ISBN 9784754931568
アフロ・カリビアン・ピアノの探求 101モントゥーノ : 2CD付
概要
クラーヴェの原理からサルサ・ラテンジャズまでアフロ・カリビアン・ピアノを体系的に習得する
想定読者
ラテン音楽・アフロカリビアン系スタイルをピアノで演奏したいミュージシャン。ジャズやポップスの経験があり、より深いリズム理論と地域固有のスタイルを身につけたい中〜上級者。
こんな人には向いていない
- ピアノ初心者や楽譜読解が未定着の段階では、リズム概念の密度についていくのが難しい
- 特定スタイル(サルサのみ、キューバン・ソンのみ)の曲集として使いたい場合は、汎用スタイル解説の比重が大きく感じられる
- 楽典・和声の基礎知識が乏しい場合、ハーモニック・アプローチやアッパー・ストラクチャーを扱うPart 5が難解になる
読了後にできるようになること
- クラーヴェ(ソン・クラーヴェ/ルンバ・クラーヴェ)の機能とリズミック・デザインへの応用を理解できる
- ダンソン・トローバ・ルンバ・ソン・マンボ・チャ・チャ・チャ等、1840年代から1950年代のキューバ音楽の歴史的スタイルを演奏に活かせる
- サルサ(イースト/ウェスト・コースト)とラテン・ジャズのモントゥーノ・パターンを用途に応じて使い分けられる
- メレンゲ・バチャータ・ブレナ・ボンバなどドミニカ・プエルトリコ・コロンビア系スタイルの固有パターンを把握できる
- アッパー・ストラクチャー・クォータル・ハーモニーなど現代的なコード語法をラテン文脈で適用できる
- 2CD付の演奏例を参照しながら、101種のモントゥーノ・パターンを実践的に練習できる
本書のキー概念(章解説)
- 第 1 章 クラーヴェについて — 本書全体の土台。ソン・クラーヴェとルンバ・クラーヴェの違い、クラーヴェのインとアウトを先に把握しておくと後続パートの理解が格段に上がる
- 第 2 章 アフロ・カリビアン・ピアノの黎明(1840年代〜1950年代) — キューバン・ダンソンからソン・モントゥーノまでの歴史的展開。101パターンの約半数がここに集中しており、演奏者としての語彙を広げる核心
- 第 3 章 ソンからサルサへ、ラテン・ジャズおよびソンゴ(1960年代〜1980年代) — サルサ・スタイルのモントゥーノとラテン・ジャズのハーモニック/リズミック・アプローチを扱う実践章。現代の現場で即使えるパターンが密集している
- 第 4 章 その他のカリビアン・スタイル — サント・ドミンゴ(メレンゲ・バチャータ)、プエルトリコ(ブレナ・ボンバ)、コロンビア・ヴェネズエラを横断的に解説。キューバ以外の語彙を補強したい場合に参照
- 第 5 章 90年代、そしてそれ以降 — オルタード・コード・アッパー・ストラクチャー・ビート・ディスプレイスメントを扱うアドバンスト章。ラテン・ジャズをモダンな語法で演奏したい段階で活用する
ハイライト
- ソン・クラーヴェ、ルンバ・クラーヴェ、クラーヴェのインとアウト、クラーヴェをジャンプさせる――リズミック・デザイン・メロディック・シェイプ・ハーモニック・ストラクチャーの三軸でクラーヴェの機能を解説する(本書の最大の特徴である『クラーヴェを演奏語彙として内面化する』アプローチが端的に示されている箇所)
- サルサ、それともソン?――イースト・コースト・サウンド、ウェスト・コースト・サウンド、ニューヨーク・モザンビーケ、サルサ・ロマンティカと地域ごとに演奏スタイルを分類・解説(「サルサ」を一括りにせず地理的・時代的に細分化している点が、他の入門書との差別化として顕著)
- Part 5ではアルペジオ・コンピング・ビート・ディスプレイスメント・2台のキーボードでのグルーヴといったコンテンポラリーなアプローチまでカバーし、90年代以降のラテン・ジャズ語法を体系化(歴史書にとどまらず現代的演奏技法まで射程に入れていることを示す箇所)
編集メモ
Qiita言及 0件 / 累計likes 0。入力データに外部シグナルなし。楽器演奏教則本のジャンルはQiitaでの言及が構造的に少なく、シグナル不足によりsupplementaryを付与。書誌内容の専門性は高い
