本書のキー概念(章解説)

  • 第 1 章 サイバー脅威 — マルウェア・DoS・パスワードクラック実験から脅威全体像を掴む入口
  • 第 2 章 サイバーセキュリティの概要 — Kerckhoffsの原理と多層防御、セキュリティの限界を概念整理する章
  • 第 3 章 数学的基礎 — 離散対数・中国剰余定理・ベイズ統計・情報エントロピーを集中習得。他章の理解に必要なため初読でも省かないことを推奨
  • 第 4 章 暗号の基本技術 — RSA攻撃実験を含む。実験後に理論を振り返ると定着が速い
  • 第 5 章 認証の基本技術 — SHA-256衝突実験付き。PKIの全体像を実感できる
  • 第 6 章 バイオメトリクス — 指紋・虹彩・静脈認証の精度評価指標(FAR/FRR)も扱う
  • 第 7 章 秘密分散 — 閾値法・検証可能秘密分散など実用的な応用まで展開
  • 第 8 章 ネットワーク侵入防御 — Windowsファイアウォール実験を含み、防御側の判断基準を学ぶ
  • 第 9 章 統計的不正アクセス検知 — 機械学習によるマルウェア検知に踏み込む。9章はMLとセキュリティを接続する章として独立価値が高い
  • 第 10 章 VPN — IPsec・TLS/SSLのプロトコル詳細とリモートアクセス設計
  • 第 11 章 暗号資産とブロックチェーン — Ethereumブロックチェーンアクセス実験付き
  • 第 12 章 ブロックチェーンのセキュリティ — NEM追跡実験も含み、攻撃モデルを実証的に学べる最終章

ハイライト

  • 本書はこれらの話題すべてを1冊の本にまとめて網羅的に扱っています。本書のみでサイバーセキュリティとその周辺技術を習得・体験し、十分に理解ができるように配慮されていることが最大の長所です。(著者自身が掲げる本書の最大の特徴。暗号・ネットワーク・ブロックチェーンを単一書籍で扱う稀少性を端的に示している)
  • 暗号や認証、秘密分散などに用いられる数学の基礎について学びます。4章以降では、サイバーセキュリティの具体的な話題をとりあげ、暗号の基本技術(4章)・認証の基本技術(5章)・バイオメトリクス(6章)・秘密分散(7章)・ネットワーク侵入防御(8章)・統計的不正アクセス検知(9章)・VPN(10章)・暗号資産とブロックチェーン(11章)・ブロックチェーンのセキュリティ(12章)を習得していきます。(12章構成の全体設計が明示されており、どの領域をどの順で学ぶか購買前に確認できる)

編集メモ

Qiita記事での直接言及は確認できなかった(検索0件)。楽天ランキングデータも今回の入力に含まれていない。コロナ社の学術系技術書として232ページ・2021年3月刊、ISBN単体での外部シグナルが取得できないため補完的な位置づけとした

読む前に押さえておきたいこと

  • Pythonの基本構文(ループ・関数・ライブラリimport)が読める程度のプログラミング経験
  • TCP/IPの基本概念(IPアドレス・ポート・通信の流れ)の概要知識
  • 高校数学レベルの整数論(素数・最大公約数)があると3章の理解が楽になる

学習のコツ

  • 3章(数学的基礎)は他章の理論的骨格になるため、飛ばさず一読してから4章以降に進むと、RSAやDH鍵交換の理解が格段に速くなる
  • 各章末のPython実験は理論を読んだ直後に実施すること。コード例を写経するだけでなく、パラメータを変えて挙動を観察すると定着率が上がる
  • 9章(統計的不正アクセス検知)はMLとセキュリティの接点として独立して読める。機械学習の基礎がある読者はここを先に読むと本書全体への関心が高まる
  • 11・12章(ブロックチェーン)を先にざっと読み、目的がここにある場合は1〜3章の数学基礎に戻ると、必要性を実感しながら学べる
出版社による内容紹介

◆書籍の特徴◆ 本書は,暗号技術およびネットワークセキュリティに関する理論と応用のトピックスに加えて,Python等を使用した8種類のセキュリティ実験についてコード例とともに掲載しており,暗号技術とネットワークセキュリティの両面からサイバーセキュリティの理解の定着を図ります。本書のみでサイバーセキュリティとその周辺技術を習得・体験し,十分に理解ができるように配慮されていることが最大の長所です。想定する読者は,理工系の大学・大学院生に加えて,ICT(information and communication technology)システムの構築・運用に携わる方々です。 ◆書籍の構成◆ まず1章においてさまざまなサイバー脅威を知ることによってサイバーセキュリティの重要性を理解し,2章でサイバーセキュリティの考え方や限界など,サイバーセキュリティの全体像を学びます。3章では,暗号や認証,秘密分散などに用いられる数学の基礎について学びます。4章以降では,サイバーセキュリティの具体的な話題をとりあげ,「暗号の基本技術(4章)」,「認証の基本技術(5章)」,「バイオメトリクス(6章)」,「秘密分散(7章)」,「ネットワーク侵入防御(8章)」,「統計的不正アクセス検知(9章)」,「VPN(10章)」,「暗号資産とブロックチェーン(11章)」,「ブロックチェーンのセキュリティ(12章)」を習得していきます。これまでのサイバーセキュリティに関する書籍が,これらのうちの一部をとりあげるだけであったのに対して,本書はこれらの話題すべてを1冊の本にまとめて網羅的に扱っています。 ◆読者に伝えたいメッセージ◆ サイバーセキュリティに関する優れた書籍は数多くあります。しかし,サイバーセキュリティの分野は非常に広範であるためか,サイバーセキュリティの理論から応用・実験までを扱う書籍は数少ないと感じます。また,「暗号技術」から「ネットワークセキュリティ」,さらには「ブロックチェーン」を一つの土俵で扱うような書籍も,決して多くはないと考えています。これからサイバーセキュリティ技術を身につけようとしている技術者や研究者,学生のみなさんに,本書を少しでも役立てて頂ければ幸いです。

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