ISBN 9784065259818

現場で活用するための機械学習エンジニアリング

現場で活用するための機械学習エンジニアリング
著者
藤井 亮宏
出版社
講談社
刊行
2021-11

概要

機械学習活用プロジェクトの問題設定・実装・実運用・説明性を体系的に習得する

想定読者

機械学習の現場導入を検討・推進するビジネスサイド担当者・PM、および機械学習エンジニアとして実運用に関わり始めた人

こんな人には向いていない

  • 機械学習モデルのアーキテクチャ設計やアルゴリズム理論を深堀りしたい研究者・上級エンジニアには実装水準が物足りない
  • PythonやML フレームワークの使い方をコードレベルで習得したい人向けの実装書ではなく、概念・判断軸を学ぶ構成になっている
  • 特定産業ドメイン(医療・金融など)に特化したML活用事例を求める人には、第7章の7事例では業界固有の深さが不足する場合がある

読了後にできるようになること

  • AI・機械学習・深層学習の違いと、機械学習が近似関数を推定する作業であるという本質的な概念を理解できる
  • 機械学習活用プロジェクトの流れ・問題設定の方法・ドメイン知識の組み込み方を体系的に把握できる
  • 機械学習を導入する前に非ML解を検討するという実務的な判断軸を習得できる
  • 評価データの情報漏洩防止・短絡学習の回避・少ないデータでの精度担保など、本番環境特有の問題への対処方法を理解できる
  • モデルの説明性(XAI)として判断根拠の可視化・偏見の検出・不確実性の定量化を理解し、ステークホルダーへの説明に活用できる
  • 外観検査・文書解析・数値シミュレーション近似など一般企業での具体的なML適用事例7件から実装イメージを掴める

本書のキー概念(章解説)

  • 第 1 章 本書の使い方 — 管理職・ビジネス担当・エンジニアそれぞれの読み方が示されているため、最初に確認して自分の読み順を決めると効率的
  • 第 2 章 機械学習とは何か — AI・機械学習・深層学習の関係性と、機械学習が近似関数を推定する作業であるという本質を解説。概念的な土台として重要
  • 第 3 章 機械学習手法の種類と基礎 — 深層学習以外の手法から転移学習まで網羅。過学習と正則化も扱い、手法選択の判断に必要な引き出しを増やす
  • 第 4 章 機械学習のタスク — 画像・NLP・異常検知・テーブルデータ・数値計算近似の5領域を俯瞰。自社課題がどのタスク類型に当たるかを判断するための地図として機能する
  • 第 5 章 機械学習は一般企業でも活用できる — 第2部の導入章。MLは研究機関だけのものではないという前提を固める。短い章だが読むことで第6章以降の事例が腑に落ちやすくなる
  • 第 6 章 機械学習を現場で活用するには — 本書の核心章。プロジェクトの流れ・問題設定・ドメイン知識の組み込み・手法選択・論文の読み方・非ML解の検討まで網羅。ビジネスサイドが最初に読む価値が最も高い
  • 第 7 章 機械学習の適用事例 — 外観検査・建設現場監視・街路樹調査・NDA チェック・数値シミュレーション近似・野生動物保護・気球通信の7事例を収録。業種を横断した事例群で活用イメージを具体化できる
  • 第 8 章 実運用に耐えうる機械学習モデルの構築 — 実務で最も価値が高い章。評価データの情報漏洩・短絡学習・少ないデータでの精度担保・ラベル間違いへの対応など、本番環境特有の問題が集中している
  • 第 9 章 機械学習モデルの説明性 — XAI の概念から因果関係と相関関係の区別まで扱う。説明責任が求められる業務(与信・採用支援・医療補助など)でのML活用を担当する人に特に有用

ハイライト

  • 機械学習プロジェクトの上手な進め方、機械学習を活用するときに気をつけること、活用事例などをていねいに解説。「機械学習を作る側」と「機械学習活用する側」との橋渡しとなる一冊(本書の独自ポジションが端的に示されている。開発側と活用側が共通言語を持つことを目的とした設計思想が読み取れる箇所)
  • 評価データの情報漏洩を防いで実運用時と近い評価をする・データ拡張による実運用時のばらつきを加味した学習方法・機械学習モデルが出す想定外の予測結果(短絡学習)を防ぐ対策(実運用フェーズの落とし穴がセクション単位で列挙されており、本書が現場の失敗パターンを具体的にカバーしていることを示す)

編集メモ

Qiita言及記事0件 / 累計likes 0 / 楽天ランキング情報なし。外部シグナルが確認できないため機械的にsupplementaryと判定。書誌情報・章構成からは実務適用向けの充実した内容が確認できるが、定量的根拠がないため保守的な評価とする

