ISBN 9784254123050
TikZによるLaTeXグラフィックス
概要
LaTeX文書にTikZで2D・3D図表をコードから組み込む
想定読者
LaTeXで論文・技術文書を執筆している研究者・エンジニア・学生で、図の挿入をInkscapeやPowerPointに頼っており、LaTeX内でベクター品質の図を完結させたい人。
こんな人には向いていない
- LaTeX自体を初めて学ぶ段階にある人には、TikZ以前にLaTeX基本文法の習得が先決であり本書の内容を吸収しにくい
- 写真・ラスター画像の挿入・加工を目的とする場合、本書の扱う領域はベクターグラフィクス生成に特化しており対象外
- pgfplots等の発展的なパッケージや内部実装を深掘りしたい上級者には、本書の入門的な構成では物足りない可能性がある
読了後にできるようになること
- tikzpicture環境でノード・座標・幾何図形を配置し、LaTeX文書内にベクター図を生成できる
- 辺・矢印・スタイル定義を組み合わせてフローチャート・関係図・木構造図を作成できる
- 塗りつぶし・クリッピング・シェーディング・透明度レイヤーで視覚的な表現を細かく制御できる
- ループと座標計算で繰り返しパターンを効率的にコード化し、パラメトリック曲線や複雑な幾何形状を描画できる
- デカルト座標・極座標系での2D・3Dプロット、各種チャートをLaTeX内で完結して生成できる
- ベジエ曲線・ベジエスプライン・Hobbyアルゴリズムによるなめらかな曲線をコードで描画できる
本書のキー概念(章解説)
- 第 1 章 TikZで始める — インストールと最初の図生成まで。環境構築で詰まる前にここを丁寧に読む
- 第 2 章 TikZで最初の画像を作る — tikzpicture環境の基本構造を習得する核心章。以降の全章の土台になる
- 第 3 章 ノードの位置決めと描画 — TikZの中心概念であるノードを体系的に理解する。フローチャート等に直結
- 第 4 章 辺と矢印を描く — ノード間の接続を制御する。回路図・UML的な図の基礎
- 第 5 章 スタイルと画像の読み込み — 再利用可能なスタイル定義でコードの保守性を高める
- 第 6 章 木とグラフの描画 — 木構造・マインドマップ・グラフを自動レイアウトで生成する実用的な章
- 第 7 章 塗りつぶし、クリッピング、シェーディング — 図の視覚的な品質を上げるための技法群
- 第 8 章 パスの豊かな表現 — デコレーションで波線・矢印装飾など表現の幅を広げる
- 第 9 章 レイヤー、オーバーレイ、透明性を使う — プレゼン用のオーバーレイ図など複雑な重ね合わせに必要
- 第 10 章 座標とパスで計算する — ループで図形を量産する。繰り返し要素の多い図に有効
- 第 11 章 座標とキャンバスを変換する — 回転・スケール変換でグローバルな図形変形を扱う
- 第 12 章 なめらかな曲線を描く — ベジエ・Hobbyアルゴリズムによる曲線制御。数学的な図の品質を高める章
- 第 13 章 2Dおよび3Dでのプロット — 論文向けのグラフ・プロット生成が目的の読者にとって本書最大の実用章
- 第 14 章 各種チャートを描く — フローチャート・説明図・量を表示するチャートと実務直結度が高い
- 第 15 章 TikZで楽しもう — 技術的なカバレッジは少ないが、TikZの表現力を体感する実験的な章
ハイライト
- TikZにより数学、科学、技術論文に図や画像を簡単に入れられる。 アイデアやデータを可視化してプロフェッショナルな図表やプロットを2次元でも3次元でも表示できるようになるために。(本書が解決する課題と到達目標を最も端的に示した箇所。対象読者が判断しやすい)
編集メモ
Qiita言及記事 0件 / 累計likes 0 / 楽天ランキング情報なし。2024年11月刊行の新刊で外部シグナル集積前の段階にあり、現時点では補完的な選択肢として位置づける
読む前に押さえておきたいこと
- LaTeXの基本文法(文書クラス・プリアンブル・環境の概念)と、日本語LaTeX環境(pLaTeX/LuaLaTeX等)の構築経験
- 直交座標・角度・ベクトルの直感的な理解。数学論文を書く前提があれば十分なレベル
学習のコツ
- 第1〜2章は環境構築と基本概念の習得に不可欠なので、手元でLaTeXをコンパイルしながら実際に出力を確認しつつ読み進める
- 第6〜14章は独立性が高いため、フローチャート・プロット・木図など実際に作りたい図の章から先に参照するリファレンス的な活用が実務では有効
- コード例は必ず手元でコンパイルして出力を確認しながら読む。TikZは視覚的なフィードバックなしに理解するのが難しく、コードを動かして学ぶことで定着が速い
- 第15章は技術的な新情報は少ないが、TikZの柔軟性と表現力を実感できる章として余裕があれば最後に通読する価値がある
出版社による内容紹介
LaTeXで画像を作るための実用的な入門書。 TikZにより数学、科学、技術論文に図や画像を簡単に入れられる。 アイデアやデータを可視化してプロフェッショナルな図表やプロットを2次元でも3次元でも表示できるようになるために。 【主な目次】 1. TikZで始める 技術要件/他のパッケージとの比較/利点/インストール/図を作る 2. TikZで最初の画像を作る tikzpicture環境/座標/幾何図形/色 3. ノードの位置決めと描画 ノード/シェイプとアンカー/間隔/位置決めと整列/ラベルとピン/画像の配置 4. 辺と矢印を描く 辺によるノードの連/テキストをつける/オプション/矢印/toオプション 5. スタイルと画像の読み込み 定義/継承/グローバルおよびローカルなスタイル/引数/picの作成と利用 6. 木とグラフの描画 /木の描画/マインドマップ/グラフ/行列形の要素配置 7. 塗りつぶし、クリッピング、シェーディング 領域の塗りつぶし/パスの内部を理解/クリッピング/逆クリッピング/領域のシェーディング 8. パスの豊かな表現 パスを複数回使うために/デコレーション/デコレーションタイプ/調整 9. レイヤー、オーバーレイ、透明性を使う 透過性/背面レイヤーと前面レイヤー/LaTeXコンテンツへのオーバーレイ/ページ背面への配置 10. 座標とパスで計算する ループ/座標計算/ループ変数/パスの交差 11. 座標とキャンバスを変換する ノードと座標のシフト/回転、スケーリング、斜めに傾ける/キャンバスの変換 12. なめらかな曲線を描く /選んだ点を通るなめらかな曲線/平滑化プロット機能/3次ベジエ曲線/ベジエスプライン/Hobbyアルゴリズム 13.2Dおよび3Dでのプロット デカルト座標軸、目盛り、ラベル/プロットコマンドとオプション方/領域の塗りつぶし/交点算/凡例/極座標系/パラメトリック曲線/3次元 14. 各種チャートを描く フローチャート/関係図/説明図/量を表示するチャート 15. TikZで楽しもう かわいい生きものを描く/プレーとクラフト/世界の国旗 索引
この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。