ISBN 9784419072780
予備知識ゼロでもわかる 相続税土地評価の実務効率を上げるJw_cad講座
概要
Jw_cadで相続税路線価評価の図面作業を精緻かつ効率的に仕上げる
想定読者
相続税申告業務を兼務する税理士・税理士事務所スタッフで、路線価評価の図面作業をCAD未経験からでも効率化・精緻化したい人
こんな人には向いていない
- CAD専門職や建築設計士など、Jw_cadをすでに業務で使いこなしている人には相続税評価の文脈以外に新たな操作知識はほとんど得られない
- 相続税申告を専門とする大規模事務所で専担スタッフが既にCADワークフローを確立している環境では、既存フローの見直し材料としての使い方は限定的
- 路線価評価の理論・通達解釈を深く学びたい人には財産評価基本通達の解説がほとんどなく、評価計算の根拠理解には別書が必要
読了後にできるようになること
- Jw_cadへの図面スキャン取り込み手順(ビットマップ変換・読み込み設定・縮尺合わせ)を一通り実施できる
- 敷地境界線・想定整形地・かげ地の描き方を習得し、奥行補正率の計算根拠となる図面を作成できる
- セットバック要部分・都市計画道路拡幅予定地・屈折路接面地など特殊形状地の評価図面を描ける
- がけ地補正率・傾斜度・容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価に必要な図形計算をCADで処理できる
- 手計算と比較したCADの再現性・精緻さの優位点を理解した上で、評価資料として提出できる成果物を仕上げられる
本書のキー概念(章解説)
- 第 1 章 宅地の路線価評価におけるCADの活用 — CADを使う理由と手計算との違いを整理する導入。本書全体の目的意識を確認してから作業に入ると学習効率が上がる
- 第 2 章 CADを使用するために必要な図面を集める — 公図・地積測量図・建物図面などの収集先と入手方法を扱う。実務でのデータ収集フェーズに直結する
- 第 3 章 図面をCADに読み込みできるデータ(ビットマップ)にする — スキャナ設定・解像度・ファイル形式の選択を扱う。後続工程の品質を左右するため丁寧に実施したい
- 第 4 章 保存したビットマップをCADに読み込む(Jw_cadの設定編) — Jw_cadの初期設定・環境設定を行う章。ソフト未経験者はここで操作感を掴む
- 第 5 章 保存したビットマップをCADに読み込む(読み込み編) — 縮尺合わせ・位置合わせを含む実際の読み込み手順。設定編と続けて実施することで定着しやすい
- 第 6 章 基本的な図面の描き方(敷地境界線を描く) — Jw_cadの基本操作を敷地境界線の描画を通じて習得する。CAD初心者はこの章でツールの使い方を体得する
- 第 7 章 想定整形地を描く — 路線価評価の核心となる想定整形地の描き方。この章が使いこなせると評価精度が大きく向上する
- 第 8 章 対象地の間口と奥行を計算する — CADの寸法計測機能で間口・奥行を算出する手順。手計算では困難な精度をCADで実現できることを実感できる
- 第 9 章 かげ地割合を算出し奥行の計算過程を入力する — かげ地補正の根拠となる図形計算をCAD上で完結させる。評価資料への数値転記まで一連で習得できる
- 第 10 章 要セットバック部分を描く — 建築基準法上のセットバック部分を図面に反映する手順。実務では出現頻度が高く早めに習得しておきたい
- 第 11 章 都市計画道路拡幅予定地を描く — 特定行政庁の情報から拡幅予定地を図面に落とし込む手順。都市部の案件で必要になる場面が多い
- 第 12 章 屈折路に接面する宅地の間口距離等を求める — 折れ線道路に接する特殊形状地の評価計算。手計算では煩雑なケースをCADで効率化できる
- 第 13 章 がけ地補正率を求める — 傾斜地隣接のがけ地部分の補正率算定。現地確認データとCAD計算を組み合わせる実務的な手順
- 第 14 章 傾斜地の傾斜度を求める — 高低差測定値からCADで傾斜度を算出する方法。農地・山林評価にも応用できる
- 第 15 章 容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価を行う — 用途地域をまたぐ土地の按分計算をCADで正確に行う手順。評価誤りリスクが高い論点
- 第 16 章 成果物を綺麗に仕上げる — 印刷設定・レイアウト調整・ファイル管理など、申告資料として提出できる状態に仕上げる最終工程
ハイライト
- その精緻さや再現性の高さの点ではCAD等には到底及びません。本書では、フリーソフトであるJw_cadを使った作図の方法をご紹介しています。フリーソフトとはいえ、Jw_cadは、建築士の設計業務に対応できるもので、その機能は非常に多岐にわたっています(手計算との比較でCAD活用の必然性を示す箇所。フリーソフトでも業務水準に達することが本書の前提)
