ISBN 9784296112203

誰も教えてくれなかったアジャイル開発

誰も教えてくれなかったアジャイル開発
出版社
日経BP
刊行
2022-04

概要

日本企業の組織・文化を変えずにアジャイル開発を成功させるノウハウを体系化する

想定読者

ウォーターフォール主流の日本企業でアジャイル導入を任されたITコンサルタント・プロジェクトマネージャー・開発リーダー。スクラムの基本は知っているが現場への定着に苦労している人。

こんな人には向いていない

  • アジャイルの基本概念(スプリント・スクラムの仕組み)をゼロから学びたい入門者には前提知識が足りず難しい
  • スタートアップや自社プロダクト開発チームなど、既にアジャイル文化が根付いた組織の人には日本企業固有の制約への対処が中心のため内容がかみ合いにくい
  • 純粋なスクラムガイドの解説書を求める読者には教科書的な型の説明よりも現場適応の話が多いため期待とずれる

読了後にできるようになること

  • アジャイルについての社内誤解(『速い』『安い』『ドキュメント不要』)を根拠を示して解消する説明ができる
  • 中央集権型の日本企業でスモールウィンを積み上げながらアジャイルへの理解者を増やすアプローチを取れる
  • 企画・初期計画フェーズでのアジャイル特有の落とし穴を事前に洗い出し、契約・見積もり・要件定義を適切に設計できる
  • 5つの定期イベント(スプリントプランニング・デイリースクラム等)を現場の実情に合わせて運用できる
  • シナリオテストやデータ移行など非機能要件をアジャイルサイクルに組み込む具体的な手順を知る
  • ウォーターフォールとのハイブリッド型、ローコード・SaaS導入時のアジャイル活用といった応用パターンを状況に応じて選べる

本書のキー概念(章解説)

  • 第 1 章 第1部 基礎編 第1章: アジャイル開発『事始め』で押さえるべき5つの要点 — アジャイル未経験の社内ステークホルダーへの説明材料として使える章。誤解の解消から始める
  • 第 2 章 第1部 基礎編 第2章: 『らしさ』にとらわれないアジャイル開発の立ち上げ方 — チームを段階的に育てる視点。副プロダクトオーナーなど柔軟なロール設計のヒントが得られる
  • 第 3 章 第1部 基礎編 第3章: アジャイルの型にこだわっては合意できない — 品質向上の鍵として『自治区』概念を提示。契約・合意の現実的な落とし所を扱う
  • 第 4 章 第1部 基礎編 第4章: 『初回リリース』からがいよいよ面白い — 成長し続けるアジャイルチームの作り方。長期的な維持フェーズへの移行を見据えた内容
  • 第 5 章 第2部 実践編 第1章: アジャイル開発の『企画』に落とし穴 — 失敗の多くは企画段階で決まるという観点。ユーザーストーリーマッピングの活用が言及される
  • 第 6 章 第2部 実践編 第2章: 要件・優先順位・見積もり・契約 — アジャイル特有の初期計画の要点。発注者との契約形態の現実的な設計に踏み込む
  • 第 7 章 第2部 実践編 第3章: アジャイル開発を回す5つの定期イベント — 教科書にない現場発のノウハウが集中する章。実務担当者は最初に読む価値がある
  • 第 8 章 第2部 実践編 第4章: アジャイルでも欠かせぬシナリオテストやデータ移行 — 基幹系システム移行を扱う組織に特に有用。5つの失敗回避ポイントが具体的
  • 第 9 章 第2部 実践編 第5章: デプロイ・タスク管理・チームの成長 — アジャイル固有の長所を引き出す運用編。CI/CD導入判断やタスクボード設計の指針を得られる
  • 第 10 章 第3部 応用編 第1章: アジャイルとウォーターフォールの『ハイブリッド型開発』 — 既存プロジェクトをゼロから切り替えられない場合の現実解。4つのコツは実務ですぐ使える
  • 第 11 章 第3部 応用編 第2章: ローコード開発やSaaSの導入ならアジャイルがお勧め — ローコードプラットフォームとアジャイルの親和性を実例で示す。DX推進担当者向け
  • 第 12 章 第3部 応用編 第3章: 『新規サービス立ち上げならアジャイル開発』は本当か — 新規事業文脈でのアジャイル適用の限界と2つの壁を正直に論じる。過信を防ぐ章

ハイライト

  • アジャイル開発の基本の知識は分かっている前提で、それでも導入の時に苦労する話をどのように対応すれば良いのかが詳しく書かれています(入門書との違いを最も端的に表した記述。実践段階で詰まる読者に刺さる)
  • 組織・文化はそのままで問題なし。階層型の日本企業においてもスモールウィンの積み上げでアジャイルの価値を証明できる(書籍の第1章タイトルとビジョンを示す箇所。組織変革なしに始められるという本書の根幹的メッセージ)

