ISBN 9784297130589
Vision Transformer入門
概要
ViTの理論・実装・派生手法・解析を体系的に習得する
想定読者
コンピュータビジョンの実務経験があり、CNNに加えてTransformerベースのアーキテクチャを理解・適用したいエンジニアや研究者
こんな人には向いていない
- ディープラーニング自体が初めての初学者。Attention機構やバックプロパゲーションの基礎を別書で押さえてから読む必要がある
- すでにSwin TransformerやDeiTを実務に組み込んでいる上級者には、第2章の基礎部分は既知の内容が中心になる
- PyTorchを触ったことがない読者には実装章の読解に時間がかかる
読了後にできるようになること
- TransformerがNLPからコンピュータビジョンに移植された経緯とViTオリジナル論文の要点を説明できる
- ViTのInput Layer・Self-Attention・Encoderをコードレベルで実装できる
- 物体検出・セマンティックセグメンテーション・ビデオ認識など複数の下流タスクへViTを応用する際の設計方針を選べる
- Swin Transformer・DeiT・MAEなど主要な派生手法の特徴と使い分けを説明できる
- ViT・CNN・MLPの三者を精度・ノイズ耐性・局所特徴学習の観点で比較し、タスク要件に応じて選択できる
- Positional EmbeddingやMulti-head Attentionの内部挙動を可視化して解釈できる
本書のキー概念(章解説)
- 第 1 章 TransformerからVision Transformerへの進化 — NLP由来のTransformerがビジョン領域に拡張された文脈を整理する導入章。概念理解に集中したい読者はここを重点的に読むとよい
- 第 2 章 Vision Transformerの基礎と実装 — Self-AttentionからEncoderまでをコードで追う実装章。読了後にGitHubの公式実装と照合すると定着が速い
- 第 3 章 実験と可視化によるVision Transformerの探求 — 既存手法との比較実験と位置埋め込みの可視化を扱う。理論と実験結果をつなぐ橋渡し章
- 第 4 章 コンピュータビジョンへの応用 — 物体検出・セグメンテーション・ビデオ・3Dビジョンまで網羅。自分の担当タスクに絞って読む使い方も有効
- 第 5 章 Vision and Languageへの応用 — VQA・Image Captioning・Embodied AIなどマルチモーダル領域。LLMとの統合を考えている読者に特に有用
- 第 6 章 Vision Transformerの派生手法 — Swin Transformer・DeiT・MAEほかを体系的に比較。実務でアーキテクチャ選定を行うエンジニアが参照する章
- 第 7 章 Transformerの謎を読み解く — Positional Embedding・Multi-head Attention・Layer Normalizationの内部動作を解析。研究者志望の読者には特に読み応えがある
- 第 8 章 Vision Transformerの謎を読み解く — ViT vs CNN vs MLP の三者比較と実用上の使い分け指針。実務でアーキテクチャ選定に悩む読者が結論として参照しやすい章
ハイライト
- さまざまなコンピュータビジョンのタスクにおいて、ディープラーニングではスタンダードとなっているRNN、CNN、および既存手法を用いた処理精度を上回ることが確認されています。(CNNとの優位比較が本書の出発点であることを端的に示す記述)
- TransformerとViTを分析し、その謎を解明していきます。(理論解説にとどまらず内部動作の解析まで踏み込む本書の独自性を示す)
外部からの言及
- ViTの発展が急加速した2022〜2023年にDeep Learningの潮流に追いつくための参照書として言及されている。分野の進化スピードが速い中で体系的に整理された入門書として位置づけられている(qiita)
編集メモ
Qiita直接言及1件・likes合計2。出版2022年でViT黎明期のスナップショットとして体系的だが、Qiita上での引用密度はまだ低い
読む前に押さえておきたいこと
- PyTorchによる基本的なニューラルネットワーク実装の経験
- CNNの畳み込み・プーリング・特徴マップの概念的理解
- Attention機構の基礎(NLPのTransformerでなくてもよいが、Q/K/Vの概念を知っていると第2章の読解が大幅に速くなる)
- 線形代数の基礎(行列積・内積)と確率の基礎知識
学習のコツ
