ISBN 9784335357176
憲法起案演習 : 司法試験編
概要
司法試験の出題素材から憲法の事例分析と起案技術を体系的に習得する
想定読者
憲法の基礎知識を身につけ、司法試験の論文式試験に向けて実際の起案力を磨きたい法科大学院生・受験生
こんな人には向いていない
- 憲法の基礎知識がまだ固まっていない段階の学習者。判例を精読しながら起案に応用する構成のため、入門書の読了が前提となる
- 短答式試験の対策を主目的とする受験生。本書は論文式試験の起案技術に特化しており、短答対策への直接的な寄与は限定的
- 平成18年以前の旧司法試験の問題で演習したい人。扱う問題は平成18〜29年度の新司法試験に限定されている
読了後にできるようになること
- 長文の事例問題を読み解き、争点を整理して分析する手順を身につける
- 関連判例を精読し、判例の射程と限界を起案に反映させる判断力を養う
- 表現の自由・政教分離・プライバシー・外国人の人権など多様な憲法上の権利を素材ごとに論じる起案技術を習得する
- 3つのストーリー(原告・被告・裁判所)を書き分ける論述構成を実践的に理解する
- 著者作成の起案例と自分の答案を比較することで、論述の質と説得力の差異を客観的に評価できる
- 平成18〜29年度の司法試験問題を通じ、出題傾向と憲法論点の変遷を俯瞰できる
本書のキー概念(章解説)
- 序章 事例分析と起案の一般論 — 本書全体の方法論が凝縮されており、最初に精読すると各章の学習効率が上がる
- 第 1 章 2006(平成18)年度 たばこパッケージへの有害表示義務付けに関する紛争 — 営業の自由・表現の自由の交差する典型問題として起案入門に適している
- 第 2 章 2007(平成19)年度 まちづくり条例に基づく宗教団体の排除に関する紛争 — 政教分離と信教の自由の絡む論点整理の練習として有用
- 第 3 章 2008(平成20)年度 インターネット上のフィルタリング・ソフトに関する紛争 — 表現の自由×国家の規制という現代的論点。技術的規制を憲法論に落とし込む演習として特徴的
- 第 4 章 2009(平成21)年度 大学教員の先端臨床治療に関する紛争 — 学問の自由・職業の自由が焦点。専門的裁量と司法審査の緊張関係を掘り下げる
- 第 5 章 2010(平成22)年度 ホームレスの福祉受給権に関する紛争 — 生存権・法の下の平等が主題。社会権の訴訟形態を理解するのに好適
- 第 6 章 2011(平成23)年度 インターネット上のストリート・ビューに関する紛争 — プライバシー権の現代的展開を扱う。判例が少ない分野での起案技術が問われる
- 第 7 章 2012(平成24)年度 政教分離原則に関する紛争 — 最判の丁寧な読み込みが必要な章。判例精読の訓練として価値が高い
- 第 8 章 2013(平成25)年度 デモ行進と大学内における集会に関する紛争 — 集会の自由と施設管理権の衝突。公共空間における自由の問題として理論的深みがある
- 第 9 章 2014(平成26)年度 観光地におけるタクシー事業免許に関する紛争 — 職業の自由の規制審査基準を演習する章として位置付けられる
- 第 10 章 2015(平成27)年度 思想・良心に基づく採用拒否に関する紛争 — 私人間効力と思想・良心の自由が交差する論点で、三者的構造の起案練習に最適
- 第 11 章 2016(平成28)年度 性犯罪前科者の継続監視に関する紛争 — プライバシー権の現代的侵害形態を扱う。令状・適正手続との接続も重要
- 第 12 章 2017(平成29)年度 外国人労働者をめぐる紛争 — 外国人の人権享有主体性をめぐる最重要論点。近年の出題傾向に直結する
- 第 13 章 補章 サンプル問題(2004年) 文化事業奨励金をめぐる紛争 — 準備的演習として活用できる。本章から着手し起案の流れを掴んでから各章に進む使い方もある
ハイライト
- 関連する判例を多数引用し、判例を精読するなかから、3つのストーリーを書き分ける技術を身につけることができます(本書の独自性——判例精読を通じた3ストーリー起案という方法論——が最も端的に示されている記述)
- 著者書き下ろしの起案例がすべての問題に収録されていて、実践的に憲法的な考察を進める筋道を示します(全問題に著者起案例が付くという構成上の特徴を示しており、受験生が模範と比較できる実践的価値を端的に表す)
編集メモ
Qiita 言及記事 0件 / 楽天ランキング情報なし。司法試験の憲法演習書という専門性の高い書籍のため、外部シグナルは取得できていないが、弘文堂から刊行された著者書き下ろし起案例全収録の体系的演習書として法曹受験領域では参照価値がある
読む前に押さえておきたいこと
- 憲法の基本的人権論・統治機構論の一通りの基礎知識(芦部憲法等の基本書を読了した水準)
- 主要な最高裁判例(三菱樹脂事件・津地鎮祭事件・猿払事件等)の事実関係と判旨の概要を把握していること
- 司法試験論文式答案の基本的な書き方(論証の組み立て方・三段論法)を理解していること
学習のコツ
- 序章の事例分析・起案の一般論を先に精読し、本書全体の方法論を掴んでから各章の問題演習に入ると理解効率が上がる
- 各章で自分の起案を先に書き、著者の起案例と照らし合わせることで論述の質の差異を具体的に認識できる
- 補章(サンプル問題)は難度が比較的穏やかなため、起案に慣れていない段階では最初の練習台として活用するとよい
- 同一の憲法上の権利(例: 表現の自由、プライバシー権)を扱う複数の章を連続して読むと、審査基準の変化や裁判所の判断枠組みの変遷を立体的に把握できる
出版社による内容紹介
判例を精読し、3つのストーリーを書き分ける 司法試験の出題問題(平成18年度?平成29年度)を素材とした憲法の演習書です。 憲法の基礎知識を身につけた読者が、長文の事例問題に対してどのように分析・考察を進めていけばいいのか、そして、実際にどのように起案すればいいのか、について具体的な技術を伝えます。本書では、関連する判例を多数引用し、判例を精読するなかから、3つのストーリーを書き分ける技術を身につけることができます。 著者書き下ろしの起案例がすべての問題に収録されていて、実践的に憲法的な考察を進める筋道を示します。 憲法の論文式試験に悩む方に、ぜひ読んでほしい一冊です。 序 章 事例分析と起案の一般論 第1章 2006(平成18)年度 たばこパッケージへの有害表示義務付けに関する紛争 第2章 2007(平成19)年度 まちづくり条例に基づく宗教団体の排除に関する紛争 第3章 2008(平成20)年度 インターネット上のフィルタリング・ソフトに関する紛争 第4章 2009(平成21)年度 大学教員の先端臨床治療に関する紛争 第5章 2010(平成22)年度 ホームレスの福祉受給権に関する紛争 第6章 2011(平成23)年度 インターネット上のストリート・ビューに関する紛争 第7章 2012(平成24)年度 政教分離原則に関する紛争 第8章 2013(平成25)年度 デモ行進と大学内における集会に関する紛争 第9章 2014(平成26)年度 観光地におけるタクシー事業免許に関する紛争 第10章 2015(平成27)年度 思想・良心に基づく採用拒否に関する紛争 第11章 2016(平成28)年度 性犯罪前科者の継続監視に関する紛争 第12章 2017(平成29)年度 外国人労働者をめぐる紛争 補 章 サンプル問題(2004年) 文化事業奨励金をめぐる紛争
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