ISBN 9784623090297

ビットコイン・スタンダード : お金が変わると世界が変わる

ビットコイン・スタンダード : お金が変わると世界が変わる
刊行
2021-07

概要

貨幣の歴史から健全な通貨制度としてのビットコインを理解する

想定読者

ビットコインの技術的な仕組みではなく、経済・貨幣論の視点からその意義を理解したい読者。法定通貨制度への疑問を持ち始めた社会人・投資家・経済学に関心のある専門職

こんな人には向いていない

  • ビットコインの取引手法や価格分析を求める実務トレーダーには内容が噛み合わない
  • ブロックチェーンの技術実装(コンセンサスアルゴリズム・スマートコントラクト等)を学びたいエンジニアには別書が適切
  • 現代の金融・財政政策を肯定的に評価する立場の読者には前提の異なる議論が多い

読了後にできるようになること

  • 原始貨幣・金属貨幣・法定通貨の歴史的変遷を通じて、健全な通貨の条件を説明できる
  • インフレーションが時間選好・資本蓄積・芸術文化に与える影響を論じられる
  • ビットコインの供給量上限設計と反脆弱性が通貨として持つ意味を説明できる
  • 法定通貨の国家管理がどのように個人の自由と資産を侵食するか、歴史事例から語れる
  • ブロックチェーン技術とビットコインの関係、アルトコインとの違いを整理できる
  • 国際貿易・国際決済における健全な標準価値尺度としてのビットコインの可能性を論じられる

本書のキー概念(章解説)

  • 第 1 章 貨幣とは
  • 第 2 章 原始貨幣
  • 第 3 章 金属貨幣 — 金が選ばれた理由からローマ帝国の興亡まで、通貨の健全性が文明に与える影響を追う歴史章
  • 第 4 章 法定通貨 — ブレトン・ウッズ体制の成立と崩壊が法定通貨時代の原点として詳述される
  • 第 5 章 貨幣と時間選好 — 通貨膨張が貯蓄・資本蓄積・技術革新・芸術文化に連鎖して影響する本書独自の視点
  • 第 6 章 資本主義の情報システム
  • 第 7 章 健全な貨幣と個人の自由 — 政府の貨幣供給管理と戦争・収奪の関係を論じる。著者の主張が最も鮮明な章
  • 第 8 章 デジタル貨幣
  • 第 9 章 デジタルゴールドとしてのビットコイン — 価値貯蔵・個人主権・国際決済・国際標準価値尺度の4軸でビットコインを評価する実践章
  • 第 10 章 ビットコインについてよくある質問 — 51%攻撃・電力消費・スケーラビリティ等の批判論点に対し著者が体系的に反論する章

ハイライト

  • 現在のインフレベースの経済学は過去100年の一潮流にすぎず、政府管理通貨は公衆の富を密かに収奪するシステムだという批判が本書の核心にある(著者の中心的論点を最も端的に示す箇所であり、本書全体の読み方を規定する前提)

外部からの言及

  • 仮想通貨の技術書ではなく『骨太な経済学書』として位置付ける紹介が複数見られる。技術的な書籍と対比する形で、経済哲学・貨幣論の視点からビットコインを学ぶための文献として挙げられている(qiita)

編集メモ

Qiita 検索で本書を直接引用する記事は2件確認(likes 合計 155程度)。仮想通貨botter向けリスト記事と NFTクリエイター向けリスト記事での言及にとどまり、crypto-assets トピックの定番書として繰り返し参照される水準には達していない

読む前に押さえておきたいこと

  • 金本位制・ブレトン・ウッズ体制・フィアット通貨の基礎概念
  • ビットコインの仕組み(UTXO・マイニング・ハッシュ関数)の概略(第8章の前提として)

学習のコツ

  • 第1〜5章が本書の論理的土台。法定通貨批判や時間選好論は現代経済学の常識と逆向きな主張を含むため、批判的に読む姿勢で進むと著者の論拠の精度を検証しやすい
  • 第9章のビットコイン4軸評価(価値貯蔵・個人主権・国際決済・標準価値尺度)は本書の結論部。先に読んで問いを立てた上で第1〜7章を読むと論旨が整理しやすい
  • 第10章はよくある批判への著者の反論集。読書会や議論の場での論点整理ツールとして活用しやすい
  • 本書はビットコインへの支持を前提に書かれている。中立的な比較検討のためには法定通貨擁護側の論点(ポール・クルーグマン等)と並行して読むと視野が広がる
出版社による内容紹介

世界中で読まれているビットコインの基本書、待望の邦訳。資本主義化の政府債務状態にあって、個人の資産が国家と紐づいている現状は果たして健全といえるだろうか? ビットコインが提案する「健全な通貨制度」の理想を達成することで、個人と社会の関係性、資本蓄積の方法、交易のありかたはどう変化しうるのか。貨幣を通して人類の未来を問う。 はじめに 企画者序文 第1章 貨幣とは 第2章 原始貨幣 第3章 金属貨幣    金が選ばれた理由    ローマの興隆と衰退    東ローマ帝国とベザント金貨    ルネッサンス    ベル・エポック 第4章 法定通貨    貨幣的国家主義と自由世界の終焉    世界大戦間の時代    第二次世界大戦とブレトン・ウッズ体制    法定通貨の功罪 第5章 貨幣と時間選好    通貨膨張    貯蓄と資本蓄積    技術革新ーー“Zero to One(発明)”対“One to Many(最適化)”    芸術の興隆 第6章 資本主義の情報システム    資本市場社会主義    景気循環と金融危機    国際貿易の健全な基礎 第7章 健全な貨幣と個人の自由    政府は貨幣供給を管理すべきか?    不健全な貨幣と終わりのない戦争    有限の政府と全能の政府    横領 第8章 デジタル貨幣    デジタルキャッシュとしてのビットコイン    供給量,価値,取引    付録 第9章 デジタルゴールドとしてのビットコイン    価値貯蔵手段    個人主権    国際決済    国際標準価値尺度 第10章 ビットコインについてよくある質問    ビットコインマイニングは電力の無駄?    ビットコインがこれまでも,これからも変わらない理由    ビットコインの反脆弱性とは?    ビットコインはスケールできない?    ビットコインは犯罪を助長する?    ビットコインを破壊する方法    ハッキング    51%攻撃    ハードウェアのバックドア    インターネット,通信インフラへの攻撃    ノード運営費の上昇とノード数の減少    ハッシュ関数 SHA-256 が破られる    健全な貨幣への回帰    アルトコイン    ビットコイン技術    ブロックチェーン技術の採用が模索されている事例    ブロックチェーン技術の課題    デジタルキャッシュ発行システムとしてのブロックチェーン 謝辞 訳者あとがき 索引

この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。

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