- 著者が今まで相続税申告で利用してきた経験を踏まえ、はじめてCADソフトを利用する方にもなるべく理解しやすいよう、図を多く掲載しながら解説を進めています(実務経験者が初心者目線で書いた実践書であることを示す著者スタンス)
編集メモ
Qiita言及記事0件・楽天ランキング情報なし。2026年1月刊行の新刊で外部シグナルが蓄積する前の段階。相続税×CADという専門的ニッチ領域での参照価値は書誌内容から見込めるが、メカニカル指標では supplementary を付与
読む前に押さえておきたいこと
- 相続税申告における路線価評価の基本的な仕組みの理解(かげ地・想定整形地・奥行補正の概念を知っていること)
- Windowsパソコンの基本操作(ファイルの保存・フォルダ管理・スキャナ操作)ができること
- Jw_cadの事前インストールと財産評価基本通達の参照環境(国税庁ウェブサイト等)を手元に準備しておくこと
学習のコツ
- 第1〜5回(取り込み設定)を実際にJw_cadを起動しながら手を動かして実施する。読むだけでは設定の意図が定着しにくく、第6回以降の描画作業でつまずきやすい
- 第6〜9回は順番通りに全件手を動かして完成させる。敷地境界線→想定整形地→かげ地割合の流れが1件の路線価評価の骨格であり、ここで基本動作を体得することが後半の特殊論点章を理解する前提になる
- 第10〜15回は実際に担当する案件の種類に応じて優先順位をつけてよい。都市部中心の事務所は第10・11回を先に習熟し、農村部・山間部案件が多い場合は第13・14回を重点的に実施するという使い方が現実的
- 第16回は全手順を習得した後に、申告資料として提出する前の最終チェックリストとして活用する
出版社による内容紹介
【本書の紹介】 ほとんどの相続税申告では,土地の路線価評価作業が出てきます。相続税申告専門の税理士事務所であれば,専担のスタッフもいて,朝飯前にできるかもしれませんが,そうでない事務所の場合,毎月のクライアント訪問業務,記帳・決算業務のかたわらで行わなければならず,担当者にとっては時間的にも精神的にも相当なプレッシャーになるのではないでしょうか。 また、これらの作業は手計算でもできますが,慣れていないと,図面や三角スケールとにらめっこばかりで一向に前に進まない,一通りできたけれども間違いが多くて評価資料としては全く使えないということが起こります。 手計算自体は悪いことではなく,難解な財産評価基本通達の文章を身をもって理解するという点では是非とも経験しておくべきことなのですが,その精緻さや再現性の高さの点ではCAD等には到底及びません。 本書では,フリーソフトであるJw_cadを使った作図の方法をご紹介しています。フリーソフトとはいえ,Jw_cadは,建築士の設計業務に対応できるもので,その機能は非常に多岐にわたっています。著者が今まで相続税申告で利用してきた経験を踏まえ,はじめてCADソフトを利用する方にもなるべく理解しやすいよう,図を多く掲載しながら解説を進めています。 【著者プロフィール】 新富達也 税理士・不動産鑑定士。平成5年埼玉大学経済学部卒業後東京国税局採用。平成12年不動産鑑定士試験合格後,一般財団法人日本不動産研究所にて様々な類型の不動産鑑定評価を経験したのち,有限会社フィールズ鑑定法人において資産税関連の不動産鑑定に多く携わる。平成23年税理士試験合格後,信託会社,税理士法人で相続税申告のほか,遺言書作成,遺産整理等の相続関連業務に従事。平成30年に独立開業。現在は,相続を中心とする税務業務・不動産鑑定業務の傍ら税理士等からの相続税評価実務に関する相談等を多く行っている。 【目次】 第1回 宅地の路線価評価におけるCADの活用 第2回 CADを使用するために必要な図面を集める 第3回 図面をCADに読み込みできるデータ(ビットマップ)にする 第4回 保存したビットマップをCADに読み込む(Jw_cadの設定編) 第5回 保存したビットマップをCADに読み込む(読み込み編) 第6回 基本的な図面の描き方(敷地境界線を描く) 第7回 想定整形地を描く 第8回 対象地の間口と奥行を計算する 第9回 かげ地割合を算出し奥行の計算過程を入力する 第10回 要セットバック部分を描く 第11回 都市計画道路拡幅予定地を描く 第12回 屈折路に接面する宅地の間口距離等を求める 第13回 がけ地補正率を求める 第14回 傾斜地の傾斜度を求める 第15回 容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価を行う 第16回 成果物を綺麗に仕上げる
この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。