ISBN 9784492533642
高収益事業の創り方(経営戦略の実戦(1))
概要
成熟・成長・揺籃の3市場で高収益を実現する戦略パターンを習得する
想定読者
事業部長・経営企画・新規事業担当など、既存事業の収益改善や新規事業の立ち上げに責任を持つ経営幹部候補生。日本企業の実ケースをもとに自社の戦略選択肢を整理したい実務者
こんな人には向いていない
- ポーターやミンツバーグなどの戦略理論を体系的に学びたい学習者には、本書は理論解説より事例の抽出・検証に軸足があるため物足りなさを感じる可能性がある
- スタートアップや小規模事業の初期フェーズを想定している読者には、日本の大企業・中堅企業のケースが中心で文脈が合わないことがある
- すでに自社の戦略パターンを確立し実行フェーズに移った組織では、本書の分析枠組みが既知の内容と重なりやすい
読了後にできるようになること
- 成熟市場・成長市場・揺籃市場それぞれで有効な戦略パターン14種と30のバリエーションを選択基準ごとに整理できる
- 利益率・成長率・市場占有率という3つの戦略目標を分離して考え、達成条件を個別に分析できる
- 隣地開拓・流通改革・改善改良・私有化といった実際の手の打ち方を、どの順番で何に着手するかという問いとして具体化できる
- 151の成功ケースと101の失敗ケースから浮かび上がるパターンを、単一事例依存の直感と切り離して検証する習慣が身につく
- 『自社から見た新規』ではなく『世の中から見た新規かどうか』という視点で事業機会を評価できる
- 計画策定後の新たな現実への適応プロセスとして戦略を捉え、実行段階での修正判断に使える観察眼が育つ
本書のキー概念(章解説)
- 序章 取扱説明書 — 本書の分析方法論と14パターン全体の見取り図が示される。最初に通読することで以降の章の読み方が定まる
- 第 1 章 第1章 成熟事業の隣地開拓 — 第1部(成熟市場)の最初の手。既存強みの隣接領域への展開で利益率を改善する事例群を分析
- 第 2 章 第2章 成熟事業の流通改革 — チャネル変革・中間排除・直販化など流通構造への介入パターン。ケース密度が高い実践色の強い章
- 第 3 章 第3章 成熟事業の改善改良 — コスト・品質・サービスの継続改善で差別化を保つ戦略。地道に見えるが失敗ケースも多い
- 第 4 章 第4章 成熟事業における留意点 — 第1部の総括。成熟市場で陥りやすいパターンと回避条件を整理
- 第 5 章 第5章 自社事業の隣地開拓 — 第2部(成長市場)の入り方。コア事業から成長市場へブリッジする事例を検証
- 第 6 章 第6章 自社事業の川下開拓 — 顧客に近づく下流展開の戦略。サービス化・ソリューション化の成否条件を事例から抽出
- 第 7 章 第7章 成長事業の私有化 — 成長市場を競合から守り自社のものにする戦略。私有化の条件とタイミングが判断の核心
- 第 8 章 第8章 成長事業における留意点 — 第2部の総括。成長市場特有の罠と注意すべき判断パターンを整理
- 第 9 章 第9章 立地の取捨選択 — 第3部(揺籃市場)の入り口。どの市場に賭けるかという立地選択の判断枠組み
- 第 10 章 第10章 構えの基本設計 — 新規市場でのビジネスモデル設計。事業構造の初期設定が後の私有化可能性を左右する
- 第 11 章 第11章 揺籃市場の私有化 — 未成熟市場を自社優位な構造に転換するパターン。最も難易度が高く失敗ケースからの学びも多い
- 第 12 章 第12章 新規事業における留意点 — 第3部の総括。揺籃市場特有の不確実性に対処するための留意点を提示
- 第 13 章 終章 高収益への正攻法 — 14パターン×3市場の統合的結論。自社の現状をどのパターンに当てはめるかを考える出発点として再読価値が高い
ハイライト