読む前に押さえておきたいこと
- ピアノで基本的な和音(トライアド・セブンスコード)を押さえられる実践的な演奏スキル
- 楽譜読解の基礎(リズム記譜・コード表記を音として再現できること)
- ポップス・ジャズ等での鍵盤経験があると、スタイル比較の文脈が理解しやすい
学習のコツ
- Part 1(クラーヴェ)を十分に理解してからPart 2以降に進むことを強く推奨する。クラーヴェのインとアウトが曖昧なまま個別パターンを覚えても、実演時に選択肢が固定されてしまう
- 2CDの音源を先に聴いて耳でスタイルを把握し、後から譜例を読む順序が定着しやすい。特にPart 3のサルサとラテン・ジャズは音と譜面を往復させながら学ぶ効果が大きい
- Part 4(その他のカリビアン・スタイル)は独立して参照できる。キューバ以外の文脈で演奏する機会があればそのスタイルの章だけ先に読む使い方も有効
- Appendixのインデペンデント・エクササイズは、各パートで学んだリズムを統合する場として最後に取り組むと効果が高い
出版社による内容紹介
1:【もくじ】 2:謝辞 3:写真クレジット 4:著者について (Rebecca Mauleon=Santana) 5:はじめに 6:CDトラック・リスト 7:■【Part 1】クラーヴェについて 8:一般的なクラーヴェ・パターン 9:8分の6クラーヴェ、クラーヴェ・カンペシーナ、リズモ・デ・タンゴ、シンキージョ、 10:トレシージョ、ソン・クラーヴェ、ルンバ・クラーヴェ 11:クラーヴェのファンクション(機能) 12:リズミック・デザイン、メロディック・シェイプ、ハーモニック・ストラクチャー 13:クラーヴェのインとアウト 14:クラーヴェをジャンプさせる 15:クラーヴェの概念的側面 16:■【Part 2】アフロ・カリビアン・ピアノの黎明 (1840年代〜1950年代) 17:キューバン・ダンソンとその先祖たち 18:トローバ 19:ルンバとその他の民俗音楽におけるスタイル 20:キューバン・ソン 21:ベーシック・ソン・パターン 22:ソン・モントゥーノと他とのハイブリッド(異種混合) 23:一般的なハーモニック・プログレッション 24:その他のヴァリエーション 25:ソロ・トランスクリプション 26:その他の音楽スタイル 27:アフロ、グアヒラ、グアラチャ、マンボ、チャ・チャ・チャ 28:パチャンガ、ボレロ、フィーリング、デスカルガと初期のキューバン・ジャズ 29:■【Part 3】ソンからサルサへ、ラテン・ジャズおよびソンゴ (1960年代〜1980年代) 30:サルサ、それともソン? 31:イースト・コースト・サウンド 32:チャランガとパチャンガ 33:ラテン・ブガルー(またはラテン・ソウル) 34:ニューヨーク・モザンビーケ 35:サルサの誕生 36:サルサ・スタイルのモントゥーノ 37:サルサ・ロマンティカ 38:ラテン・ジャズ 39:ハーモニック・アプローチ 40:リズミック・アプローチ 41:8分の6での演奏 42:ワワンコ 43:ウェスト・コースト・サウンド 44:キューバ 45:フィーリングとヌエバ・トローバ 46:バイロン 47:モザンビーケ 48:ソンゴ 49:キューバン・ジャズ 50:■【Part 4】その他のカリビアン・スタイル 51:サント・ドミンゴ 52:メレンゲのピアノ・パターン 53:バチャータ 54:プエルトリコ 55:ムシカ・ヒバーラ 56:ブレナとボンバ 57:ピアノのボンバおよびブレナ・パターン 58:コロンビアおよびヴェネズエラ 59:■【Part 5】90年代、そしてそれ以降 60:ハーモニーの拡張 61:オルタード・コード 62:アッパー・ストラクチャー 63:クォータル・ハーモニー 64:サス・コードとポリ・コード 65:リズムの探求 66:アルペジオ 67:コンピング 68:ビート・ディスプレイスメント 69:コンテンポラリー・モントゥーノ 70:2台のキーボードでのグルーヴ 71:■【Appendix】インデペンデント・エクササイズ 72:参考図書
この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。