ISBN 9784065133323
深層学習 改訂第2版
概要
深層学習の基礎理論から最新手法まで体系的に理解する
想定読者
線形代数・微積分の基礎を持ち、深層学習を理論側から体系的に理解したい研究者・エンジニア
こんな人には向いていない
- Pythonコードを写経しながら動くものを作ることで学習を始めたい入門者には、数式主体の記述が合わない
- PyTorchやTensorFlowの実装パターンをすぐに業務適用したいエンジニアには、フレームワーク固有の説明が本書にはない
- 特定のビジネス課題に素早く対処するための応用レシピ集を求めている実務家には内容の抽象度が高い
この本で身につくこと
- 確率的勾配降下法と誤差逆伝播法の数学的原理を、実装に結びつく形で説明できる
- CNN・RNN・Transformer・GNNの構造差異と、タスクごとの適用根拠を判断できる
- 生成モデル(VAE・GANなど)の学習原理と推論の信頼性評価手法を体系的に説明できる
- データ不足時の転移学習・ファインチューニングなどの対策手法を目的に応じて選べる
- 現時点で有効とされる手法と著者が疑問視する手法を区別し、自分の次の調査方向を定められる
ハイライト(外部からの言及)
それぞれの方法について,今の時点で最も納得できる説明をきちんと与えることにこだわりました.名前の通った方法であっても,理屈が成り立たない,あるいは役に立たない方法や考え方については,はっきりそう書きました. — 出典
著者の編集姿勢が端的に表れている箇所。批判的記述を厭わない姿勢が、他の入門・解説書との最大の差別化点
定番となった問題・方法に加えて,重要だと思われる問題については,必ずしもそれほど有名でない方法も含めてなるべく網羅するようにしました.その取捨選択には,深層学習が実践的技術であることを踏まえ,実用性を最も重視しました. — 出典
有名手法への偏りを避け実用性基準で網羅する方針を示す。改訂版でTransformer・GNNが追加された選択基準と整合する
章立て
第1章 はじめに
著者の編集方針(批判的記述を厭わない姿勢・実用性重視の手法選択基準)が示される。本書全体の読み方を方向づけるため最初に一読しておきたい
第2章 ネットワークの基本構造
活性化関数・正規化など基礎構成要素を網羅。以降の章すべての前提となるため確実に押さえたい
第3章 確率的勾配降下法
Adam等のオプティマイザやLRスケジューラ選択の理論的根拠を理解できる核心章
第4章 誤差逆伝播法
自動微分ライブラリの内部原理を理解したい場合に特に有効
第5章 畳み込みニューラルネットワーク
画像認識の標準アーキテクチャを理論から解説。第2章の基礎を前提としつつ、実装経験者がいきなり入門点として使う章としても機能する
第6章 系列データのためのネットワーク
RNN・LSTM・GRUの限界と、Transformerへの移行背景を理解できる
第7章 集合・グラフのためのネットワークと注意機構
改訂第2版で大幅加筆。GNNとAttentionを統一的視点から解説
第8章 推論の信頼性
モデルの不確かさ推定という、実用場面でしばしば見落とされるテーマを扱う
第9章 説明と可視化
XAI(説明可能AI)への関心があれば第8章と合わせて読む価値がある
第10章 いろいろな学習方法
自己教師あり学習・対照学習など教師あり学習の枠外にある手法を横断的に整理。第11章(データ不足の対処)の前に読むと体系が掴みやすい
第11章 データが少ない場合の学習
転移学習・少数ショット学習など実務上のデータ制約への対処を体系化
第12章 生成モデル
改訂第2版で拡充。VAE・GAN・拡散モデルの理論的整理を提供
学習のヒント
- 2〜4章(基本構造・SGD・誤差逆伝播)はシーケンシャルに読む必要がある。線形代数や偏微分で詰まる場合は、先に数学の復習を挟むと後半の章の吸収が速い
- 実装経験のある読者は5章(CNN)から入り、理解が曖昧になったタイミングで2〜4章に戻る読み方が効率的
- 8章(推論の信頼性)と9章(説明・可視化)は実務のMLOps・品質評価に直結するが後回しにされがちで、モデルを本番運用するエンジニアは早めに読む価値がある
- 著者が「理屈が成り立たない」と明記している手法については、その評価根拠を自分なりに検証しながら読むと批判的思考の訓練になる
前提知識
- 線形代数の基礎(行列演算・固有値分解の概念)
- 微積分の基礎(偏微分・連鎖律)
- 確率・統計の基礎(確率分布・尤度・期待値)
- NumPyなどを用いた行列演算の実装経験(必須ではないが理解の補強になる)
次に読む本
ゼロから作るDeep Learning
本書で数式ベースの理論を習得した後、NumPyだけで全レイヤーを実装することで理論と動作の対応を身体で確かめられる。フレームワークの抽象化に頼らずに逆伝播を書き下ろす体験は、本書第4章の内容を定着させる実践ステップとして最適
パターン認識と機械学習(PRML / Bishop)
本書が深層学習に絞って扱う確率的手法(ベイズ推論・混合分布など)の背景理論を、カーネル法やガウス過程まで含めて体系的に学べる。本書を読んで「なぜこのモデルか」の確率論的根拠を深掘りしたい読者に向く上流文献
Attention Is All You Need(原著論文)
本書第7章でAttentionとTransformerの直感的理解を得た後、原著と照合することでマルチヘッド機構の数式表現と設計意図の対応を確認できる。本書が「なぜそう設計されたか」を補足し、原著が「何をどう定式化したか」を示すため、両者を往復すると理解が定着する
出版社による内容紹介
◆ベストセラーの改訂版。最高最強のバイブルが大幅にパワーアップ!!◆ ・トランスフォーマー、グラフニューラルネットワーク、生成モデルなどをはじめ、各手法を大幅に加筆。 ・深層学習のさまざまな課題と、その対策についても詳しく解説。 [本書まえがきより抜粋] ないもの(=理論)ねだりをしても仕方がありません.それでも皆が研究を進めるのは,そうすることに意義があるからです.なぜうまく働くのか,なぜそうすべきか,数学的な証明はなくても,正しい説明は必ずあるはずです.それを手にできれば,目の前の課題を解決するのに,また次に進むべき道を知るうえで役に立つでしょう. そこで本書では,それぞれの方法について,今の時点で最も納得できる説明をきちんと与えることにこだわりました.名前の通った方法であっても,理屈が成り立たない,あるいは役に立たない方法や考え方については,はっきりそう書きました.著者の主観といわれても仕方がない場合もあるかもしれませんが,そのほうが有益であると信じています. また,現在の深層学習の広がりを把握できるように,定番となった問題・方法に加えて,重要だと思われる問題については,必ずしもそれほど有名でない方法も含めてなるべく網羅するようにしました.その取捨選択には,深層学習が実践的技術であることを踏まえ,実用性を最も重視しました.そこには,この間に著者が企業の実務家たちと行ってきた共同研究での経験が反映されています. [主な内容] 第1章 はじめに 第2章 ネットワークの基本構造 第3章 確率的勾配降下法 第4章 誤差逆伝播法 第5章 畳み込みニューラルネットワーク 第6章 系列データのためのネットワーク 第7章 集合・グラフのためのネットワークと注意機構 第8章 推論の信頼性 第9章 説明と可視化 第10章 いろいろな学習方法 第11章 データが少ない場合の学習 第12章 生成モデル
この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。