ISBN 9784502442117
経営危機時の会計処理 : レオパレス21は難局をどう乗り越えたか
概要
経営危機下の論点別会計処理を当事者の実務として追う
想定読者
監査法人・事業会社の経理担当者、これから会計実務に就く公認会計士や受験生で、危機局面の判断と監査人折衝の進め方を知りたい方
こんな人には向いていない
- 簿記や財務諸表の基礎をこれから学ぶ初学者。引当金やGC注記など個別論点の前提知識がある読者を想定しています
- 理論や会計基準そのものの体系的な解説を求める読者。本書は特定企業の難局への対応を題材にした実務記録です
- レオパレス21の不正・施工不備問題そのものの調査報道やスキャンダル分析を期待する読者
読了後にできるようになること
- 補修工事関連損失引当金や空室損失引当金を、見積りの不確実性が高い局面でどう測定・開示するかの実務判断
- 継続企業の前提に関する注記(GC注記)が必要になる状況の見極めと、注記に至る監査人との論点整理
- 巨額損失計上時の繰延税金資産の回収可能性をどう評価するかの考え方
- 固定資産・関係会社株式の減損損失を危機局面で認識する際の検討プロセス
- 会計・監査上の課題に対して背景・基準・実務適用・監査人折衝・振り返りの5つの視点で向き合う手順
- 利害関係者へ計画的かつ論理的に説明し、信頼を保ちながら難局を進める実務コミュニケーションの勘所
本書のキー概念(章解説)
- 第 1 章 企業概況と会計・監査課題
- 第 2 章 補修工事関連損失引当金 — 施工不備に直結する見積り論点。本書の出発点となる章
- 第 3 章 偶発債務
- 第 4 章 空室損失引当金
- 第 5 章 継続企業の前提に関する注記 — GC注記に至る判断と監査人折衝が読みどころ
- 第 6 章 繰延税金資産の回収可能性
- 第 7 章 固定資産の減損損失
- 第 8 章 関係会社株式等の減損損失
- 第 9 章 収益認識
ハイライト
- 2018年以降、施工上の不備が相次いで発覚したことにより、補修工事費用が巨額に上り、売上も急激に落ち込み、経営危機に陥ったレオパレス21は、かつて経験したことのない多くの会計・監査上の検討課題に直面した。(本書が扱う題材の射程と切実さが端的に示されている箇所)
- 引当金、GC注記、繰延税金資産、減損など、次々と起こる会計・監査上の課題にどう対応したのか、現場社員が明かす。(現場当事者による内部視点という本書の独自性が最も顕著な箇所)
外部からの言及
- 公認会計士・大学客員教授による書評では、被監査側・当事者が会計不祥事後の対応を内側から記録した稀有な試みと評価され、若手経理担当者の教材としても、監査人や将来の会計プロフェッショナルにとっても有益とされている。利害関係者へ計画的かつ論理的に誠意を持って説明することの重要性が繰り返し説かれる点が要点として挙げられている(blog)
編集メモ
技術書系の外部シグナル(Qiita 引用 0 件 / likes 0)は対象外の専門分野。出版社サイトに『旬刊経理情報』2022年11月10日号の書評掲載があり、実務向けの選択肢として位置づけ
読む前に押さえておきたいこと
- 財務諸表と簿記の基本、および引当金・減損・税効果会計の概要
- 継続企業の前提(ゴーイングコンサーン)と監査の基本的な役割の理解
学習のコツ
- 各章は背景・会計基準・実務適用・監査人との折衝・振り返りという同じ枠組みで進むため、関心のある論点(例: GC注記、減損)の章から拾い読みしても理解しやすい構成です
- 引当金やGC注記など個別論点の基礎を別書で押さえてから読むと、本書の実務判断の機微がより鮮明になります
- 会計処理の正解だけでなく、監査人や利害関係者へどう説明し合意形成したかの過程に注目すると、危機局面の実務として得られるものが大きい一冊です
出版社による内容紹介
施工不備問題が発覚し経営危機に陥ったレオパレス21。引当金、GC注記、繰延税金資産、減損など、次々と起こる会計・監査上の課題にどう対応したのか、現場社員が明かす。
この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。