ISBN 9784524270248

根拠がわかる母性看護過程(改訂第2版) : 事例で学ぶウェルネス志向型ケア計画

根拠がわかる母性看護過程(改訂第2版) : 事例で学ぶウェルネス志向型ケア計画
著者
中村幸代
出版社
南江堂
刊行
2025-09

概要

母性看護学実習でウェルネス志向型の看護過程を根拠とともに展開できるようにする

想定読者

母性看護学実習に臨む看護学生。特に、問題焦点型の看護過程には慣れているがウェルネス志向型の思考への切り替えに苦労している段階の学生。実習前の事前学習から受け持ち中の計画立案まで継続使用できる構成を求める人

こんな人には向いていない

  • 母性看護学の理論・生理学的背景を体系的に学ぶ教科書として使いたい人には、本書は事例学習と看護過程展開に特化しており、基礎理論の記述は限られる
  • 助産師や産科病棟の現職看護師が臨床の深掘り参考書として使う目的には、対象が実習学生レベルの知識習得を前提とした構成のためカバー範囲が合わない
  • 帝王切開分娩後や母児分離といった複合的なハイリスク事例をすでに受け持ちで経験済みの学生が、応用的な判断力をさらに高めたい場合には基本的な解説の比重が大きい

読了後にできるようになること

  • ウェルネス志向型アセスメントの視点(対象の強みを活かす支援)と、問題焦点型との思考の違いを説明できる
  • 正常分娩後の母児から、ハイリスク妊産婦・帝王切開後・母児分離といった多様な事例に対応した看護過程の展開手順を確認できる
  • アセスメント、関連図の作成、看護計画の立案、評価という看護過程の一連のステップを、根拠とセットで記述する方法を習得できる
  • 無痛分娩(産褥期)の看護過程を、2版で新たに追加された事例を通じて具体的に学べる
  • 妊産婦のメンタルヘルス問題・産褥期の心理的変化(産後うつへの移行を含む)についての看護的視点と支援の枠組みを把握できる
  • 受け持ち期間中に対象者の状態が変化する場面に対応した、適時の情報収集と再アセスメントの考え方を理解できる

ハイライト

  • ウェルネス志向型でのアセスメント,関連図,看護計画の立案,評価といった看護過程の一連を解説し,具体的なケアの解説では根拠を併記.どのように看護過程を展開していくかを理解できる内容となっている(根拠の明示と看護過程の一連という本書の設計上の核心を示す一節。対象読者が実習で何を求めているかと最も直結する)
  • 多くの学生は他領域の看護学で問題焦点型の支援を先に学んでおり,ウェルネス志向型への思考の切り替えに苦慮し,看護過程の展開に時間を要しているのが現状です(本書が解こうとしている学習上の課題を著者自身が明示しており、対象読者の悩みと本書の位置づけが端的に表れている)
  • 第2版はより実践的で,内容も一層充実したものとなりました.具体的には妊産婦のメンタルヘルス問題とその支援,産褥期の心理的変化(産後うつへの移行など),無痛分娩の看護過程(産褥期)などです(改訂第2版で何が追加されたかを著者序文から確認できる箇所。初版からの乗り換えや改訂内容を重視する読者の判断材料)

編集メモ

Qiita言及0件・likes 0件。看護学・医療系書籍はQiitaへの言及が構造的にほぼ発生しない領域。楽天ランキング情報なし。外部シグナルが取得できないためsupplementaryに分類するが、南江堂の看護学実習テキストとして複数版を経て刊行されており養成課程での採用実績が想定される書誌

読む前に押さえておきたいこと

  • 母性看護学の基礎講義を受講済みで、妊産褥期・新生児期の正常経過の概要を把握していること
  • 看護過程の基本的な枠組み(アセスメント→診断→計画→実施→評価のサイクル)について他の看護学領域で一度学んでいること
  • 問題焦点型の看護過程展開を他領域の実習や演習で一度経験していること(ウェルネス型との対比を理解するための前提)

学習のコツ

  • 本書はウェルネス志向型への思考切り替えを主眼としているため、まず問題焦点型との違いを解説した理論的な前段を精読し、視点の違いを言語化してから各事例に入ると展開の理解が速い
  • 事例ごとに提示されているアセスメント・関連図・看護計画のセットを、受け持つ対象者の状態と対照しながら使う。全事例を通読するよりも、実習の受け持ち事例に近いケースを優先して精読する使い方が実習前の効率を高める
  • 根拠の記述は看護計画立案の際の記録用テンプレートとして応用できる。事例の根拠部分を参照しながら自分の受け持ちに当てはまる根拠を書き出す練習を積むと、記録の質が上がりやすい
  • 無痛分娩・産後メンタルヘルス・帝王切開といった2版で拡充された事例領域は、近年の産科実習で学生が受け持つ可能性が高まっている場面に対応しているため、実習前の事前学習で目を通しておくと当日の対応が落ち着く
出版社による内容紹介

母性看護学実習で必要となる知識や,学生がよく受け持つ事例を厳選し,コンパクトにまとめた好評書.ウェルネス志向型でのアセスメント,関連図,看護計画の立案,評価といった看護過程の一連を解説し,具体的なケアの解説では根拠を併記.どのように看護過程を展開していくかを理解できる内容となっている.改訂にあたり,無痛分娩の事例を追加したほか,全体をアップデートした.実習で困った学生の強い味方になる一冊. 【改訂第2版の序文】  母性看護学領域の対象である女性とその家族を取り巻く環境は,近年大きく変化しています.とくに少子化の影響により,学生が母性看護学実習で受け持てる対象者の数は減少し,それにともなって学習の機会も減少してきています.そのため,限られた実習の中で,より一層効果的な学びが求められる状況にあります.しかし筆者は,日々学生の実習をサポートする中で,いくつかの課題を実感しています.  第一の課題は,母性看護学実習では通常,母児を1ユニットとして受け持ちますが,受け持ちの開始から終了までの間に対象者の状態が大きく変化する点です.学生はその変化に対応して,適時に情報収集・的確なアセスメント・看護過程の展開を行う必要があります.  第二の課題は,受け持ち実習であっても,学生が実際にケアや指導を行う場面が減少しつつあることです.結果として,情報収集・アセスメント・ケア計画の立案といった,記録上での看護過程の展開が中心となる傾向があります.母性看護学では,主に健康な妊産婦と新生児およびその家族が対象となるため,対象者の強みを活かす「ウェルネス志向型」の支援が求められます.しかし,多くの学生は他領域の看護学で「問題焦点型」の支援を先に学んでおり,ウェルネス志向型への思考の切り替えに苦慮し,看護過程の展開に時間を要しているのが現状です.  第三の課題は,受け持ちの対象が正常分娩後の母児に限らず,ハイリスクの妊産婦や新生児,帝王切開分娩後の母児,母児分離のケースなど多岐にわたっていることです.このように多様な対象に対応するため,短期間での看護過程の実践は非常に困難な状況にあります.  本書は,初版の内容をアップデートするとともに,新たにニーズ調査を実施し,希望の多かった内容を追加しました.具体的には「妊産婦のメンタルヘルス問題とその支援」,「産褥期の心理的変化(産後うつへの移行など)」,「無痛分娩の看護過程(産褥期)」などです.  これらの追加により,第2版はより実践的で,内容も一層充実したものとなりました.本書を活用し,受け入れてくれた対象者に対し期待に応えることや,学生自身が母性看護学に魅力を感じることができる実習にしてもらいたいと願っております.本書を,学生はもちろん,大学や専門学校の教員や実習指導者にも幅広く活用していただければ幸甚です. 2025年5月 中村幸代

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