- 利益率、成長率、占有率、と戦略の標的を切り分けて、それぞれを引き上げるための必要十分条件を探る(本書の分析軸の独自性が最も端的に示されている箇所。通常の経営書が『優良企業』を一括りにする弱点を正面から否定している)
- 当事者のアクションを終着点とし、どういう順番で何に手をつけるか、という問いに向き合う(本書が理論提示ではなく『手の打ち方』の指南を旨としていることを示す。実務者に刺さる購入理由になる)
- 経営者が繰り出した手を黙々と検証していくことで、立ち上がってくるパターンを見極める(単一ケース依存でなくケース群から帰納するという方法論の核心。本書の学術的信頼性の根拠でもある)
編集メモ
Qiita 上に本書を直接引用する記事は確認されず(ISBN・書名両方で検索)。楽天ランキング情報も入力データに含まれない。定価12,100円・704ページの大部で経営幹部候補向けという限定的な読者層が外部言及の少なさに影響していると推定される。経営戦略の実務書として充実した内容であるが、外部シグナルが乏しいため supplementary と判定
読む前に押さえておきたいこと
- 経営戦略の基本概念(競争優位・差別化・コスト優位など)への最低限の馴染み
- 自社または担当事業のP&L構造と競争環境を把握している実務経験
- ポーターの競争戦略論やミンツバーグの戦略論の概要を知っていると対比的理解が深まる(必須ではない)
学習のコツ
- 終章を先読みして14パターンの全体像を把握してから各章を読むと、個々のケース分析が戦略選択のどの局面に対応するかを意識しながら読み進められる
- 自社または担当事業が成熟・成長・揺籃のどの市場フェーズにあるかを事前に仮設定しておくと、対応するパートを重点的に精読する使い方ができる
- 各章の失敗ケースを成功ケースと対比しながら読むことで、パターンの適用条件と限界が明確になる。単に成功例をなぞるだけでは判断軸が身につかない
- 704ページの大部であるため、全章通読よりも自社フェーズの部を精読し、他の部は章末のまとめ部分を中心に読む使い方が実用的
出版社による内容紹介
経営幹部候補生に特化した知的武装シリーズ(『経営戦略の実戦』)の第1弾。 151の成功ケース、101の失敗ケースに学ぶ、実戦の戦い方。 14の戦略パターンと30の戦略バリエーションを抽出。使える選択肢を手に入れる。 ポーター、ミンツバーグを超える、戦略論の決定版! このシリーズの特徴 1、単一ケースでなく、ケース群に学ぶ 理論にあてはまる特定のケースでなく、多数のケースから浮かび上がる理論に学ぶ 2、「優良企業」という漠然とした基準の排除 利益率、成長率、占有率、と戦略の標的を切り分けて、それぞれを引き上げるための必要十分条件を探る 3、特定の場所に橋をかけようとする人に、世界で最もすぐれた橋の姿を解説するようなことはしない 当事者のアクションを終着点とし、どういう順番で何に手をつけるか、という問いに向き合う 4、自社・新から世の中・新へ 自社で手がけていない事業を「新規」と呼ぶのでなく、「世の中から見て」新規かどうかという視点を貫く 5、実践から実戦へ 計画策定段階では想定しなかった新たな現実に適応するところに、戦略の使命がある。 経営者が繰り出した手を黙々と検証していくことで、立ち上がってくるパターンを見極める 序章 取扱説明書 第1部 成熟市場の攻め方 第1章 成熟事業の隣地開拓 第2章 成熟事業の流通改革 第3章 成熟事業の改善改良 第4章 成熟事業における留意点 第2部 成長市場の入り方 第5章 自社事業の隣地開拓 第6章 自社事業の川下開拓 第7章 成長事業の私有化 第8章 成長事業における留意点 第3部 揺籃市場の開き方 第9章 立地の取捨選択 第10章 構えの基本設計 第11章 揺籃市場の私有化 第12章 新規事業における留意点 終章 高収益への正攻法
この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。