ISBN 9784434376122
社会構成主義とデザイン思考 : リサーチのイノベーションのための実践ガイド
概要
社会構成主義とデザイン思考を統合した構成主義的リサーチフレームワークを実践する
想定読者
デザイン・組織開発・教育・福祉など、変革を目的とした実践的リサーチに関わる専門家・研究者。量的/質的の二項対立に違和感を持ち、関係性と文脈を重視したアプローチを模索している人。
こんな人には向いていない
- 標準化された仮説検証型(量的)リサーチを前提とする自然科学・工学系の研究者には、哲学的立場の乖離が大きく相当の読み替えが必要
- デザイン思考の操作手順(ツールキット)だけを求める実務者には、理論的背景の比重が大きく実用ハックとして読むには向かない
- 社会構成主義の思想的議論を期待する読者には、本書はあくまで実践ガイドとしての設計であり深い哲学的論考は別書に委ねている
読了後にできるようになること
- 社会構成主義の哲学的視点とデザイン思考のツールを一体として捉える「構成主義的デザイン・リサーチフレームワーク(CDRF)」の4フェーズを習得できる
- 量的/質的、主観/客観という二元論的な研究観を相対化し、文脈依存的真実(contextual truths)に基づいてリサーチを設計できる
- フェーズ1「協働的共創」を通じて、ステークホルダーと価値・課題を発見し共同構築するプロセスを設計できる
- フェーズ2「生成的リサーチ・クエスチョン」でリサーチ問いを定義・組み直す技法を習得できる
- フェーズ3「データの生成と意味づけ」でデータをただ収集するのではなく、意味として生成するアプローチを実践できる
- リサーチそのものを社会的介入として位置付け、既存の対立図式を超えた変革型実践を設計できる
本書のキー概念(章解説)
- 序章 — 創造的で革新的なリサーチの舞台を用意する — 本書全体の問題意識と CDRF の登場背景を示す。最初に通読することで以降の章の構成論理が把握しやすくなる
- 第 1 章 社会構成主義とデザイン思考 — リサーチの哲学的視点と実践的視点 — 二つの知的伝統をなぜ統合するかを論じる。理論背景に関心がある読者には最も重要な章
- 第 2 章 構成主義的デザイン・リサーチフレームワーク — 4フェーズの全体像を示す核心章。各フェーズの詳細を読む前にここで俯瞰しておくと理解が深まる
- 第 3 章 価値を見出す・つながる — フェーズ1 協働的共創 — リサーチを開始する前の関係性構築と問題の共同発見。実践者がまず動ける具体度が高い章
- 第 4 章 定義する・組み直す — フェーズ2 生成的リサーチ・クエスチョン — 問いの質がリサーチ全体を規定する。問い設計の経験が浅い研究者・実践者に特に有用
- 第 5 章 着想する・試作する — フェーズ3 データの生成と意味づけ — データを収集対象ではなく生成物として扱う転換がこのフェーズの核心
- 第 6 章 試してみる・実装する — フェーズ4 未来の形成 — リサーチの成果をいかに持続可能な変化に接続するかを扱う。社会実装を意識する実践者向け
- 第 7 章 介入としてのリサーチ — 二項対立を超えて — 本書の批判的考察章。リサーチを中立的観察ではなく介入として捉え直す理論的総括
ハイライト
- あらゆる「真実」とは、特定の時代において共同で創り出され、特定の文脈において有用な、「文脈に依存した真実(contextual truths)」なのです(本書の認識論的立場を最も端的に示す一文。リサーチ設計全体の前提を規定する)
- 「量的か質的か」「主観的か客観的か」といった、従来の研究における二元論的な考え方に一石を投じています(本書が既存のリサーチ方法論に対して取る批判的立場を示し、対象読者の選別に有用な箇所)
編集メモ
Qiita 言及 0件 / Rakuten ランキング履歴なし。2026-04 刊行の新刊であり外部シグナルが蓄積前の段階。社会構成主義×デザイン思考という国内での先行書が少ない領域のため、該当テーマに関心を持つ読者にとっては補完的選択肢として位置付ける
読む前に押さえておきたいこと
- デザイン思考の基礎概念(共感・定義・発散・収束・試作の大まかな流れ)への事前理解があると第1章の統合議論に入りやすい
- 質的研究法(インタビュー・エスノグラフィー等)の実施経験がある場合、本書のフレームワークとの対比が明確になりより深い考察が可能になる
- 社会構成主義や構築主義の哲学的背景(ガーゲン等)を事前に概観しておくと第1章・第7章の議論の厚みが増す
学習のコツ
- 第2章でフレームワーク全体を俯瞰してから第3〜6章のフェーズ詳細に進むと、各フェーズの位置付けが把握しやすい
- 第1章の哲学的背景(社会構成主義の理論)が難解に感じる場合は第3章から読み始め、実践イメージを掴んでから第1章に戻る読み方も有効
- 各フェーズ章は独立性が高いため、自分の現在のプロジェクトフェーズに対応する章を先行して参照する活用も実践者には向く
- 第7章「介入としてのリサーチ」は理論的総括であるため、フレームワーク全体を一周した後に批判的視座として読むと学習効果が高い
出版社による内容紹介
本書は、創造的で変革をもたらす革新的なリサーチ・フレームワークとして、 「構成主義的デザイン・リサーチフレームワーク」を紹介しています。 この手法は、クリエイティブな探究を深め、社会変革を促したいと願う あらゆる専門家や研究者に活用していただけるものです。 本書の特徴は、社会構成主義の理論とデザイン思考のツールを 融合させている点にあります。 これにより、「量的か質的か」「主観的か客観的か」といった、 従来の研究における二元論的な考え方に一石を投じています。 中心となるのは、世界観を構築するために必要な「複雑で関係性に基づいた成果」への着目です。 そこでは、異なる関係性のプロセス(リサーチ手法)が、 それぞれ異なる現実(知識)を形作ると考えられています。 つまり、あらゆる「真実」とは、特定の時代において共同で創り出され、 特定の文脈において有用な、「文脈に依存した真実(contextual truths)」なのです。 はじめに 序章 創造的で革新的なリサーチの舞台を用意する 第1章 社会構成主義とデザイン思考〜リサーチの哲学的視点と実践的視点 第2章 構成主義的デザイン・リサーチフレームワーク 第3章 価値を見出す・つながる/フェーズ 1 協働的共創 第4章 定義する・組み直す/フェーズ 2 生成的リサーチ・クエスチョン 第5章 着想する・試作する/フェーズ 3 データの生成と意味づけ 第6章 試してみる・実装する/フェーズ4 未来の形成 第7章 介入としてのリサーチ〜二項対立を超えて 文献
この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。