ISBN 9784254122398
しくみがわかるベイズ統計と機械学習
概要
ベイズ推定の理論的基盤から変分オートエンコーダまでを体系的に理解する
想定読者
機械学習の数理的背景をきちんと押さえたい中級者。確率論の基礎はあるが、EMアルゴリズムや変分ベイズの仕組みが曖昧なまま実装だけ進んでいるエンジニアや研究者
こんな人には向いていない
- Pythonでとりあえず動かすことを優先する入門者。本書は実装コードより理論展開に比重が置かれており、手を動かして学ぶスタイルには向かない
- ベイズ統計を業務データ分析に即活用したい実務家。応用事例よりも数理構造の解説が中心であるため、実務直結性は高くない
- すでに変分ベイズやMCMCを本番環境で運用している熟練者。本書の射程は基礎理論の習得であり、発展的なトピックの網羅は薄い
読了後にできるようになること
- 最尤推定とベイズ推定の違いを数式レベルで説明できる
- 共役事前分布(ディリクレ・ガンマ・正規ガンマ)の役割と導出を理解できる
- EMアルゴリズムの収束保証の仕組みをグラフィカルモデルと結び付けて説明できる
- 変分ベイズにおける変分下界(ELBO)の導出と最適化の流れを追える
- メトロポリス・ヘイスティングス法とギブスサンプリングの違いを使い分けの観点から説明できる
- 変分オートエンコーダ(VAE)の学習目的関数が変分ベイズの枠組みから導かれることを理解できる
本書のキー概念(章解説)
- 第 1 章 統計学と機械学習 — 両分野の目的と関係性を整理する導入章。既に知識がある読者は読み飛ばして可
- 第 2 章 ベイズ統計と機械学習のための確率入門 — 同時確率・周辺確率・条件付き確率・正規分布・期待値を丁寧に再整備する章。後続の理論展開の土台になるため、曖昧さを残さず読むことを勧める
- 第 3 章 ベイズ推定入門 — 観測値・推定量・最尤推定・ベイズ推定を一本の流れで接続する本書の中核章
- 第 4 章 二項分布とその仲間たち — 多項分布への拡張が第5章の共役事前分布へ直結する
- 第 5 章 共役事前分布 — ディリクレ・ガンマ・正規ガンマ分布。数式が集中するが、この章を消化すると変分ベイズの計算が追いやすくなる
- 第 6 章 EMアルゴリズム — 混合モデルとグラフィカルモデルをセットで解説。実装経験はあるが理論が曖昧な読者が最も恩恵を受ける章
- 第 7 章 変分ベイズ — 変分法・変分下界・推定の3ステップ構成。VAEの前提理論として必読
- 第 8 章 マルコフ連鎖モンテカルロ法 — MH法とギブスサンプリングを比較しながら解説。Stan等のツールを使っている読者が理論的根拠を補完する目的でも参照しやすい
- 第 9 章 変分オートエンコーダ — 生成モデル・認識モデル・条件付きVAEまで踏み込む。7章の変分ベイズを理解した上で読むと接続が明快
ハイライト
- ベイズ統計と機械学習の基礎理論を丁寧に解説。統計学と機械学習/確率入門/ベイズ推定入門/二項分布とその仲間たち/共役事前分布/EMアルゴリズム/変分ベイズ/マルコフ連鎖モンテカルロ法/変分オートエンコーダ(本書が扱う理論範囲が最も端的に示された記述。入門的確率論からVAEまで一冊で接続する構成の独自性が分かる)
外部からの言及
- EMアルゴリズムを使った混合ガウスモデルの実装解説記事で参照文献として挙げられており、PRMLと並ぶ学習リソースとして位置づけられている。ただし同記事の筆者はPRMLの説明をより好んでいると明記しており、本書単独での評価は限定的(qiita)
編集メモ
Qiita言及1件・累計likes 0。Rakutenランキング情報なし。外部シグナルが乏しく、ベイズ統計・機械学習カテゴリの定番書と比較して言及数が少ない。出版社(朝倉書店)の専門書として理論書のポジションを持つが、コミュニティでの回遊は限定的
読む前に押さえておきたいこと
- 微分積分の基礎(偏微分・積分の計算が自分で追える程度)
- 線形代数の基礎(行列演算・固有値の概念)
- 高校数学レベルの確率論(条件付き確率・ベイズの定理)
学習のコツ
- 第2章の確率基礎は既習でも読み飛ばさないことを勧める。本書独自の記法・表現を把握することで、後続章の数式展開を迷わず追える
- 第6章(EMアルゴリズム)と第7章(変分ベイズ)は連続して読むとELBOの役割が一貫して理解できる。章またぎで間を空けると定式化の対応が取りにくくなる
- 第8章(MCMC)は他の章と独立性が高い。時間が限られている場合はVAEの理解を優先し、MCMCは必要になったときに戻る使い方が現実的
- 第9章(VAE)を目的に本書を手に取る場合、第3章・第5章・第7章の順で土台を固めてから読むと学習コストを抑えられる
出版社による内容紹介
ベイズ統計と機械学習の基礎理論を丁寧に解説。〔内容〕統計学と機械学習/確率入門/ベイズ推定入門/二項分布とその仲間たち/共役事前分布/EMアルゴリズム/変分ベイズ/マルコフ連鎖モンテカルロ法/変分オートエンコーダ 1. 統計学と機械学習#br# 1.1 統計学の目的#br# 1.2 機械学習の目的#br##br#2. ベイズ統計と機械学習のための確率入門#br# 2.1 確率の基礎#br# 2.2 同時確率・周辺確率・条件付き確率#br# 2.3 確率変数の独立性#br# 2.4 連続変数の分布#br# 2.5 正規分布#br# 2.6 期待値#br# 2.7 規格化#br##br#3. ベイズ推定入門#br# 3.1 観測値と推定量#br# 3.2 最尤推定#br# 3.3 ベイズ推定#br##br#4. 二項分布とその仲間たち#br# 4.1 二項分布#br# 4.2 多項分布#br##br#5. 共役事前分布#br# 5.1 ディリクレ分布#br# 5.2 ガンマ分布#br# 5.3 正規ーガンマ分布#br##br#6. EMアルゴリズム#br# 6.1 混合モデル#br# 6.2 EMアルゴリズム#br# 6.3 グラフィカルモデル#br##br#7. 変分ベイズ#br# 7.1 変分法と変分ベイズ#br# 7.2 変分ベイズにおける変分下界#br# 7.3 変分ベイズによる推定#br##br#8. マルコフ連鎖モンテカルロ法#br# 8.1 サンプリング#br# 8.2 マルコフ性とマルコフ連鎖#br# 8.3 メトロポリス・ヘイスティングス法#br# 8.4 ギブスサンプリング#br##br#9. 変分オートエンコーダ#br# 9.1 生成モデルと認識モデル#br# 9.2 VAEの学習#br# 9.3 条件付き変分オートエンコーダ
この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。