ISBN 9784297136574

運用設計の教科書【改訂新版】 〜現場でもっと困らないITサービスマネジメントの実践ノウハウ

運用設計の教科書【改訂新版】 〜現場でもっと困らないITサービスマネジメントの実践ノウハウ
著者
近藤 誠司
出版社
技術評論社
刊行
2023-08

概要

ITシステムの運用設計をフェーズ・業務・基盤・管理の4軸で体系化する

想定読者

開発側から運用引き継ぎを担うインフラエンジニア・SIer担当者、および運用設計のフレームワークを持たないまま現場対応を続けているIT運用担当者

こんな人には向いていない

  • すでにITIL上級資格を持ち、大規模運用組織のガバナンス設計を担う立場の人には基礎的すぎる可能性がある
  • クラウドネイティブ環境のSRE実践(SLO策定・エラーバジェット運用)を深堀りしたい読者には、その領域の踏み込みが浅い
  • 運用設計の概念を既に体系的に習得済みで、個別ツール(監視・ITSM製品)の実装詳細を求める読者には物足りない

読了後にできるようになること

  • システム化計画から運用引き継ぎまでの各フェーズで、何をいつ誰が決めるべきかの判断軸を持てる
  • 業務運用(利用者管理・サポートデスク・PCライフサイクル)と基盤運用(パッチ・バックアップ・監視・ログ)の設計項目を網羅的に洗い出せる
  • クラウド環境における基盤運用項目の差分を、オンプレミスとの対比で理解できる
  • アジャイル開発プロジェクトにおける運用設計の介入タイミングと優先度判断を説明できる
  • NISC・CSIRT協議会などのリファレンスを踏まえたセキュリティ運用の設計観点を持てる
  • 運用担当者への引き継ぎに必要なドキュメント整備と運用テストの進め方を実践できる

本書のキー概念(章解説)

  • 第 1 章 運用設計とは — 運用設計の3つの分類と専門家が少ない構造的理由を解説。未経験者はここを精読してから先へ進むと全体像が定着しやすい
  • 第 2 章 フェーズから考える運用設計 — システム化計画→要件定義→基本設計→詳細設計→運用テスト→運用引き継ぎの流れを通して設計判断の介入点を示す。アジャイル開発への対応コラムも収録
  • 第 3 章 業務運用のケーススタディ — 利用者管理・サポートデスク・PCライフサイクル管理の3領域を具体例で解説。運用項目一覧の作り方が実務直結
  • 第 4 章 基盤運用のケーススタディ — パッチ・ジョブ・バックアップ・監視・ログ・アカウント・保守契約の7領域。クラウド環境との差分コラムが改訂新版の追加価値
  • 第 5 章 運用管理のケーススタディ — 基準決め・情報選別・定期報告の3層。開発速度と運用管理のバランスに悩む組織向けのコラムが実践的

ハイライト

  • 運用のリソースは有限なので、サービス開始後に運用担当者に不要な負荷がかからないようにする(本書の中心的テーマを読者が最も端的に言語化した箇所)
  • ログを考えることは運用をどう考えるかとイコールであり、前提として必要なのは運用設計である(本書のログ管理章が独立した実務指針として引用されている事例)

外部からの言及

  • 開発側から運用側への引き継ぎを日頃担う人が、サービスイン前に検討すべき運用設計項目の全体像を把握するために参照している。専任の運用設計担当がいない兼任環境での活用が多い(qiita)
  • ログ管理・自動化設計・運用引き継ぎなど個別テーマの記事で、本書の該当章が一次資料として引用されている。運用設計の概念用語と実務判断の橋渡しリファレンスとして機能している(qiita)
  • 運用設計を初めて体系的に学ぶ読者から、1章の『運用設計の専門家がなぜ少ないか』という問いへの言及が複数ある。構造的な問題提起として納得感が高いと評価されている(qiita)

編集メモ

Qiita上の直接言及記事は9件・累計likes約54件。改訂新版は2023年8月刊行で比較的新しく、旧版を含む言及が分散している状態。Rakutanランキング情報なし。数値的には supplementary 相当だが、運用設計領域で日本語で体系的に扱った書籍が希少なため実務的存在感はある

読む前に押さえておきたいこと

  • ITインフラの基本構成(サーバ・ネットワーク・ストレージ)の役割を説明できる程度の経験
  • 何らかのシステム開発プロジェクトに参加した実務経験(設計書・仕様書の読み書きができるレベル)
  • ITIL用語(インシデント・変更管理・サービスデスク)の概要知識があると章間の接続が速い(必須ではない)

学習のコツ

  • 2章(フェーズから考える)を読んでから3〜5章のケーススタディに入ると、各設計項目がどのフェーズで決めるべきものかが対応しやすい
  • 運用設計が初めての場合、まず3章の業務運用ケーススタディで具体イメージをつかんでから1章の概念整理に戻ると定着が早い
  • アジャイル開発案件を担当している場合は2章と4章末尾のアジャイル関連コラムを先読みし、自分のプロジェクトとの差分を意識しながら通読する
  • 姉妹書『運用改善の教科書』は本書で設計した運用を改善・最適化するフェーズの内容。本書で基礎を固めてから参照すると効果的
出版社による内容紹介

好評の『運用設計の教科書』の増補改訂版です。近年、ますます定着してきたクラウドサービスやアジャイル開発への対応を強化し、利用者の種類による運用設計の考え方の違いなどを追加。さらにNISC(内閣サイバーセキュリティセンター)やCSIRT協議会などのリファレンスを追加しています。その他、姉妹書である『運用改善の教科書』との連携強化、著者自身が本書を活用して研修やコンサルティングを実施した際のフィードバックを各所に反映した、運用設計ノウハウの決定版書籍となります。 1章 運用設計とは ・1.1 運用と運用設計 ・1.2 運用設計の範囲 ・1.3 運用設計に大事な「3 つの分類」 [Column]今回を機に運用をキレイにしたい ・1.4 本書で説明する運用設計のパターン [Column]なぜ、運用設計の専門家は少ないのか 2章 フェーズから考える運用設計 ・2.1 プロジェクトの全体像 [Column]インフラとはなにか? [Column]アジャイル開発における運用設計 ・2.2 システム化計画 [Column]要件が途中で変わったら ・2.3 要件定義 [Column]作業工数に管理工数を入れるべし ・2.4 基本設計 ・2.5 詳細設計 ・2.6 運用テスト ・2.7 運用引き継ぎ [Column]運用設計の追加要望 3章 業務運用のケーススタディ ・3.1 業務運用の対象と設計方法 [Column]オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン ・3.2 システム利用者管理運用 ・3.3 サポートデスク運用 ・3.4 PC ライフサイクル管理運用 [Column]運用項目一覧は運用担当者がやること全部 4章 基盤運用のケーススタディ ・4.1 基盤運用の対象と設計方法 [Column]クラウド環境における基盤運用項目の差分 ・4.2 パッチ運用 ・4.3 ジョブ/スクリプト運用 ・4.4 バックアップ/リストア運用 ・4.5 監視運用 ・4.6 ログ管理 [Column]ログがディスク容量を圧迫した場合の対応 ・4.7 運用アカウント管理 ・4.8 保守契約管理 [Column]アジャイル開発における業務運用と基盤運用の優先度 5章 運用管理のケーススタディ ・5.1 運用管理の対象と設計方法 ・5.2 運用維持管理(基準決め) ・5.3 運用情報統制(情報選別方法、対応の仕組み) ・5.4 定期報告(情報共有) [Column]開発速度向上と運用管理 あとがき 参考資料

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