ISBN 9784320017689

高校数学+α : 基礎と論理の物語

高校数学+α : 基礎と論理の物語
著者
宮腰 忠
出版社
共立出版
刊行
2004-09

概要

高校数学を論理的に再構築し大学数学の基礎を固める

想定読者

大学入学後に数学の厳密さで躓いた学生、または高校数学を体系的に捉え直したい理工系の社会人

こんな人には向いていない

  • 入試対策や解法暗記を主な目的とする受験生には、解答手順より論理構造の説明に多くのページが割かれるため合わない
  • 大学数学(解析学・線形代数)をすでに習得済みの人には復習の比重が大きい
  • 高校数学の基礎がまだ固まっていない中学生レベルの読者には難度が高い

読了後にできるようになること

  • 実数の連続性・極限・収束の概念を直感ではなく定義から理解できる
  • 行列・線形変換・固有値分解を高校ベクトルと接続して体系的に把握できる
  • 複素数とド・モアブルの定理を経由して複素平面上の変換を扱える
  • 微積分学の基本定理・テイラー展開・広義積分を大学講義前に先取り理解できる
  • 数学的帰納法・集合論の記法・論理構造(ならば・同値)を証明の文脈で運用できる
  • 確率・統計の基礎(二項分布・正規分布・期待値)を高校レベルから大学統計へ橋渡しできる

本書のキー概念(章解説)

  • 第 1 章 数 — 実数の連続性・素数・2進法まで扱い、数の体系全体を俯瞰する章。論理記号の読み方もここで導入される
  • 第 2 章 方程式 — 因数定理と虚数を経由して代数の基礎を整理する
  • 第 3 章 関数とグラフ — 関数の定義を厳密に扱い、概念の発展として極限へ接続する
  • 第 4 章 三角関数 — 加法定理の証明など、丸暗記でなく導出まで踏み込む
  • 第 5 章 平面図形とその方程式 — 2次曲線(楕円・双曲線・放物線)を座標幾何として体系化
  • 第 6 章 指数関数・対数関数 — 定義域・グラフ・逆関数の関係を明示的に扱う
  • 第 7 章 平面ベクトル — 1次独立・1次結合の概念を導入し、線形代数の入口として機能する重要章
  • 第 8 章 空間ベクトル — 空間図形の方程式へ拡張。内積・法線ベクトルを使いこなす練習台
  • 第 9 章 行列と線形変換 — 高校での行列削除後も本書で学べる。2次曲線の対角化まで到達するため線形代数の橋渡し効果が高い
  • 第 10 章 複素数 — 複素平面上の変換・ド・モアブルの定理まで扱い、大学複素解析への導線を引く
  • 第 11 章 数列 — 漸化式・数列の極限・ゼノンのパラドックスと無限級数を扱う。極限概念の直感を養う中心章
  • 第 12 章 微分 基礎編 — 導関数の定義から出発し、グラフ解析・種々の微分法を体系的に整理する
  • 第 13 章 微分 発展編 — ロピタルの定理・テイラー展開・複素指数関数と高校の枠を超えた内容を先取りできる
  • 第 14 章 積分 — 区分求積法から出発し、広義積分・微分方程式まで到達。大学解析学の最初の2〜3章をカバーする
  • 第 15 章 確率・統計 — 期待値・分散・二項分布・正規分布を扱い、大学統計学への準備となる

ハイライト

  • 高校数学を見直し大学の講義に直結させた力作(出版社自身が掲げたキャッチコピーで、本書の位置づけを端的に示している)

編集メモ

Qiita 言及記事 0件 / 楽天ランキング情報なし。外部シグナルが取得できないため、外部人気指標は未確認。書誌の網羅性・章構成の充実度から高校数学の論理的再整理を目的とする読者には有用な選択肢

読む前に押さえておきたいこと

  • 高校数学II・B 程度(2次関数・三角関数・微積分の基礎)の学習経験
  • 数式を追うことへの抵抗がないこと。解法パターン暗記ではなく論理展開を読む姿勢

学習のコツ

  • 第7〜9章(ベクトル・行列・線形変換)は現行高校カリキュラムでは削除されている内容を含む。線形代数の授業を前にここを先読みすると大学講義の吸収速度が上がる
  • 第11〜14章は大学1年前期の解析学と直結する。入学直前の春休みに重点的に読むと、授業でのギャップが小さくなる
  • 第1章の『数学の論理』節は証明の読み書きの作法を扱う。以降の章を読む前に論理記号に慣れておくと、記述の意味が通りやすい
  • 章内の節は独立度が高い。既知の分野は読み飛ばし、大学数学との接続を意識した節(極限・線形変換・微分発展)を選んで読む使い方も有効
出版社による内容紹介

高校数学を見直し大学の講義に直結させた力作 第1章 数 1.1 数直線 1.2 自然数・整数・有理数 1.3 数学の論理 1.4 基本公式の導出 1.5 数学の論理構造 1.6 集合 1.7 2進法 1.8 実数の小数表示 1.9 実数の連続性 1.10 整数の性質 1.11 素数を利用した暗号 第2章 方程式 2.1 未知数・変数 2.2 2次方程式 2.3 虚数 2.4 因数定理 第3章 関数とグラフ 3.1 関数の定義 3.2 実数と点の1対1対応と座標軸 3.3 1次関数・2次関数のグラフ 3.4 2次関数のグラフの平行移動 3.5 方程式・不等式のグラフ解法 3.6 図形の変換 3.7 関数の概念の発展 第4章 三角関数 4.1 三角関数の定義 4.2 三角関数の相互関係 4.3 三角関数のグラフ 4.4 余弦定理・正弦定理 4.5 加法定理 第5章 平面図形とその方程式 5.1 曲線の方程式 5.2 領域 5.3 2次曲線 第6章 指数関数・対数関数 6.1 指数関数 6.2 対数関数 第7章 平面ベクトル 7.1 矢線からベクトルへ 7.2 ベクトルの演算 7.3 位置ベクトルの基本 7.4 ベクトルの1次独立と1次結合 7.5 ベクトルと図形(I) 7.6 ベクトルの内積 7.7 ベクトルと図形(II) 第8章 空間ベクトル 8.1 空間ベクトルの基礎 8.2 空間図形の方程式 8.3 空間ベクトルの技術 第9章 行列と線形変換 9.1 線形変換と行列 9.2 行列の一般化 9.3 2次曲線と行列の対角化 第10章 複素数 10.1 複素数 10.2 ド・モアブルの定理 10.3 方程式 10.4 複素平面上の図形と複素変換 第11章 数列 11.1 数列 11.2 階差と数列の和 11.3 漸化式 11.4 数学的帰納法 11.5 数列・級数の極限 11.6 ゼノンのパラドックスと極限 11.7 無限級数の積 第12章 微分ー基礎編 12.1 0に近付ける極限操作 12.2 関数の極限 12.3 導関数 12.4 関数のグラフ 12.5 種々の微分法と導関数 第13章 微分ー発展編 13.1 ロピタルの定理 13.2 テイラーの定理と関数の近似式 13.3 関数の無限級数表示 13.4 複素数の極形式と複素指数関数 第14章 積分 14.1 区分求積法 14.2 定積分 14.3 微積分学の基本定理と原始関数・不定積分 14.4 定積分と面積 14.5 積分の技術 14.6 体積と曲線の長さ 14.7 無限級数の項別微分積分 14.8 広義積分 14.9 微分方程式 第15章 確率・統計 15.1 場合の数と確率 15.2 確率 15.3 期待値と分散 15.4 二項分布 15.5 正規分布

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