ISBN 9784595324154

自然言語処理〔三訂版〕

自然言語処理〔三訂版〕
著者
黒橋 禎夫
刊行
2023-03

概要

自然言語処理の原理から最新ニューラル手法までを体系的に習得する

想定読者

自然言語処理を初めて体系的に学ぶ情報系学部生・大学院生、および NLP ツールの仕組みを理解したい実務者

こんな人には向いていない

  • LLM API を呼ぶだけで十分な実装者には理論の比重が大きい
  • Python による実装演習を中心に学びたい実践志向の入門者には講義形式の説明が合わない場合がある
  • 形式言語理論や確率モデルを既に修了した研究者には既知の内容が多い

読了後にできるようになること

  • 形態素解析・構文解析・意味解析の各アルゴリズムを原理から説明できる
  • word2vec から Attention・Transformer に至るニューラル NLP の進化を系統的に理解できる
  • 機械翻訳・質問応答・対話システムの設計原理を把握し、応用システムを批判的に評価できる
  • 情報検索の基礎(転置インデックス・TF-IDF・BM25 相当)と NLP との接点を理解できる
  • 言語リソース(コーパス・アノテーション)の構築手法と品質管理の考え方を学べる
  • 自然言語の曖昧性・文脈依存性をコンピュータがどのように扱うかを具体的に理解できる

本書のキー概念(章解説)

  • 第 1 章 自然言語処理の概要と歴史 — ルールベースから統計・ニューラルへの流れを俯瞰する導入章。全体地図を掴むために先読みを推奨
  • 第 2 章 文字列・テキスト処理の基礎 — 正規表現・エンコーディング・トークナイズの実装前提となる基礎
  • 第 3 章 言語リソースの構築(1) — コーパス設計とアノテーション品質の考え方を扱う
  • 第 4 章 言語リソースの構築(2)
  • 第 5 章 語の意味の扱い — WordNet 的な語彙体系から分散表現まで、意味表現の変遷を理解する
  • 第 6 章 ニューラル自然言語処理の基礎 — 本書の核心部分。RNN・LSTM の基礎を丁寧に押さえる章
  • 第 7 章 機械翻訳 — 統計 MT から Neural MT への移行を実例で追える
  • 第 8 章 Attention機構に基づくニューラルネットワークモデル — Transformer の原理を理解するための必読章。6章の後に続けて読むとよい
  • 第 9 章 系列の解析
  • 第 10 章 構文の解析 — 依存構造解析・句構造解析の違いと用途を扱う
  • 第 11 章 文の意味の解析
  • 第 12 章 文脈の解析 — 照応解析・談話構造など、文を超えた意味処理を扱う
  • 第 13 章 情報検索 — 検索エンジンの基礎原理を NLP 観点から学べる。エンジニア実務との接点が多い章
  • 第 14 章 質問応答
  • 第 15 章 対話システム — LLM 時代の対話システム設計を歴史的経緯から理解するための章

ハイライト

  • 自然言語のコンピュータ処理に関する研究・技術分野を自然言語処理と呼ぶ。近年のコンピュータおよびニューラルネットワークの進展とともに自然言語処理技術は劇的に進展し、ウェブサーチ、対話システム、機械翻訳などの応用システムが我々の日常に浸透しはじめている(本書が現代の NLP 実用化の流れに沿って設計されていることを示す記述)
  • 自然言語の性質、コンピュータで処理するアルゴリズム、難しさ等を理解する。これによって、自然言語処理の応用システムを健全に利活用する能力を身につける(単なる実装習得ではなく批判的評価能力の養成を目的とした姿勢が明示されている箇所)

編集メモ

Qiita 言及記事 0 件 / 楽天ランキング情報なし。放送大学テキストとして体系性は高いが、外部シグナルが現時点では確認できないため supplementary とする

読む前に押さえておきたいこと

  • 高校〜大学教養レベルの確率・統計(条件付き確率、最尤推定の概念)
  • 線形代数の基礎(ベクトル・行列演算)。6〜8章のニューラル部分で必要
  • プログラミング経験(Python が望ましいが、アルゴリズムを読み解く程度で十分)

学習のコツ

  • 1章で全体の俯瞰を掴んだ後、6〜8章(ニューラル NLP・Attention)を先に読むと、現代の LLM への接続が見えやすくなる
  • 放送大学テキストのため各章が独立性を持っており、実務上関心が高い領域(情報検索=13章、対話=15章)から先読みすることも有効
  • 章末の演習問題は自己確認よりも概念整理に使う意図が強い。アルゴリズムの疑似コードを手で追ってから取り組むと理解が深まる
  • 5章(語の意味)と6章(ニューラル基礎)は連続して読むことで、古典的意味表現と分散表現の対比が明確になる
出版社による内容紹介

日本語や英語などの自然言語は人間の知的活動の根幹をささえるメディアである。自然言語のコンピュータ処理に関する研究・技術分野を自然言語処理と呼ぶ。近年のコンピュータおよびニューラルネットワークの進展とともに自然言語処理技術は劇的に進展し、ウェブサーチ、対話システム、機械翻訳などの応用システムが我々の日常に浸透しはじめている。本書では、自然言語の性質、コンピュータで処理するアルゴリズム、難しさ等を理解する。これによって、自然言語処理の応用システムを健全に利活用する能力を身につける。 1.自然言語処理の概要と歴史 2.文字列・テキスト処理の基礎 3.言語リソースの構築(1) 4.言語リソースの構築(2) 5.語の意味の扱い 6.ニューラル自然言語処理の基礎 7.機械翻訳 8.Attention機構に基づくニューラルネットワークモデル 9.系列の解析 10.構文の解析 11.文の意味の解析 12.文脈の解析 13.情報検索 14.質問応答 15.対話システム

この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。

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