ISBN 9784003360439

形而上学(アリストテレス) 上

形而上学(アリストテレス) 上
出版社
岩波書店
刊行
1959-12

概要

西洋哲学の根本概念を形成したアリストテレスの存在論・実体論を原典で読む

想定読者

哲学・思想史を原典から体系的に理解したい研究者・大学院生・独学者。オブジェクト指向設計や概念モデリングの思想的背景を深く掘り下げたいエンジニア

こんな人には向いていない

  • 哲学の入門として手軽に概要を把握したい読者には難解すぎる——要約・解説書を先に読むことを推奨
  • アリストテレス哲学への前知識がまったくない状態でいきなり取り組むと、用語体系に慣れるだけで相当の時間を要する
  • 上巻単体で完結した結論を求める読者には不向き——下巻まで通読してはじめて全体像が見えてくる構成になっている

読了後にできるようになること

  • 実体(ウーシア)・形相(エイドス)・質料(ヒュレー)・可能態(デュナミス)・現実態(エネルゲイア)といったアリストテレス哲学の基本概念を一次資料から理解できる
  • 四原因説(質料因・形相因・動力因・目的因)が何を説明しようとしているか、その問題設定から把握できる
  • プラトンのイデア論に対するアリストテレスの批判的継承を追うことで、哲学史における概念転換の構造を読み取れる
  • カテゴリー論と述語分析の論理的枠組みが、後世の形而上学・論理学・科学哲学にどう接続されるかの土台を掴める
  • 弁証法的な論証展開のスタイルに慣れることで、古代哲学テキストの読解力が身に付く

ハイライト

  • 千数百年にわたって西洋の世界観に決定的な影響を与えたばかりでなく、西洋哲学の多くの基本概念を生み出した著作で、ここに示される問題分析の態度や発展流動する弁証法的思考方法は永久に研究者の模範となるものである(出版社による紹介文のうち、本書の歴史的位置付けと方法論上の意義が最も端的に示されている箇所)

外部からの言及

  • エンジニア向けに哲学史を解説する記事のなかで、アリストテレスの形式論理・10 カテゴリー・四原因説がシステム設計や機能説明の思考枠組みとして有用だとして、参考文献に本書(岩波文庫版)が挙げられている(qiita)

編集メモ

Qiita での本 ISBN 直接引用は確認できず。アリストテレス形而上学を参考文献として明示する Qiita 記事が 1 件(likes 12)確認できる程度。技術系 SNS での言及頻度は低いが、哲学原典としての学術的位置付けは確固としている

読む前に押さえておきたいこと

  • 古代ギリシア哲学の基礎的な時代背景——ソクラテス・プラトンの問題意識(特にイデア論)をあらかじめ把握していると、アリストテレスの批判の射程が理解しやすくなる
  • 論理学の初歩——命題・述語・カテゴリーといった概念に馴染みがあると第 1・4 巻の議論についていきやすい
  • 哲学用語の日本語訳が一般用語と異なる場合が多いため、訳語対照の哲学辞典(例: 岩波哲学・思想事典)を手元に置くことを推奨

学習のコツ

  • 岩波文庫版の訳注は本文と同程度の密度がある——本文を読み進めながら都度参照するより、章単位で本文を通読してから注を一括確認する方が流れを掴みやすい
  • 第 7 巻(ゼータ)が実体論の核心で最も難解な箇所——はじめて読む場合は第 1・2 巻で問題の地図を掴んだ後、いったん第 12 巻(ラムダ)に跳んで全体の着地点を確認してから第 7 巻に戻る読み方が有効
  • オブジェクト指向やドメインモデリングを学んだ経験があるエンジニアは、実体・形相・質料の概念を class / type / instance の枠組みと対比しながら読むと抽象度が下がり理解が促進される
  • 上巻だけで完結しないため、下巻(9784003360446)と合わせて購入・読破する計画で臨むことを推奨
出版社による内容紹介

哲学のもっとも根本的な問題の探求をめぐるアリストテレス(前384-322)の一群の論文を集録した書。千数百年にわたって西洋の世界観に決定的な影響を与えたばかりでなく、西洋哲学の多くの基本概念を生み出した著作で、ここに示される問題分析の態度や発展流動する弁証法的思考方法は永久に研究者の模範となるものである。

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