ISBN 9784320123564

ネットワークセキュリティ

ネットワークセキュリティ
出版社
共立出版
刊行
2017-09

概要

情報系学部3年生が体系的にネットワークセキュリティを習得する

想定読者

線形代数・ネットワーク・OS・アルゴリズムの基礎を持つ情報系学科の学部生、またはこれらを業務で扱うエンジニアが体系的な基礎固めをしたい場合

こんな人には向いていない

  • プログラミング経験のない完全な初学者。本書は情報系学科3年生を前提とし、線形代数や情報ネットワークの基礎知識を前提としている
  • 現場でのセキュリティインシデント対応や脆弱性診断の実務ノウハウを求める実務者。本書は体系的な入門であり、手を動かすハンズオン演習よりも概念・法律の解説に重点を置く
  • 2017年以降に登場したクラウドネイティブ・コンテナ・ゼロトラスト領域のセキュリティを求める読者。出版時点の情報システムを前提に書かれており、最新アーキテクチャは別書で補う必要がある

読了後にできるようになること

  • 古典暗号から共通鍵・公開鍵暗号までの暗号理論を段階的に理解し、デジタル署名・鍵配送の仕組みを説明できる
  • ユーザ認証の方式(パスワード・チャレンジレスポンス・多要素認証等)を比較し、それぞれの脅威と限界を把握できる
  • 組織ネットワークのセキュリティ設計(ファイアウォール・DMZ・VPN 等)の基本構成を理解し、設計意図を説明できる
  • インターネットセキュリティ(TLS/SSL・DNS セキュリティ・メールセキュリティ等)のプロトコルレベルの保護機構を理解できる
  • 情報セキュリティマネジメント(ISMS・リスクアセスメント)と、日本の情報セキュリティ関連法制の基本を把握できる
  • プライバシー保護の考え方と、IoT を含む情報システム開発における守るべき資源・脅威・防御技術の三層を整理できる

本書のキー概念(章解説)

  • 第 1 章 ネットワークセキュリティ概論 — 脅威・資源・防御の三層フレームワークを掴む起点。最初に通読し全体像を固めると後章の吸収が速い
  • 第 2 章 古典暗号 — 現代暗号の理解への橋渡し。概念を掴む目的で読み、深追いしすぎず次章へ進む
  • 第 3 章 共通鍵暗号 — AES を中心に現代の対称暗号の基礎を固める重要章
  • 第 4 章 公開鍵暗号(1):基礎 — RSA の数学的背景を理解する章。線形代数の基礎が役立つ場面
  • 第 5 章 公開鍵暗号(2):デジタル署名と鍵配送 — PKI・TLS の根幹をなす仕組み。実務で証明書を扱う前に必ず押さえておきたい
  • 第 6 章 ユーザ認証 — 認証方式の比較と脅威モデルを整理できる実務直結の章
  • 第 7 章 組織ネットワークのセキュリティ — ファイアウォール・DMZ・VPN の基本設計を理解する。ネットワーク運用担当者に特に有益
  • 第 8 章 インターネットセキュリティ — TLS・DNS・メールセキュリティを横断的に解説。Webアプリ開発者が読む価値がある
  • 第 9 章 情報セキュリティマネジメント — ISMS・リスクアセスメントの考え方。マネジメント職・情報処理試験受験者向けに有効
  • 第 10 章 プライバシー保護と情報セキュリティ — 個人情報保護とセキュリティの交差点。設計段階での Privacy by Design を意識する際の参考になる
  • 第 11 章 日本における情報セキュリティの法律 — 不正アクセス禁止法・個人情報保護法等を概観。法的リスクを理解したいエンジニアに有用

ハイライト

  • 守るべき資源(コンピュータ,ネットワーク,データ,等),これらの資源に対する脅威,脅威から資源を守る技術とその限界を含めたネットワークセキュリティを学ぶことは今後IoTを含む情報システムの研究・開発・実用化を行う上で必須になっている(IoT 時代における本書の位置づけを端的に表しており、対象読者が本書を手に取るべき動機が凝縮されている)

編集メモ

Qiita での直接引用記事は確認できず、ランキング情報もなし。共立出版の情報系学部向け教科書シリーズ(未来へつなぐデジタルシリーズ)の1冊として体系的教育用途では実績があるが、外部シグナルに乏しいため supplementary と判定

読む前に押さえておきたいこと

  • 情報ネットワークの基礎(TCP/IP プロトコルスタック、パケット転送の仕組み)
  • 線形代数の初歩(行列演算・素因数分解の概念レベル)。公開鍵暗号章で使用
  • OS・プロセス・ファイルシステムの基本的な仕組みの理解

学習のコツ

  • 1章でセキュリティの三層(資源・脅威・防御)を把握してから、暗号章(2-5章)→認証章(6章)→ネットワーク設計章(7-8章)の順に読むと概念の積み上がりが自然
  • 4-5章(公開鍵暗号)は数学的な説明が増えるため、線形代数やモジュラー算術に不安があれば別途補強してから読むと理解度が上がる
  • 9章(情報セキュリティマネジメント)と11章(法律)は独立性が高い。試験対策や業務要件に応じて先に読んでも理解に支障がない
  • 各章末の演習問題は大学授業の試験対策だけでなく、情報処理安全確保支援士試験の基礎確認としても活用できる
出版社による内容紹介

我々がインターネットを利用する上で,守るべき資源(コンピュータ,ネットワーク,データ,等),これらの資源に対する脅威,脅威から資源を守る技術とその限界を含めたネットワークセキュリティを学ぶことは今後IoTを含む情報システムの研究・開発・実用化を行う上で必須になっている。  本書は,線形代数学,情報ネットワーク,アルゴリズムとデータ構造,オペレーティングシステムに関する基本的な知識を有する情報系学科/コースの3年生を想定して,ネットワークセキュリティを体系的に学習する事を前提に,技術要素,実システム,関係する法律などに関して具体的な事例を取り上げながら解説している入門書である。

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