外部からの言及

  • エンジニア向け技術書推薦まとめ(likes 1324)の中で、『カイゼンジャーニー』との比較文脈でアジャイルの基礎を知っている人向けの実践書として紹介されている。入門書では触れられない導入時の苦労への対処が詳しいという評価(qiita)
  • 日本企業のアジャイル導入を扱う複数の記事が、『組織・文化を変えずに』というアプローチを実際に経験したプロジェクト事例と照らし合わせて参照している。階層型組織でスモールウィンを積む手法、副プロダクトオーナー設置、ユーザーストーリーマッピングの活用が具体的に言及される(qiita)

編集メモ

Qiita言及3件 / 累計likes 1326(うち1324はエンジニア向け技術書推薦まとめ記事からの引用)。単独書評記事のlikes数は低いが、高品質な技術書推薦記事への収録はカテゴリ内での認知を示す。qiita_article_count < 10のためessential基準未達、practical相当と判定

読む前に押さえておきたいこと

  • スクラムの基本用語(スプリント・プロダクトバックログ・スプリントレビュー等)の概念的な理解
  • ウォーターフォール型開発プロセス(要件定義→設計→実装→テスト)の業務経験
  • 社内ステークホルダーとの合意形成や契約交渉に関わったプロジェクト経験があると事例がより身近に感じられる

学習のコツ

  • アジャイルの基礎(スプリント・スクラムイベントの定義)に不安がある場合は先に『スクラムガイド』の無料PDF等で用語を整理してから本書を開くと理解速度が上がる
  • 第2部実践編 第3章(5つの定期イベント)は現場で即活用できる内容が集中している。プロジェクト開始前のチームキックオフ資料として抜粋で使う価値がある
  • 第3部応用編のハイブリッド型開発の章は、全面移行が難しい組織でよくある『部分アジャイル』の正当化に使いがちだが、著者が示す4つのコツと自分たちの状況を照らし合わせて本当に成立するか批判的に読むとより実りが大きい
  • コンサルタント複数名の共著のため、各章で記述スタイルが若干異なる。関心のある課題(企画の失敗パターン/イベント運営/ハイブリッド)から読み始めても独立して参照できる構成
出版社による内容紹介

アジャイル開発の経験が少なく、中央集権型の日本企業において、組織や文化を変革せずに従来の開発ベンダーを活用しながら、基幹系システムなどのアジャイル開発を成功させるにはどうすればいいのかーー。ウオーターフォール型開発が主流の「日本企業」で試行錯誤しながらアジャイル成功を導いてきたコンサルタントたちが、自ら経験を体系化しました。そのノウハウを「基礎編」「実践編」「応用編」の3ステップで解説します。 最初の基礎編は、アジャイル開発の「事始め」で押さえるべき5つの要点を解説するほか、「らしさ」にとらわれないアジャイル開発の立ち上げ方や、成長し続けるアジャイルチームのつくり方などを解説します。 続く実践編では、アジャイル開発の成否を左右する「企画」工程や「初期計画」の具体的な進め方や、アジャイル開発に欠かせない5つの定期イベントの取り回し方などを現場のノウハウをベースに説明します。 最後の応用編では、アジャイル開発とウオーターフォール型開発を「ハイブリッド」で進める方法や、ローコード開発やSaaS導入でアジャイル開発をどう生かすかなど、一歩進んだアジャイル開発を取り上げます。 第1部 基礎編 第1章 アジャイル開発「事始め」で押さえるべき5つの要点 組織・文化はそのままで問題なし 第2章 「らしさ」にとらわれないアジャイル開発の立ち上げ方 チームをどこまで育てるか 第3章 アジャイルの型にこだわっては合意できない 品質向上のカギは「自治区」にあり 第4章 「初回リリース」からがいよいよ面白い 成長続けるアジャイルチームのつくり方 第2部 実践編 第1章 アジャイル開発の「企画」に落とし穴 失敗は初めに決まってしまう 第2章 要件・優先順位・見積もり・契約 アジャイル開発「初期計画」を失敗しない要点とは 第3章 アジャイル開発を回す5つの定期イベント 教科書にはない現場発のノウハウとは 第4章 アジャイルでも欠かせぬシナリオテストやデータ移行 失敗回避に5つのポイント 第5章 デプロイ・タスク管理・チームの成長 アジャイル「ならでは」の長所はこう引き出す 第3部 応用編 企業の価値創造に必要となるあと2つの「X」 第1章 アジャイルとウオーターフォールの「ハイブリッド型開発」 成功に必要な4つのコツ 第2章 ローコード開発やSaaSの導入ならアジャイルがお勧め スピード倍増の勘所 第3章 「新規サービス立ち上げならアジャイル開発」は本当か 立ちはだかる2つの壁

この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。

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