読む前に押さえておきたいこと

  • 機械学習・深層学習の基本概念についての大まかな知識(Webの入門記事レベルで十分。数式の詳細な理解は前提としない)
  • 業務でMLの導入・評価・推進に関わる立場、または実装チームと連携するPM・企画担当としての実務感覚
  • 特定のプログラミング言語の習熟は前提としない。概念・判断軸を扱う構成のため、非エンジニアでも読み進められる

学習のコツ

  • 第1章の読み方ガイドに従い、管理職・ビジネス担当は第5〜7章、エンジニアは第6〜9章を優先することで、自分の役割に直結するパートに早く到達できる
  • 第6章9節は「機械学習を活用しない解を検討する」という項目を含む。ML導入案件の判断に関わる全員が最初に読む価値があり、不適切な案件への投資を事前に防ぐ視点として機能する
  • 第8章は実際にMLモデルを本番環境にデプロイした経験がある人ほど共感度が高い。開発終盤のチェックリストとして読み返すことで、本番リリース前の抜け漏れを点検できる
  • 第7章の事例は業種・タスクの多様性が高いため、自社業務に近い事例を起点として読み進めると問題設定の具体化に役立てやすい
出版社による内容紹介

★★管理職も技術者も必読!「機械学習」のやさしい活用法★★ 機械学習プロジェクトの上手な進め方、機械学習を活用するときに気をつけること、活用事例などをていねいに解説。 「機械学習を作る側」と「機械学習活用する側」との橋渡しとなる一冊! [本書で学べること] ・そもそも機械学習で何ができるのか? ・現場への適切な組み込み方法は? ・どうやって精度を保証するのか? ・実運用を見すえたときに確認すべき部分は? [主な内容]  第1章 本書の使い方 第1部 機械学習の基礎  第2章 機械学習とは何か  第3章 機械学習手法の種類と基礎  第4章 機械学習のタスク 第2部 機械学習の利活用  第5章 機械学習は一般企業でも活用できる  第6章 機械学習を現場で活用するには  第7章 機械学習の適用事例  第8章 実運用に耐えうる機械学習モデルの構築  第9章 機械学習モデルの説明性 第1章 本書の使い方 第1部 機械学習の基礎 第2章 機械学習とは何か 2.1 AI、機械学習、深層学習の違いと機械学習の概念 2.2 機械学習は近似関数を推定する作業である 2.3 データについて 第3章 機械学習手法の種類と基礎 3.1 機械学習の種類 3.2 深層学習以外の機械学習手法の種類とその基礎 3.3 深層学習の主な種類とその基礎 3.4 過学習と正則化 3.5 転移学習 第4章 機械学習のタスク 4.1 動画像系のタスク 4.2 自然言語処理・音系のタスク 4.3 異常検知のタスク 4.4 テーブルデータ系のタスク 4.5 数値計算手法の近似 第2部 機械学習の利活用 第5章 機械学習は一般企業でも活用できる 第6章 機械学習を現場で活用するには 6.1 機械学習活用プロジェクトの流れ 6.2 機械学習活用プロジェクトでうまく問題設定する 6.3 ドメイン知識をモデルに組み込む 6.4 ウェブから利用可能な資源を活用する 6.5 機械学習手法の選択やデータの質・量 6.6 機械学習情報の収集方法 6.7 論文の効率的な読み方 6.8 機械学習が抱える問題点 6.9 機械学習を活用する前に「機械学習を活用しない解」を検討する 第7章 機械学習の適用事例 7.1 商品の外観検査 7.2 建設現場の進捗確認 7.3 街路樹の密度をチェックし、植林支援をする 7.4 秘密保持契約のチェック 7.5 数値シミュレーションの近似 7.6 銃声を検知して野生動物を保護する 7.7 長期間気球を滞空させて、過疎地の通信を助ける 第8章 実運用に耐えうる機械学習モデルの構築 8.1 評価データの情報漏洩を防いで実運用時と近い評価をする 8.2 データ拡張による実運用時のばらつきを加味した学習方法 8.3 機械学習モデルが出す想定外の予測結果(短絡学習)を防ぐ対策 8.4 少ないデータで学習し、少ないデータで精度を担保する 8.5 ラベル間違いへの対応 8.6 その他利活用時に問題になりそうな事項とその対策 第9章 機械学習モデルの説明性 9.1 説明性のある機械学習モデルとは 9.2 判断根拠の説明性 9.3 偏見の可視化 9.4 不確実性の算出 9.5 説明性は役に立つのか 9.6 因果関係と相関関係

この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。

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