ISBN 9784121006240

理科系の作文技術

理科系の作文技術
著者
木下是雄
出版社
中央公論新社
刊行
1981-09

概要

理科系の文書で正確・簡潔な表現を体得する

想定読者

論文・仕様書・技術ブログ・報告書など事実に基づく文章を書く機会がある理工系の学生・社会人全般

こんな人には向いていない

  • 文芸・創作的な表現力を磨きたい読者には対象外(本書は情報伝達の明確性に絞った実用書)
  • 英語での技術文書作成が主な課題の読者は、本書が日本語表現に特化しているため直接適用が限られる
  • 論文・報告書を数十本書き込んだベテランには既知の指摘が多く、体系整理の参照用途に留まる可能性が高い

この本で身につくこと

  • 結論を冒頭に置く「重点先行」の構造で、読者が要旨を即座に把握できる文書を組み立てられる
  • 事実・推測・意見を文章中で明示的に区別する書き方が身につく
  • 冗長な修飾語・二重表現を削ぎ落とし、最小限の語数で正確な情報を伝える技術を習得できる
  • 論文・報告書・仕様書それぞれの目的に合った文書構成を設計できる
  • 読者への「伝達目的」を起点にアウトラインを設計する思考プロセスを実践的に習慣化できる

ハイライト(外部からの言及)

書き終わってから、それが余計なことかどうかを判断します。判断の基準は、先ほど決めたタイトルです。「これはタイトルに沿う内容か?」そこで「余計だ」「必要がない」と思えば、ばっさり削除するべきです。 — 出典

likes 944 のQiita記事執筆ガイドが参照書として本書を挙げる文脈で示された実践の一節。「伝えたいことに絞り、余分を削ぎ落とす」判断軸が技術記事執筆の現場で直接機能していることを裏付ける

マニュアルを含め、全ての成果物はそのユーザーの要求を満たすならOKです。つまり、「わかりづらい」は「ユーザーの要求を満たさない」ことを指摘しています。 — 出典

ソフトウェアドキュメントの「わかりづらい」問題を構造分析した記事が参照書として本書を挙げた文脈の一節。読者の要求を起点に文書品質を定義するアプローチが本書の「伝達目的から設計する」思想と重なる

章立て

(公式情報未確認 — 出版社公式ページの目次が公開され次第、本セクションを更新予定)

関連記事 / 参考情報

学習のヒント

  • 章順に通読せず、まず「重点先行の原則」と「事実・推測・意見の区別」を扱う章を先に読むと他の章の意図が格段に理解しやすくなる
  • 読みながら自分が最近書いた報告書や Slack の長文メッセージを1本手元に置き、本書が指摘する冗長表現・構造の問題を実際に探す練習をすると定着が速い
  • 本書に収録された改善例(悪文→修正文)は繰り返し読む価値がある。数週間後に例文だけ再読すると自己採点の精度が上がる
  • 本書の指針は Qiita 記事・PR コメント・設計ドキュメントなど日常的な技術ライティングに直接適用できる。論文を書く予定がなくても実践の場はすぐ見つかる

前提知識

  • 特別な専門知識は不要。日常的な日本語の読み書きができること
  • 報告書・仕様書・技術ブログなど、自分が書いた文章が1本以上あること(読後に改善を試みる題材として)

次に読む本

日本語の作文技術

本書が「文書構造・論理の組み立て」を主眼に置くのに対し、本多勝一著『日本語の作文技術』は修飾語の係り受けや文の語順など一文レベルの正確さを体系的に扱う。本書読了後に取り組むことで、構造設計と文体精度の両輪が整う。

論文の教室

本書が実務文書の伝達設計に集中するのに対し、「論文の教室」は主張の設定・根拠の選択・反論への対処というアカデミックな論証の組み立てを扱う。論文・研究報告書を初めて書く段階で本書に続けて読むと、実用と学術の両面が補完される。

数学文章作法 基礎編

本書が技術文書全般の論理構成と表現の明確化を扱うのに対し、「数学文章作法 基礎編」は数式・記号・証明を含む文書に特化した記述の配慮を提示する。数学・アルゴリズム系の仕様書やブログを書く段階で本書の後に取り組むと、技術固有の表現課題を直接補完できる。

この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。

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