ISBN 9784561237358
組織文化とリーダーシップ【原著第5版】
概要
組織文化の構造を読み解き、リーダーとして文化変革を主導する
想定読者
組織変革・文化醸成に取り組むマネジャー・経営幹部・HR専門職、および組織心理学を体系的に学びたいコンサルタント
こんな人には向いていない
- リーダーシップや組織論の入門として気軽に読みたい人には、理論的深度と分量が負担になる
- 具体的なマネジメント手法やフレームワークの即活用を期待する実務書として手に取ると期待とずれる可能性がある
- すでにシャインの旧版(第4版以前)を精読し、DX・ミレニアル世代論の補足情報だけを求める人には重複が多い
読了後にできるようになること
- 文化を『人工物』『標榜する価値観』『基本的仮定』の3層モデルで分析し、表層的な変革が失敗する理由を説明できる
- マクロカルチャー(国・産業・職能)が組織内文化にどう干渉するかを識別し、グローバル組織の設計に活かせる
- 創業者・リーダーが文化を埋め込む6つのメカニズムを用いて、意図的な文化形成プロセスを設計できる
- 組織の成長段階(創業・成長・成熟・衰退)ごとに適切な文化介入アプローチを選択できる
- 診断型定量アプローチと対話型定性アプローチの違いと使い分けを理解し、自組織の文化評価方法を選定できる
- 変革リーダーとして『学習者』の姿勢で文化変革を進めるための具体的な問いと行動フレームを持てる
本書のキー概念(章解説)
- 第 1 章 文化の一般的な定義 — シャインの文化定義がなぜ他の定義と異なるかを把握する出発点
- 第 2 章 文化の構造 — 3層モデル(人工物・価値観・基本的仮定)の核心。本書全体の読解鍵となる章
- 第 3 章 創業間もない成長著しい米国エンジニアリング企業 — ケーススタディ1。技術系スタートアップの文化形成パターンを観察できる
- 第 4 章 成熟したスイスドイツ語圏の化学メーカー — ケーススタディ2。長期安定組織における文化の固着と変革困難性を示す
- 第 5 章 シンガポールの開発政府機関 — ケーススタディ3。国家・産業マクロカルチャーと組織文化の交差を分析
- 第 6 章 マクロカルチャーが生じる文脈の次元 — 国・産業・職能ごとの文化差が組織に与える影響を体系化する章
- 第 7 章 マクロカルチャーに焦点を当てた取り組み — グローバル・多職能チームを束ねるリーダーに実践的示唆が多い
- 第 8 章 文化の誕生と創業者の役割 — 創業者・リーダーが文化を埋め込むメカニズムを詳説。新規事業・スタートアップにも直結
- 第 9 章 どのようにして外部適応と内部統合は文化となるのか
- 第 10 章 リーダーはどのようにして文化を定着させ、伝えるのか — 採用・社会化・報酬・制度など6つの埋め込みメカニズムを実務に引き寄せる
- 第 11 章 組織の成長、成熟、衰退に関わる文化のダイナミクス — 成長段階別の介入戦略を整理。組織フェーズを診断してから読むと吸収が早い
- 第 12 章 文化の自然進化と誘導された進化
- 第 13 章 文化を解読する — 自組織の文化を分析する実践ワークの手順を示す。ワークショップ設計の参考になる
- 第 14 章 診断型定量的アプローチによる文化の評価と組織変革プログラム — CVF等の定量ツールの有効範囲と限界を批判的に整理。ツール選定の判断軸になる
- 第 15 章 対話型定性的アプローチによる文化の評価プロセス
- 第 16 章 変革マネジメントのモデルと変革リーダー
- 第 17 章 学習者としての変革リーダー — 変革リーダーに求められる『謙虚な探求』姿勢を論じた集大成章。最終章として全編を統合する
ハイライト
- 組織における『文化』と『リーダーシップ』のダイナミズムをあますところなく描いており、数多のケースから文化創造とマネジメントのプロセスが読み解かれる(著者が世界有数の企業コンサルタントとして蓄積した経験知が本書の核心であることを示す箇所)
- 2023年に逝去されたシャイン教授が生涯をかけて追究してきた組織文化研究の集大成であり、『文化』理解の指針となる不朽の名著である(本書が著者の集大成であり、後進への知的遺産として位置づけられることを端的に示す)
編集メモ
