ISBN 9784297142490

エンジニア組織を強くする 開発生産性の教科書 〜事例から学ぶ、生産性向上への取り組み方〜

エンジニア組織を強くする 開発生産性の教科書 〜事例から学ぶ、生産性向上への取り組み方〜
出版社
技術評論社
刊行
2024-07

概要

Four Keys と SPACE で開発生産性を測定・改善するための組織論

想定読者

開発生産性の向上を組織・チーム全体で進めたいエンジニアリングマネージャー、テックリード、CTO

こんな人には向いていない

  • 個人の作業効率やコーディングスピードを上げたいエンジニアには焦点が合わない。本書は個人よりも組織・チーム単位の改善を主題とする
  • 自社開発・アジャイル開発の組織以外(受託中心・ウォーターフォール主体)では事例の前提が異なり活用しにくい
  • Four Keys や SPACE をすでに本番運用している組織には、フレームワーク紹介部分の比重が大きく感じられる可能性がある

読了後にできるようになること

  • 開発生産性を『作業量の生産性』『期待値の生産性』『実現価値の生産性』の3レベルで定義し、自組織のどこに課題があるかを特定できる
  • Four Keys(デプロイ頻度・変更のリードタイム・変更失敗率・復旧時間)の計測方法と、数値を目的化しないための運用指針を理解できる
  • SPACE フレームワークを用いて定量指標と開発者体験(Developer Experience)を組み合わせた多角的な評価ができる
  • 生産性向上を阻害する要因を個人・チーム・組織の3層に分類し、それぞれの対策を立案できる
  • BuySell Technologies、ツクルバ、クラスメソッド、ワンキャリア、Findy の5社事例から、施策の背景・取り組み・副次的成果のパターンを抽出できる
  • LLM が開発生産性に与える影響の見立てと、国内外の先行事例を把握できる

本書のキー概念(章解説)

  • 第 1 章 開発生産性とは何か — 定義と歴史(DevOps との接続)を押さえる導入章。後続の測定・改善議論の共通語彙を整える
  • 第 2 章 開発生産性向上のためのステップを知る — 現状可視化 → 課題優先付け → 目標設定 → 改善実施のサイクルを解説
  • 第 3 章 生産性向上の取り組みを阻害する要因とその対策 — 個人・チーム・組織の3層に分けた阻害要因整理が実務的。自組織の課題特定に使いやすい
  • 第 4 章 パフォーマンスを測るための指標 — Four Keys、SPACE フレームワーク、直接・間接指標を横断的に解説する本書の理論的中核章
  • 第 5 章 事例1: 株式会社BuySell Technologies
  • 第 6 章 事例2: 株式会社ツクルバ — 育成観点での生産性指標活用、経営と開発をつなぐ架け橋という視点が他事例と差別化されている
  • 第 7 章 事例3: クラスメソッド株式会社
  • 第 8 章 事例4: 株式会社ワンキャリア — SPACE フレームワーク導入によるエンジニア多角的評価の具体例
  • 第 9 章 事例5: ファインディ株式会社 — 著者自社の施策経緯を開示。Findy Team+ の開発背景としても読める

ハイライト

  • こちらの本は個人のエンジニアの生産性向上に焦点を当てた本ではなく、チーム、組織として生産性向上を上げていくにはどうするとよいかを書かれた本です。(本書の対象スコープ(個人ではなく組織単位)が端的に示されており、購買判断の絞り込みに直接使える)
  • 開発生産性とは何か、どのようにして測るのか、どのようにして向上させるのか、といった疑問に答えながら、開発生産性がエンジニア組織やビジネスに与えるポジティブな影響を具体的に示します。(本書の問いと射程が一文で把握できる。測定から組織・事業へのインパクトまでを一貫して扱う構成であることが分かる)

外部からの言及

  • 読書メモを書いた技術者は『チーム・組織単位の改善を扱う本であり、自社開発・アジャイル組織向けの内容』と評価。個人生産性との混同を避けるうえで対象読者が明確と捉えている(qiita)
  • エンジニア1年目に読んでほしい書籍まとめ(270 likes)では『少し応用的なので中級者から上級者向け』と位置付けられ、開発生産性の定義・測定・向上方法を具体的に学べる実践書として紹介されている(qiita)

編集メモ

Qiita で直接 ISBN を参照する記事は確認できず。書名・著者名での検索でヒットする直接言及記事は2件(累計 likes 272: 書籍推薦リスト 270 + 読書メモ 2)。2024-07 刊行の新しいタイトルであり蓄積が浅い段階。Four Keys / SPACE を実装しようとする組織には補完的な選択肢として参照価値がある

