ISBN 9784320115903

経営に活かす線形代数 : 基礎からPythonを用いた応用まで

経営に活かす線形代数 : 基礎からPythonを用いた応用まで
出版社
共立出版
刊行
2025-09

概要

経営学の諸領域に線形代数とPythonを接続し、論理的思考力を養う

想定読者

経営学・商学を学ぶ学生・社会人で、機械学習やデータ分析の数理基礎を固めたい人。文系バックグラウンドだがAI/ML活用に向けて数学リテラシーを上げたいビジネスパーソン

こんな人には向いていない

  • 線形代数を純粋に数学として深く学びたい理工系の読者には、証明の厚みが不足する
  • Pythonをすでに実務で使いこなしているデータサイエンティストには、プログラミング解説が基礎的すぎる
  • マーケティングや会計の実践スキルを直接身につけたい人には、数学的な準備が主軸のため即効性が低い

読了後にできるようになること

  • ベクトル・行列の基本演算と一次独立・直交性を、市場調査や生産計画のケースと結びつけて理解できる
  • 連立一次方程式の解法を原価計算・部門別計算など会計学の問題に適用できる
  • 固有値・固有ベクトルと主成分分析(PCA)の関係を、顧客評価分析のケースを通して把握できる
  • ポートフォリオ最適化や利益最大化を、二次形式と等号制約付き最適化問題として定式化できる
  • SymPyライブラリを使い、行列計算を手計算でなくコードで確認する習慣を身につけられる
  • 判別分析など多変量統計手法と線形代数の対応関係を概念的に説明できる

本書のキー概念(章解説)

  • 序章 — 本書全体の狙いと経営学における数理的アプローチの必要性を概観する導入
  • 第 1 章 ベクトル — 市場調査と製品戦略決定のケース + オプション価格付けへの応用。ファイナンス系読者にとって最初の実感値を得やすい章
  • 第 2 章 行列 — 生産計画確認のケース + 製品アーキテクチャー論への応用。経営学の王道テーマに行列演算を接地している
  • 第 3 章 行列の基本変形と連立1次方程式 — 原価計算・部門別計算への応用。会計学バックグラウンドの読者が最も身近に感じられる応用事例
  • 第 4 章 逆行列と行列式 — プロモーション戦略修正のケース + 判別分析への応用。マーケティング担当者向けの接続として機能する
  • 第 5 章 固有値 — 主成分分析(PCA)への橋渡し。機械学習の文脈でよく登場する固有値分解を経営データ文脈で理解できる核心章
  • 第 6 章 二次形式と最適化 — ポートフォリオ最適化とセールスミックス意思決定。ファイナンスとマーケティングの両方に応用が効く最終章。数学的難度も最高

ハイライト

  • 文系に分類されている経営学では、行列の計算を中心とした演習方法は適当ではなく、計算力よりも『どのような計算を行わせれば、どのような結果が得られるのか』という論理的思考力の涵養が重要(本書の設計思想が最も端的に表れた記述。計算よりも概念理解を優先する方針が、経営学部での活用可能性を規定している)
  • 本書で扱う線形代数の知識が経営学の諸領域にどのように応用可能なのかをケース問題として随所に例示することによって、学習者の動機付けを促している(経営戦略・マーケティング・会計・ファイナンスへの接続を各章で示す構成が、抽象的になりがちな線形代数の学習継続を支える設計意図を示している)

編集メモ

Qiita言及記事0件 / 楽天ランキング情報なし / 2025年9月刊行の新刊。経営学×線形代数という特定ニッチに向けた専門テキストで、外部シグナルが蓄積されていない段階のため supplementary と判定

読む前に押さえておきたいこと

  • 高校数学(行列の概念が廃止前カリキュラムの場合は、和・積の定義だけ事前確認)
  • Pythonの実行環境(Jupyter Notebookが望ましい)のセットアップ
  • 経営学の基礎概念(マーケティング・ファイナンス・会計の入門レベル)があると各応用事例の文脈が理解しやすい

学習のコツ

  • 各章の『導入ケース解説』を先に読み、『どの経営課題を解くために、この数学を学ぶのか』を把握してから定義・定理に入ると動機が持続しやすい
  • 付録BのPython基本操作は必要になった時点で参照するリファレンスとして使う。最初から通読する必要はない
  • 第5章(固有値)と第6章(最適化)は難度が跳ね上がるため、1〜4章で演習問題を一通り解いてから進む方が挫折しにくい
  • SymPyスクリプトは紙上で結果を追うだけでなく、数値を変えて挙動を確認する実験用途に使うと理解が深まる
出版社による内容紹介

機械学習やAI(人工知能)の進展によって、経営戦略論、組織論、人事・労務管理論、マーケティング、会計、ファイナンスといった経営学における諸専門分野においても、数理的アプローチやデータ分析の素養を身に付けることが必要不可欠になりつつある。本書は、それに先立ち、上記分野への応用を目的とした数学的基礎知識のうち、「線形代数」を扱うテキストである。  本書は、本書で扱う線形代数の知識が経営学の諸領域にどのように応用可能なのかをケース問題として随所に例示することによって、学習者の動機付けを促している。また、機械学習やAIにおいて最も多く使われているプログラミング言語であるPythonの習熟も視野に入れ、Python記号演算ライブラリSymPyスクリプトを用いた演習問題を配置している。これは、文系に分類されている経営学では、行列の計算を中心とした演習方法は適当ではなく、計算力よりも「どのような計算を行わせれば、どのような結果が得られるのか」という論理的思考力の涵養が重要と考えたからである。付録にPythonの基本操作方法をまとめており、事前知識がなくても本文のスクリプトが理解できるよう配慮した。 はじめに 序章 第1章ベクトル  1.1 ベクトルとは  1.2 ベクトルの演算  1.3 一次独立と一次従属  1.4 ベクトルの直交性  1.5 線形空間  1.6 【導入ケース解説】市場調査と製品戦略の決定  1.7 ファイナンスへの応用:オプションの価格付け  練習問題 第2章行列  2.1 行列とは  2.2 行列の演算  2.3 いろいろな行列  2.4 線形写像  2.5 【導入ケース解説】新製品の生産に伴う生産計画の確認  2.6 経営学への応用:製品アーキテクチャー論  練習問題 第3章行列の基本変形と連立1 次方程式  3.1 連立1 次方程式の解法  3.2 基本行列と行列の標準形  3.3 【導入ケース解説】新製品の生産に伴う生産計画の修正  3.4 会計学への応用:原価計算と部門別計算  練習問題 第4章逆行列と行列式  4.1 逆行列  4.2 行列式の諸性質  4.3 【導入ケース解説】プロモーション戦略の修正  4.4 マーケティングへの応用:判別分析  練習問題 第5章固有値  5.1 固有値と固有ベクトル  5.2 行列の対角化  5.3 【導入ケース解説】レギュラー商品の決定と顧客評価分析  5.4 マーケティングへの応用:主成分分析  練習問題 第6章二次形式と最適化  6.1 多変数関数の凹凸  6.2 等号制約付き最適化問題  6.3 【導入ケース解説】セールスミックスの意思決定:制約条件の下での限界効用と利益最大化  6.4 経済学への応用  6.5 ファイナンスへの応用:ポートフォリオ最適化問題  練習問題 おわりに 付録A 多変数関数の微分法  A.1 多変数関数  A.2 偏微分法  A.3 全微分 付録B Python 基本操作  B.1 起動  B.2 Python による処理と演算  B.3 SymPy ライブラリ  B.4 保存と終了  B.5 保存ファイルの読み込み  B.6 マニュアルとリンク 参考書籍 索引

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