ISBN 9784492534021

経営戦略原論

経営戦略原論
著者
琴坂 将広
刊行
2018-06

概要

経営戦略の系譜を理論と実践の両軸から体系的に理解する

想定読者

経営企画・事業開発・コンサルタントなど戦略立案に携わるビジネスパーソンで、断片的な知識を体系化したい中堅以上の実務者。MBAコースへの入学前後に通史として読む読者にも適する

こんな人には向いていない

  • SWOT・ポーター・バーニーなどの戦略フレームワークをすでに大学院レベルで学んだ人には第I〜II部の内容が既知の範囲と重なる
  • 具体的な事業計画の立て方や財務分析の手法を求めている人には理論・歴史叙述の比重が大きすぎる
  • 最先端の経営学論文(2018年以降)を追いたい研究者には本書の射程が及ばない

読了後にできるようになること

  • 経営戦略の定義を多面的な視点から言語化し、実務での議論に使える共通言語を持てる
  • SWOT・SCP・RBV・ダイナミックケイパビリティなど主要な戦略フレームワークの成立背景と限界を把握できる
  • 外部環境分析(ポーターの5つの力など)と内部環境分析(資源ベース理論など)を一つの文脈で対比的に理解できる
  • 事業戦略・全社戦略・戦略実行・組織浸透という実践フェーズの流れを理論と結びつけて説明できる
  • 新興企業・多国籍企業・AI時代という現代的文脈での戦略論の課題を整理できる
  • 戦略論を『科学(普遍的法則の探究)』と『実学(最適な処方箋の提供)』という二軸で評価する視座を持てる

本書のキー概念(章解説)

  • 第 1 章 『経営戦略』をいかに定義するか — 戦略論全体の読み方の鍵となる章。冒頭に置くことで後続の理論比較の軸が定まる
  • 第 2 章 経営戦略前史 — 紀元前〜1960年代。クラウゼヴィッツや軍事戦略からの系譜を追うことで戦略概念の根源が見える
  • 第 3 章 経営戦略の黎明期 — アンドリュース・アンソフらの原典的貢献を整理。フレームワーク乱立の背景を理解する起点
  • 第 4 章 外部環境分析 — ポーターの産業組織論を中心に展開。SCP パラダイムの有効射程と限界を同時に学べる
  • 第 5 章 内部環境分析 — 資源ベース理論(RBV)とケイパビリティ論の対比。4章との対置が本書の構成上の核心
  • 第 6 章 事業戦略を立案する — 理論から実践へ移行する章。具体的な分析プロセスを追いたい読者はここから先を重点的に読むとよい
  • 第 7 章 全社戦略を立案する — 多角化・アライアンス・M&A など全社レベルの論点を整理
  • 第 8 章 経営戦略を実行する — 戦略立案から実行フェーズへの橋渡し。組織能力・資源配分の視点が加わる
  • 第 9 章 経営戦略を浸透させる — 組織文化・コミュニケーションを通じた戦略浸透の論点。実務担当者が最も参照しやすい章
  • 第 10 章 新興企業の経営戦略 — スタートアップ・アントレプレナーシップ論との接点。既存の戦略論がどこで機能しないかが見える
  • 第 11 章 多国籍企業の経営戦略 — 国際経営論との統合。著者自身のオックスフォードでの研究背景が反映されている章
  • 第 12 章 技術の進化が導く経営戦略の未来 — IoT・AI・ビッグデータ時代の戦略論。2018年時点の見立てとして現在との差分を考察する素材として使える

ハイライト

  • 実学としての経営戦略は『最適な処方箋』を、社会科学としての経営戦略は『普遍的な法則性』をそれぞれめざしてきた。この両者を1つの筋道に収めたことこそが、本書の挑戦である(本書の独自性が端的に表れている箇所。理論と実践を一冊で架橋しようとする著者の編集意図が明示されている)
  • 経営戦略論は何を探究し、科学として、実務として、どのような発展と進化を遂げてきたのか。本書は、有史以前からAI時代まで、戦略論の議論を俯瞰する壮大なストーリーである(本書の射程の広さを示す冒頭定義。通史として読む際に購入判断の根拠となる)

編集メモ

Qiita 言及 0 件 / 累計 likes 0 / 楽天ランキング情報なし。management-strategy トピックにおける外部シグナルが取得できないため supplementary と判定。東洋経済新報社刊の学術・実務双方向書籍として著者の学術的背景(慶応大准教授・オックスフォード DBA・マッキンゼー出身)は高い信頼性を持つが、数値根拠がないため上位ラベルは付与しない

読む前に押さえておきたいこと

  • ビジネスの基本構造(市場・競争・利益・組織の概念)についての実務または学習経験
  • SWOT 分析・ポーターの5つの力など基礎的なフレームワークの名称レベルの知識があると第II部の理解速度が上がる

学習のコツ

  • 第1章(戦略の定義)を読んでから第I部・第II部を通読すると、各フレームワークの位置づけが体系図として頭に入りやすい
  • 第4章(外部環境)と第5章(内部環境)は対を成しているため、続けて読み比較することで RBV vs SCP の論争の構図が明確になる
  • 第III部(6〜9章)は理論的裏付けを持ちながら実務に踏み込む章群のため、策定・実行フェーズの担当者はここを重点的に参照するとよい
  • 第12章は2018年執筆時点の将来予測であるため、現在の視点から検証的に読むと著者の分析フレームの有効性を評価する演習になる
出版社による内容紹介

有史以前からまだ見ぬ近未来までーー 経営戦略の系譜をたどり、実践と理論の叡智を再編する 経営戦略論は何を探究し、科学として、実務として、どのような発展と進化を遂げてきたのか。本書は、有史以前からAI時代まで、戦略論の議論を俯瞰する壮大なストーリーである。最初に、経営戦略の定義を多面的に議論したうえで、経営戦略の歴史を紐解く。さらに、経営戦略をめぐる学術的な議論を、その原点から最新の議論に至るまでを紹介する。個々を断片的に解説するのではなく、それらの議論の変遷、流れを詳細に記述する。そして、経営戦略の未来として、IoTやAI、ビックデータなどが彩る未来の世界が、今後の経営戦略のあり方に対してどのような意味合いを持ち、それらを経営戦略立案の実務にどう落とし込んでいくべきかを考える。 実学としての経営戦略は「最適な処方箋」を、社会科学としての経営戦略は「普遍的な法則性」をそれぞれめざしてきた。本書では、この2つの異なる方向性をそれぞれ概観することで、経営戦略を理解し、実践するために必要となる根源的な知見を幅広く提供する。この両者を1つの筋道に収めたことこそが、本書の挑戦である。 第I部 経営戦略の形成ーー紀元前から一九六〇年代まで 第1章 「経営戦略」をいかに定義するか 第2章 経営戦略前史 第II部 経営戦略の理論化ーー一九六〇年代から二〇〇〇年代まで 第3章 経営戦略の黎明期 第4章 外部環境分析 第5章 内部環境分析 第III部 経営戦略の実践ーー理論と現場をつなぐもの 第6章 事業戦略を立案する 第7章 全社戦略を立案する 第8章 経営戦略を実行する 第9章 経営戦略を浸透させる 第IV部 経営戦略のフロンティアーー経営戦略の現代的課題 第10章 新興企業の経営戦略 第11章 多国籍企業の経営戦略 第12章 技術の進化が導く経営戦略の未来

この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。

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