Qiita言及0件・likes 0。2025年4月刊行の最新版であり流通開始間もないため外部言及蓄積はこれから。リーダーシップ Topic における古典的理論書として位置づける
読む前に押さえておきたいこと
- 組織論・経営学の基礎概念(組織構造・戦略・変革管理)を概説書レベルで理解していること
- 自組織または過去に所属した組織の文化的特徴について、自身の観察・体験を持っていること(抽象論を体験に照らしながら読むために必要)
学習のコツ
- 第2章の3層モデルを十分に咀嚼してから第3〜5章のケーススタディを読むと、抽象フレームが具体事例で血肉化する。順番通りに読むことを強く推奨する
- 第11章は組織の成長段階別に読み直す価値がある。自組織のフェーズを先に診断し、該当箇所を拾い読みする使い方も有効
- 第14章と第15章を対比しながら読むと、定量・定性アプローチの使い分け判断が明確になる。コンサルタントや組織開発担当者はここを実務参照として活用できる
- 各章末の読者への問いかけ(第5版で新設)を、チームや読書会で議論するファシリテーション素材として使うと理解が大幅に深まる
出版社による内容紹介
エドガー・H・シャインは、組織心理学という分野を開拓し、経営学の世界に大きなインパクトを与えた。その業績は大きく3つに分類できる。キャリア論(『キャリア・アンカー』[小社刊]など)、援助論(『プロセス・コンサルテーション』[小社刊]、『人を助けるとはどういうことか』[英治出版刊]など)、そして、本書『組織文化とリーダーシップ』に代表される組織文化論である。 本書では、世界有数の企業のコンサルタントとしての経験を通じて培われた知見から、組織における「文化」と「リーダーシップ」のダイナミズムをあますところなく描いており、数多のケースから文化創造とマネジメントのプロセスが読み解かれる。 本書は大きく4部構成になっている。文化分析の基礎となる「文化の構造」を捉える視点の学びを皮切りに、昨今その重要度を増している「マクロカルチャー」が組織に与える様々な影響に目配りしながら、組織の成長段階ごとの状況やリーダーの影響も考慮して「文化の進化」がもたらすダイナミズムの本質を理解し、「文化の変革の実践」へと進んでいく流れである。 今回訳出された第5版では、息子であるピーター・シャインにも執筆協力を仰ぎ、近年著しいグローバル化や DX 化に伴う組織の変化、ミレニアル世代以降特有の価値観などを踏まえた議論が展開されている。同時に、昨今流行している文化の定量的/定性的な測定・評価ツールの検討もあり、時代に即した改訂となっている。また、これまでの理論がすっきりとまとめられ、各章に読者へのアドバイス・問いかけが加わったことで、より理解しやすい構成となっている。さらに、全編にわたってマクロカルチャーや文化とリーダーシップの関係性に関する洞察がなされ、自身の内なる文化を知る重要性も示されている。 2023年に逝去されたシャイン教授が生涯をかけて追究してきた組織文化研究の集大成であり、「文化」理解の指針となる不朽の名著である。 第1部 文化構造を定義する 第1章 文化の一般的な定義 第2章 文化の構造 第3章 創業間もない成長著しい米国エンジニアリング企業 第4章 成熟したスイスドイツ語圏の化学メーカー 第5章 シンガポールの開発政府機関 第2部 リーダーがマクロカルチャーについて知っておくべきこと 第6章 マクロカルチャーが生じる文脈の次元 第7章 マクロカルチャーに焦点を当てた取り組み 第3部 成長段階における文化とリーダーシップ 第8章 文化の誕生と創業者の役割 第9章 どのようにして外部適応と内部統合は文化となるのか 第10章 リーダーはどのようにして文化を定着させ、伝えるのか 第11章 組織の成長、成熟、衰退に関わる文化のダイナミクス 第12章 文化の自然進化と誘導された進化 第4部 文化を評価し、計画的変革を導く 第13章 文化を解読する 第14章 診断型定量的アプローチによる文化の評価と組織変革プログラム 第15章 対話型定性的アプローチによる文化の評価プロセス 第16章 変革マネジメントのモデルと変革リーダー 第17章 学習者としての変革リーダー
この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。