ISBN 9784334046392

Web3とは何か : NFT、ブロックチェーン、メタバース

Web3とは何か : NFT、ブロックチェーン、メタバース
著者
岡嶋裕史
出版社
光文社
刊行
2022-12

概要

Web3の構造と限界を技術と利用者行動の両面から読み解く

想定読者

Web3・NFT・ブロックチェーンの実態を概念から把握したいビジネスパーソンや技術者。メディアの煽りと距離を置き、批判的視点も含めて全体像を整理したい読者に向きます。

こんな人には向いていない

  • NFTやDeFiの具体的な実装・コーディングを学びたいエンジニア(本書はコードを扱いません)
  • Web3を手放しに礼賛したい読者(著者の懐疑的スタンスとは温度差があります)
  • ブロックチェーンの暗号技術を数式レベルで深掘りしたい読者(技術的詳細は意図的に抑えられています)

読了後にできるようになること

  • Web1→Web2→Web3という変遷で何が変わり何が変わらないかを説明できる
  • ブロックチェーンがWeb3の基盤として採用された理由と、その構造的制約を理解できる
  • NFTの価値を支える仕組みと、その価値が脆弱とされる論理を語れる
  • メタバースがWeb3と結びつく文脈と、現時点での実装状況の乖離を整理できる
  • 一般利用者の低摩擦志向がWeb3普及の阻害要因になるメカニズムを説明できる

本書のキー概念(章解説)

  • 前半: Web3とは何かの定義と、Web1/Web2からの変遷 — 「巨大IT企業の支配から個人が解放されたインフラ」という最大公約数的な定義を起点に、分権化という主題の前提を整える
  • 中盤: 要素技術(ブロックチェーン・NFT)の解説とその構造的制約 — Web3が実現手段をブロックチェーンに固執しすぎている、という著者の批判の足場を作る
  • 終盤: メタバースとの接続、そして「うまくいかないだろう」という結論 — 技術論ではなく利用者の欲求(レイジーさ)を最大の障壁として位置づける、本書の独自の落とし所

ハイライト

  • 一般利用者は本当にレイジーである。少しでもめんどうなステップがあると、そのしくみを使わない。そして、Web3は不可避的にめんどうなしくみなのである(著者の結論を支える核心的な論拠。技術の優劣より利用者行動が普及を左右するという視点が本書の独自性)

編集メモ

入力データにQiita言及・楽天ランキング等の外部シグナルがなく、書誌情報と本文説明のみで評価。同テーマの入門書として一定の参照価値はあるが、メカニカル指標の裏づけが不足するためsupplementaryとする

読む前に押さえておきたいこと

  • HTTP・Webブラウザの基本動作(URLとは何か、サーバとクライアントの関係)の概要理解
  • 暗号通貨(ビットコイン等)の名称と大まかな位置づけの認知(詳しい知識は不要)

学習のコツ

  • 前半のWeb1/Web2の振り返りは既知でも読み飛ばさないのがおすすめです。著者が「分権化の難しさ」を論じる前提として機能しており、終盤の批判的論点が腑に落ちやすくなります。
  • 著者はWeb3に懐疑的なスタンスをとりますが、反論も含めて公平に紹介しているため、賛成・反対どちらの立場でも論点整理の素材として使えます。
  • NFT・ブロックチェーン・メタバースの各テーマは独立して読めますが、順番通りに読むことで「分権化の夢と現実」という通底テーマが明確になります。
  • 約380ページとボリュームがありますが、数式やコードに踏み込まない語り口のため、通読の負荷は見た目ほど高くありません。関心の薄い章は役割を意識して拾い読みするのも有効です。
出版社による内容紹介

「Web3」とは、「巨大IT企業(ビッグテック)の支配から個人が解放されたインフラ」で、「要素技術としてブロックチェーン、なかでもNFTあたりを重視する」くらいが最大公約数的な説明だろう。結論を先取りすれば、ぼくはWeb3はあんまりうまくいかないだろうと考えている。一つは、実現手段をブロックチェーンにこだわりすぎているから。もう一つの、より大きな理由は利用者の欲求だ。一般利用者は本当にレイジーである。少しでもめんどうなステップがあると、そのしくみを使わない。そして、Web3は不可避的にめんどうなしくみなのである。-「次世代のインターネット」といわれる「Web3」について、ベストセラー『メタバースとは何か』の著者が、わかりやすく多面的に解説!

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