読む前に押さえておきたいこと

  • アジャイル・スクラムの基本概念(スプリント、バックログ、レトロスペクティブ)の理解
  • CI/CD パイプラインとデプロイフローの実務経験(Four Keys の計測対象を実感するため)
  • エンジニアチームのマネジメントまたはテックリード経験、あるいは組織改善に携わった経験があると事例の読み込みが深まる

学習のコツ

  • 第1〜4章が理論編、第5〜9章が事例編と分かれている。理論に不安があれば通読、急いで実務に使いたい場合は第3章(阻害要因)と自組織に近い事例章を先に読む順でも成立する
  • 第4章の Four Keys と SPACE の解説は Findy Team+ の設計思想とも連動している。ツール導入を検討しているなら章末の指標選択の考え方を特に丁寧に読む価値がある
  • 事例章は各社の『取り組みの背景』から読むと、施策の前提条件が見えて自社への適用可否を判断しやすい
  • Appendix の LLM と開発生産性の節は刊行後の変化が大きい領域なので、最新動向と照合しながら読むとよい
出版社による内容紹介

近年、ソフトウェアエンジニアリングにおいて開発生産性について言及されることが増えています。ソフトウェア開発チームのパフォーマンスを示すための指標「Four Keys」は広く知られており、これらの指標によって示される開発生産性の高さは、エンジニア組織に対してさまざまなメリットをもたらします。本書では、開発生産性とは何か? どのようにして測るのか? どのようにして向上させるのか? といった疑問に答えながら、開発生産性がエンジニア組織やビジネスに与えるポジティブな影響を具体的に示します。書籍の後半では、さまざまな企業の生産性向上に向けた取り組みを紹介しており、具体的な事例から組織をさらに改善するためのヒントやポイントを学べます。開発生産性向上についての理解を深め、より良いエンジニア組織を目指すためにお勧めの1冊です。 ■第1章 開発生産性とは何か 1.1 開発生産性について話す前に 1.2 開発生産性の定義 1.3 開発生産性レベルごとの分類とタスク例 1.4 なぜ開発生産性の向上が必要か 1.5 DevOpsの歴史と開発生産性 ■第2章 開発生産性向上のためのステップを知る 2.1 現状の可視化〜課題の優先付け 2.2 目標設定と改善の実施 ■第3章 生産性向上の取り組みを阻害する要因とその対策 3.1 前提条件の不足から生じる問題とその対策 3.2 エンジニア個人に関連する阻害要因とその対策 3.3 エンジニアチームに関連する阻害要因とその対策 3.4 組織全体に関連する阻害要因とその対策 ■第4章 パフォーマンスを測るための指標 4.1 指標選択の考え方 4.2 Four Keys 4.3 開発生産性を計測するためのお勧めの指標 4.4 開発生産性に直接的に結びつく指標 4.5 開発者体験とSPACEフレームワーク 4.6 開発生産性に間接的に結びつく指標 ■第5章 事例から学ぶ開発生産性向上の取り組み1株式会社BuySell Technologies 開発生産性への取り組みの背景 Aチームの取り組み Bチームの取り組み 開発生産性への取り組みの副次的な成果 ■第6章 事例から学ぶ開発生産性向上の取り組み2株式会社ツクルバ 開発生産性への取り組みの背景 生産量の向上に高い再現性をもった組織の実現へ 経営と開発を繋ぐ架け橋に 育成の観点でも開発生産性の指標を活用 チームメンバーの意識や行動に変化 ■第7章 事例から学ぶ開発生産性向上の取り組み3クラスメソッド株式会社 開発生産性への取り組みの背景 開発生産性向上に向けたクラスメソッド社の取り組み 開発生産性についての今後の挑戦 ■第8章 事例から学ぶ開発生産性向上の取り組み4株式会社ワンキャリア 開発生産性への取り組みの背景 SPACEフレームワークを導入しエンジニアを多角的に評価 開発生産性をさらに向上させるための取り組み ■第9章 事例から学ぶ開発生産性向上の取り組み5ファインディ株式会社 2020年7月当時の状況 ファインディが取り組んだこと まとめ ■Appendix Appendix 1 LLMが開発生産性を再定義する Appendix 2 開発生産性向上に有用なツール紹介 Appendix 3 開発生産性向上に関する海外事例

この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。

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