- 第8章(ViT vs CNN vs MLPの比較)を先に流し読みしてから全体を通読すると、各章の学習目的が明確になる
- 第2章の実装は公式PyTorch実装と並行して動かしながら読むと、コードと概念のずれを早期に修正できる
- 第4〜5章は自分が担当するタスク領域に絞って精読し、不要なサブタスクは概要だけ把握する読み方が効率的
- 2022年出版のため、第6章の派生手法に関しては出版後の進展(たとえばSAM・DINO v2等)を別途調査して補う
出版社による内容紹介
自然言語処理分野におけるブレイクスルーとなったTransformerをコンピュータビジョンに応用したモデルがVision Transformer(ViT)です。さまざまなコンピュータビジョンのタスクにおいて、ディープラーニングではスタンダードとなっているRNN、CNN、および既存手法を用いた処理精度を上回ることが確認されています。 本書は注目のViTの入門書です。Transformerの成り立ちからはじめ、その理論と実装を解説していきます。今後のViTの活用が期待される応用タスク、ViTから派生したモデルを紹介したあと、TransoformerとViTを分析し、その謎を解明していきます。今後も普及が期待されるViTを盛りだくさんでお届けします。 目次 1章 TransformerからVision Transformerへの進化 2章 Vision Transformerの基礎と実装 3章 実験と可視化によるVision Transformerの探求 4章 コンピュータビジョンへの応用 5章 Vision and Languageへの応用 6章 Vision Transformerの派生手法 7章 Transformerの謎を読み解く 8章 Vision Transformerの謎を読み解く 第1章 TransformerからVision Transformerへの進化 ■1-1 自然言語処理におけるTransformerの登場 ■1-2 Vision and languageへの拡張 ■1-3 コンピュータビジョンにおけるTransformer 第2章 Vision Transformerの基礎と実装 ■2-1 準備 ■2-2 ViTの全体像 ■2-3 Input Layer ■2-4 Self-Attention ■2-5 Encoder ■2-6 ViTの実装 第3章 実験と可視化によるVision Transformerの探求 ■3-1 実験の概要 ■3-2 使用するデータセット ■3-3 実験条件 ■3-4 既存手法との比較 ■3-5 データ拡張における比較 ■3-6 位置埋め込みの可視化 ■3-7 ViTにおける判断根拠の可視化 ■3-8 ViTが捉えているモノ 第4章 コンピュータビジョンタスクへの応用 ■4-1 コンピュータビジョンのサブタスク ■4-2 画像認識への応用 ■4-3 物体検出、セマンティックセグメンテーションへの応用 ■4-4 ビデオ認識への応用 ■4-5 オブジェクトトラッキングへの応用 ■4-6 3Dビジョンへの応用 ■4-7 その他のコンピュータビジョンサブタスクへの応用 ■4-8 Transformer応用のまとめと展望 第5章 Vision and Languageタスクへの応用 ■5-1 Vision and Languageのサブタスク ■5-2 VQAへの応用 ■5-3 Image Captioningへの応用 ■5-4 Embodied AIへの応用 ■5-5 その他のVision and Languageサブタスクへの応用 ■5-6 Vision and Languageのまとめと展望 第6章 Vision Transformerの派生手法 ■6-1 ViT派生手法の分類 ■6-2 Swin Transformer ■6-3 DeiT ■6-4 CvT ■6-5 SegFormer ■6-6 TimeSformer ■6-7 MAE 第7章 Transformerの謎を読み解く ■7-1 Transformerの謎に人々は驚き困惑した ■7-2 Positional embeddingの謎 ■7-3 Multi-head Attentionの謎 ■7-4 Layer Normalizationの謎 第8章 Vision Transformerの謎を読み解く ■8-1 ViT vs CNN vs MLPの三国時代の到来 ■8-2 ViTはCNNと同じく局所特徴を学習する ■8-3 ViTはより形状に反応する? ■8-4 ViTは早期から大域的な領域も見ている ■8-5 ViTはCNNやMLPよりもノイズや敵対的攻撃に頑健? ■8-6 3つのモデルの特性と使い分けの勘どころ ■8-7 ViTの新常識
この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。