ISBN 9784814401659

詳解 組み込みシステム(第2版) : 高性能、高品質なソフトウェアを実現するデザインパターン

詳解 組み込みシステム(第2版) : 高性能、高品質なソフトウェアを実現するデザインパターン
刊行
2026-04

概要

組み込みシステム開発の設計判断を原理・パターンから実務直結で習得する

想定読者

C/C++ の基礎はあり、マイコンや組み込み機器の実開発に携わっている、または携わろうとしているソフトウェアエンジニア。IoT デバイス・産業機器・車載など、リソース制約下のシステムを担当するチームのリードや中堅層

こんな人には向いていない

  • プログラミング自体が初めての人。本書はC言語の読み書きを前提としており、言語入門書としては使えない
  • Linux カーネルドライバや RTOS の内部実装を深掘りしたい読者。本書の射程はアプリケーション層の設計パターンと開発プロセスであり、OS 内部には踏み込まない
  • すでに大規模組み込みシステムを設計・リリースしており、IoT セキュリティや省電力の最新動向だけを求める上級者。章の前半はすでに既知の基礎で占められる可能性がある

読了後にできるようになること

  • ステートマシン・ウォッチドッグ・タスクスケジューリングといったアクティビティフロー管理の設計パターンを、要件から選択・実装できる
  • SPI / I2C / USB などシリアル通信プロトコルの特性差を理解し、FIFO・DMA・リングバッファを組み合わせた堅牢なペリフェラル通信を構築できる
  • コンパイラ最適化・ハードフォルト・スタックオーバーフローなど組み込み固有のトラブルを体系的にトラブルシュートできる
  • コード・メモリ・実行時間の最適化手法を用いてリソース制約下でのパフォーマンスを引き出せる
  • スリープモード・ペリフェラルシャットダウン・電力測定など省電力設計の基本を実機ベースで実践できる
  • ファームウェアアップデートとリスク分析を含むネットワーク接続・セキュリティ設計の考え方を習得できる

本書のキー概念(章解説)

  • 第 1 章 組み込みシステム概観 — 開発環境・コンパイラ・デバッガの選定基準を扱う。新規参入者はここから読み、経験者は読み飛ばし可
  • 第 2 章 システムアーキテクチャ設計 — モジュール分割・インターフェース設計パターンが中心。全章を通じた設計思想の土台となる重要章
  • 第 3 章 ハードウェアの調達 — データシート読解・プロセッサ選定・回路図の見方を解説。ソフトウェア専門のエンジニアが最も苦手にしやすい領域
  • 第 4 章 I/O とタイマ — レジスタ操作・LED 制御・割り込み・PWM。マイコン入門としての実習的な章
  • 第 5 章 割り込み — IRQ メカニズム・ハンドラ管理・コンテキスト保存の詳解。バグの温床になりやすい領域を正面から扱う
  • 第 6 章 アクティビティフロー管理 — スケジューリング・ステートマシン・ウォッチドッグ。実務で頻出するパターン。本書の設計寄りの核心部
  • 第 7 章 ペリフェラル通信 — SPI / I2C / USB / FIFO / DMA / リングバッファを網羅。プロトコル選定と実装の両面をカバー
  • 第 8 章 システム構成 — ディスプレイ・フラッシュ・センサ・データ処理パイプラインの構築手法
  • 第 9 章 トラブルシューティング — コンパイラ最適化起因のバグ・ハードフォルト・メモリ破壊の系統的な診断手順。現場で即役立つ実戦章
  • 第 10 章 ネットワーキングとセキュリティ — 接続方式の選択・ファームウェアアップデート・リスク分析。第2版での強化箇所
  • 第 11 章 リソース削減 — コード・メモリ・実行時間の最適化テクニックを体系化
  • 第 12 章 数値演算 — 浮動小数点代替・アルゴリズム最適化。制約環境での演算設計のノウハウ
  • 第 13 章 省電力 — 電力測定・スリープモード・ペリフェラルシャットダウン。IoT 機器開発では避けて通れない第2版強化章
  • 第 14 章 モーターとモーション — PID 制御・モーション プロファイル。ロボット・産業機器開発者向けの応用章

ハイライト

  • 組み込みシステムの基本的な概念、ツール、テクニックを解説し、実際の幅広いプロジェクトに適用できる知識とスキルを提供することを目的としています(本書の立ち位置を示す一文。単一マイコンや単一プロトコルの解説書ではなく、プロジェクト横断で使える設計知識の体系を目指していることがわかる)
  • 開発スピードの加速、IoTの普及、セキュリティ、環境への配慮といった、従来にはあまり考慮されなかったことが求められるようになってきています(第2版改訂の背景を端的に示す記述。トラブルシューティング・省電力・セキュリティの章が追加された理由を説明しており、初版所有者が買い替えを検討する際の判断材料になる)

編集メモ

2026年4月刊行の新刊のため Qiita 言及 0件・楽天ランキング記録なし。外部シグナルが蓄積されていない段階での判定。原著 Making Embedded Systems(O'Reilly 英語版)は組み込み設計書の定番として実績があり、第2版として IoT・セキュリティ・省電力を補強した改訂版。シグナル蓄積後に再評価を推奨

読む前に押さえておきたいこと

  • C言語の基本文法(ポインタ・構造体・ビット演算を含む)の実用的な読み書きができること
  • マイコンボード(Arduino・STM32・ESP32 など)に対して、ファームウェアを書き込んでデバッグした経験が1件以上あること
  • 割り込みと polling の違いを概念レベルで理解していること

学習のコツ

  • 2章(システムアーキテクチャ設計)は全体の設計思想を決める章なので、1章のハードウェア概要を流し読みした後に最初に精読すると後続章の吸収効率が上がる
  • 9章(トラブルシューティング)と6章(アクティビティフロー管理)は実務で最も頻繁に参照するパターンを扱うため、通読後も辞書的に手元に置いておくと価値が高い
  • 14章(モーターとモーション)は産業機器・ロボット開発者以外は後回しにしても構わない。IoT 寄りの開発であれば 10・13 章を先に読む方が優先度が高い
  • 各章末にある設計上の判断基準やチェックポイントを自プロジェクトのレビューチェックリストに転用すると、知識を即座に実務へ接続できる
出版社による内容紹介

組み込みシステムの開発に必要な幅広いトピックを網羅! 本書は、組み込みシステムの基本的な概念、ツール、テクニックを解説し、実際の幅広いプロジェクトに適用できる知識とスキルと提供することを目的としています。最近では組み込みにおいても、開発スピードの加速、IoTの普及、セキュリティ、環境への配慮といった、従来にはあまり考慮されなかったことが求められるようになってきています。本書は、こうしたニーズに応えられるように、トラブルシューティング、ネットワークについて、また最適化や効率化、省電力についての章も設けるなど、時代に即した内容となっています。

この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。

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