ISBN 9784297136338
大規模言語モデル入門
概要
LLMの理論と実装をHugging Faceで習得し実務応用できる
想定読者
Pythonの基礎を持ち、LLMをプロダクトや業務システムに組み込む第一歩を踏み出したいエンジニア・研究者
こんな人には向いていない
- 機械学習・深層学習の基礎知識がなく、損失関数や勾配降下法に初めて触れる完全初学者(第2章のTransformer理論は相応の数学的背景を前提とする)
- RLHF・量子化・LLM-Opsなど2024年以降の発展的トピックを求める読者(本書のスコープは2023年時点の入門範囲にとどまる)
- OpenAI APIやLangChain等を用いたRAG・エージェント構築を主目的とする読者(本書はモデルそのものの理解とHugging Faceによる訓練が主軸)
この本で身につくこと
- TransformerのSelf-AttentionとMulti-Head Attentionの仕組みを構造から説明できる
- Hugging Faceのtransformersライブラリでモデルのロード・推論・ファインチューニングを実装できる
- 固有表現認識・要約生成・質問応答の各NLPタスクにLLMを適用するパイプラインを組める
- 日本語・多言語データセットを用いたファインチューニングの実務的な手順を把握できる
- 文埋め込み(Sentence Embeddings)を使った意味的類似度検索の仕組みを理解し実装できる
ハイライト(外部からの言及)
Hugging Face社の"transformers"というPythonライブラリを利用することで、プログラミングの経験があれば、モデルの操作やデータからの学習がかんたんにできます。 — 出典
理論書ではなく実装から入れることを明示した一節。ハードルを正直に伝えており購入判断の根拠になる
モデルを訓練するための日本語もしくは日本語を含む多言語のデータセットも充実してきており、すぐに業務に使える実用的なモデルを作ることが可能な時代がやってきました。 — 出典
日本語ユースケース特有の実用性を訴求する記述。英語LLM書籍との差別化点が端的に出ている
この記事では、GPT側LLMのベースとなったTransformerアーキテクチャのオリジナル論文を読み、LLMの重要なメカニズムである、Attentionメカニズム(日本語訳では、注意機構)について説明したいと思います。 — 出典
LLMの内部動作を理解したいQiita著者が原典論文「Attention Is All You Need」まで遡って学習した記録。本書第2章が扱うSelf-Attention理論の領域が実務者の継続的な探究対象となっていることを示す
章立て
第1章 はじめに
LLM の歴史と本書の問題設定
第2章 Transformer
Self-Attention の原理を実装視点で扱う基礎章
第3章 大規模言語モデルの基礎
事前学習 / トークナイザ / RLHF。LLM の仕組みの全体像
第4章 大規模言語モデルの進展
GPT-3.5 / GPT-4 / LLaMA / Claude の系譜と特徴
第5章 大規模言語モデルのファインチューニング
LoRA / QLoRA / PEFT。本書の実践章の中核
第6章 固有表現認識
人名・地名・組織名の抽出を Token Classification タスクとして実装する章。第 5 章のファインチューニング手順が NLP タスクへ初めて具体適用される地点で、実装の全体像を確認できる
第7章 要約生成
Encoder-Decoder モデルによる系列変換タスクとして要約を扱う章。Beam Search 等のデコーディング戦略に初めて触れる箇所であり、実務での長文処理ニーズに直結する応用度の高い章
第8章 文埋め込み
Embedding の仕組み。RAG の前提となる章
第9章 質問応答
RAG の実装パターン。本書の到達点に近い章
関連記事 / 参考情報
- Transformer アーキテクチャのAttentionメカニズムについて — Self-AttentionとMulti-Head Attentionの構造を解説した記事。本書第2章の理解補助として並行参照できる
学習のヒント
- 第2章(Transformer)は理論的密度が高い。機械学習の基礎が曖昧な場合は、第6〜9章の各タスク実装から先に読み、後から理論に戻る順序でも学習曲線は崩れない
- 第6〜9章は固有表現認識・要約・文埋め込み・QAとタスク単位で独立性が高い。業務上の優先ニーズがある章から読み始めることで最短で価値を回収できる
- Hugging Face公式ドキュメント(huggingface.co/docs)と手を動かしながら並行することで、本書刊行後のAPI変更にも追従しやすくなる
- 2023年7月出版のため、モデル名・バージョン・データセット名等の固有情報は公式リポジトリで最新版を確認しながら読むことを推奨
前提知識
- PythonおよびNumPy・pandasの基本操作
- ニューラルネットワーク・損失関数・勾配降下法など機械学習の基礎概念(scikit-learnで一通り動かした程度)
- トークナイズ・形態素解析など自然言語前処理の最低限の知識
次に読む本
自然言語処理における事前学習モデル(BERTからGPTまで)
本書は Hugging Face による実装操作を軸とするため、BERT・GPT・T5 が「なぜその設計になったのか」という歴史的経緯の記述は薄い。事前学習モデルの系譜を別途押さえることで、本書で得た実装知識に設計選択の根拠を補完できる
Attention Is All You Need(Vaswani et al., 2017)
本書第 2 章は Attention メカニズムの動作を実装ベースで説明するが、Q・K・V の定式化の背景は原典論文にしか記述されていない。本書読了後に原典を参照することで「なぜこの計算式か」という疑問を一次資料で解決できる
LLMを活用したRAG・エージェント構築の実践書
本書は第 8 章(文埋め込み)・第 9 章(質問応答)で RAG の素地となる技術を扱うが、OpenAI API や LangChain を使った実践的なエージェント構築は対象外。本書でモデル内部の理解を得た後、API 活用の実装書へ進むのが順当な次ステップになる
出版社による内容紹介
ChatGPTに代表される大規模言語モデルが自然言語処理の幅広いタスクで高い性能を獲得し、大きな話題となっています。大規模言語モデルは、大規模なテキストデータで訓練された大規模なパラメータで構成されるニューラルネットワークです。2020年以降、自然言語処理や機械学習の知見をもとに、パラメータ数とテキストデータの拡大により、性能が飛躍的に向上しました。 Hugging Face社の"transformers"というPythonライブラリを利用することで、プログラミングの経験があれば、モデルの操作やデータからの学習がかんたんにできます。モデルを訓練するための日本語もしくは日本語を含む多言語のデータセットも充実してきており、すぐに業務に使える実用的なモデルを作ることが可能な時代がやってきました。 本書は、大規模言語モデルの理論と実装の両方を解説した入門書です。大規模言語モデルの技術や自然言語処理の課題について理解し、実際の問題に対処できるようになることを目指しています。以下のような構成によって、理論とプログラミングの双方の側面から、大規模言語モデルに関する情報を提供します。 第1章 はじめに 第2章 Transformer 第3章 大規模言語モデルの基礎 第4章 大規模言語モデルの進展 第5章 大規模言語モデルのファインチューニング 第6章 固有表現認識 第7章 要約生成 第8章 文埋め込み 第9章 質問応答システム
この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。