ISBN 9784130420655

統計学入門

統計学入門
著者
東京大学
刊行
1991-07

概要

確率論から回帰分析まで統計学の体系を一冊で習得する

想定読者

統計学の理論的基盤を体系立てて身につけたい大学生・社会人。特に机上の数式への耐性があり、データサイエンスや機械学習の学習前に統計の共通言語を固めたい人

こんな人には向いていない

  • 高校数学からやり直したい完全な初学者。記述統計の基礎も曖昧な段階では難易度が高く、より入門的な書籍を先に終えた方が定着しやすい
  • 実務でのデータ分析コードをすぐに動かしたい人。本書はプログラミングと無関係で、PythonやRとの接続は読者自身が別途補う必要がある
  • 統計検定3級・4級レベルの合格を短期で狙う人。カバー範囲と理論密度が2級以上の基礎固めに対応しており、試験範囲絞り込みには不向き

読了後にできるようになること

  • 1次元・2次元データの記述統計(平均・分散・共分散・相関係数)を定義から説明できる
  • 確率と確率分布(二項分布・ポアソン分布・正規分布・t分布・カイ二乗分布)の導出と使い分けを理解する
  • 標本論・中心極限定理を踏まえた標本分布の考え方を言語化できる
  • 点推定・区間推定の仕組みを信頼区間の解釈まで含めて説明できる
  • 仮説検定の手順(帰無仮説・有意水準・p値)を統一的な枠組みで実行できる
  • 単回帰・重回帰分析の最小二乗法による推定とモデル評価の基礎を習得する

本書のキー概念(章解説)

  • 第 1 章 データと統計 — 統計的なものの見方の導入。初読では読み流し、後の章で行き詰まったときに戻ると理解が深まる
  • 第 2 章 1次元のデータ — 平均・分散・標準偏差の定義を丁寧に積み上げる章。以降の全章の土台
  • 第 3 章 2次元のデータ — 共分散・相関係数を扱う。回帰分析の理解に直結するため重点的に読む価値がある
  • 第 4 章 確率 — 条件付き確率とベイズの定理まで含む。機械学習の確率モデルを理解する前提として重要
  • 第 5 章 確率変数と確率分布
  • 第 6 章 代表的な確率分布
  • 第 7 章 多次元の確率変数
  • 第 8 章 大数の法則と中心極限定理 — 統計的推測の理論的根拠。この章を腑に落とすと推定・検定の見え方が変わる
  • 第 9 章 正規分布に関連した分布
  • 第 10 章 標本分布
  • 第 11 章 推定 — 点推定と区間推定。実務での信頼区間の解釈に直結する実用度の高い章
  • 第 12 章 検定 — 仮説検定の基本手順を体系的に整理。A/Bテストなど実務文脈の理論的支柱
  • 第 13 章 回帰分析 — 単回帰から重回帰まで。最小二乗法の導出を一度追うと推定量の性質への理解が深まる

ハイライト

  • 本書が理論理解入門の定番とされてますが、やや難しいです。ただ、分からない概念が出てきたときに本書に戻ると解説されていることが多いです。(辞書的リファレンスとしての使い方が端的に示されており、難易度と価値の両面を正直に伝えている)
  • 文科と理科両方の学生のために、統計的なものの考え方の基礎をやさしく解説するとともに、統計学の体系的な知識を与えるように編集・執筆された。(文系・理系を問わない設計意図が示されており、読者層の広さを裏付ける)

外部からの言及

  • データサイエンス・機械学習の学習ガイド系記事で繰り返し取り上げられており、統計理論の共通言語として手元に置く価値があるという評価が定着している。一方で概念の難しさを指摘する声も多く、完全な初学者向けではないという留保が付くことが多い(qiita)
  • 2024〜2025年版の学習ガイドでは、例示が古くなってきたことを理由に必須リストから外す動きも見られる。より視覚的・親しみやすい入門書への置き換えが議論されており、辞書的な参照用途としての位置づけに移行しつつある(qiita)
  • 統計検定2級の準備として参照するケースが複数記事で確認できる。試験範囲との対応が良く、理論的裏付けを求める受験者に向いているという評価がある(qiita)

編集メモ

Qiita 言及記事 9件以上 / 累計 likes 約5,000超(上位3記事だけで3,802 likes)。1991年刊行から30年以上にわたりデータサイエンス学習リストに掲載され続けており、統計の共通言語として複数の著名まとめ記事で参照されている

読む前に押さえておきたいこと

  • 高校数学レベルの対数・指数・微分積分の基礎(Σ記号の展開や積分計算が登場するため)
  • データとは何か・平均とは何かという直感的理解(完全ゼロでも読めるが、補助書籍と並行するとスムーズ)

学習のコツ

  • 1〜3章(記述統計)を丁寧に読んだ後、8章(中心極限定理)に飛び、11〜12章(推定・検定)を読む順番が実務理解への最短ルートになりやすい
  • 分からない概念が出てきたとき用の辞書として手元に置き、他の書籍や講座で詰まったときに該当章を参照する使い方が多くの実践者に支持されている
  • 章末の演習問題は解くことで定義の曖昧さが露わになる設計になっており、公式を追うだけでなく一度手を動かすと理解の穴が見つかりやすい
  • 本書は数式が多いため、高校数学の対数・微積分の基礎が怪しい場合は並行して補強しながら読むと詰まりにくい
出版社による内容紹介

文科と理科両方の学生のために,統計的なものの考え方の基礎をやさしく解説するとともに,統計学の体系的な知識を与えるように,編集・執筆された.豊富な実際例を用いつつ,図表を多くとり入れ,視覚的にもわかりやすく親しみながら学べるよう配慮した.

この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。

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