ISBN 9784758120944
はじめの一歩の薬理学 第2版
- 著者
- 石井 邦雄/坂本 謙司
- 出版社
- 羊土社
- 刊行
- 2020-01
概要
薬が体に作用する仕組みを臓器系別に体系的に理解する
想定読者
医学部・薬学部・看護学部の学生および薬理学を基礎から学び直したい医療従事者。特に国家試験対策として薬理学全体の俯瞰図を必要としている学習者
こんな人には向いていない
- 薬理学の知識がすでにあり臨床薬理の深い議論(薬物動態の数理モデルや個別薬剤の最新エビデンス)を求める実務経験者には内容が基礎寄りすぎる
- 特定の薬剤カテゴリだけを集中的に学びたい読者には、14章にわたる網羅的な構成は効率が低い
- 英語文献や海外の薬理学教科書(Goodman & Gilman等)で学ぶことを前提とした研究者志望者には、本書の記述粒度は出発点として使いにくい
読了後にできるようになること
- 受容体作動薬・拮抗薬の基本概念と用量反応曲線の読み方を説明できる
- 自律神経系(交感・副交感)の各受容体サブタイプと、それに作用する薬の分類を整理できる
- 主要な中枢神経疾患(統合失調症・うつ病・パーキンソン病・てんかん)の治療薬と作用点を対応づけられる
- 循環系疾患(心不全・不整脈・高血圧)の薬物療法の選択根拠を機序から説明できる
- 抗菌薬の作用機序(細胞壁合成阻害・タンパク質合成阻害・核酸合成阻害)を分類ごとに整理できる
- 抗癌薬(殺細胞性・ホルモン療法・分子標的薬)の各カテゴリの違いと使われる文脈を把握できる
本書のキー概念(章解説)
- 第 1 章 薬理学総論 — 受容体・用量反応など薬理学全体の基盤概念。全章を通じての土台となるため最初に丁寧に読む価値がある
- 第 2 章 自律神経系に作用する薬 — 国家試験頻出領域。交感・副交感の受容体サブタイプと薬の対応を図として整理しながら進めるとよい
- 第 3 章 体性神経系に作用する薬 — 局所麻酔薬と神経筋遮断薬の2テーマに絞られており比較的コンパクト
- 第 4 章 中枢神経系に作用する薬 — 疾患別に治療薬を整理する構成。統合失調症・気分障害・てんかん・認知症が並列で俯瞰できる
- 第 5 章 循環系に作用する薬 — 心不全・不整脈・高血圧の薬物療法を機序から整理できる実務直結度の高い章
- 第 6 章 消化器系に作用する薬
- 第 7 章 呼吸器系に作用する薬 — 気管支喘息治療薬の章は臨床での遭遇頻度が高く、β刺激薬・吸入ステロイドの使い分けを確認できる
- 第 8 章 利尿薬と泌尿器・生殖器系に作用する薬 — 腎機能の解剖生理を先に押さえてから読むと利尿薬の分類が整理しやすい
- 第 9 章 血液に作用する薬 — 止血と線溶の機序セットで理解すると抗凝固薬の選択論理が見えてくる
- 第 10 章 代謝性疾患とその治療薬 — 糖尿病・脂質異常症・痛風・骨粗鬆症を一括俯瞰できる構成
- 第 11 章 抗炎症薬・抗リウマチ薬・抗アレルギー薬 — NSAIDs とステロイドの使い分けを機序から理解するうえで有用
- 第 12 章 感覚器に作用する薬 — 第2版で独立した章。眼科・耳鼻科・皮膚科の薬を1か所でまとめて確認できる
- 第 13 章 感染症治療薬 — 作用機序別の分類(細胞壁合成阻害/タンパク質合成阻害/核酸合成阻害)で整理されており体系的な理解に向く
- 第 14 章 抗癌薬 — 第2版で独立強化された章。殺細胞性・ホルモン療法・分子標的薬の三分類が明確に示される
ハイライト
- 身近な薬が『どうして効くのか』を丁寧に解説した薬理定番テキスト。カラーイラストで捉える機序は記憶に残ると評判(本書の価値提案が最も端的に示されている出版社紹介文。機序をイラストで可視化するアプローチの独自性を示す)
- 第2版では『感覚器』『感染症』『抗癌剤』など独立・整理し、医療の現場とよりリンクさせやすくなりました(改訂の実質的な変更点。臨床との接続を意識した章立て変更が第2版の主な改良点であることを示す)
編集メモ
Qiita記事での言及は確認できず(記事数0件)、楽天ランキングデータも入力なし。書誌情報と出版社ページのみを根拠とするため、シグナル不足でsupplementaryと判定
読む前に押さえておきたいこと
- 生理学の基礎(臓器系ごとの機能と調節機構の概要)
- 解剖学の基礎(各臓器の構造と神経支配の概略)
- 有機化学の初歩(受容体・酵素・イオンチャネルといった分子レベルの概念を理解するための土台)
学習のコツ
- 1章(薬理学総論)で受容体と用量反応曲線の概念を固めてから各論章に進む。総論の理解が薄いまま各論を読むと暗記量が増えるだけになる
- 2章(自律神経系)は全章で最もカバー範囲が広く国家試験の出題頻度も高い。交感・副交感×受容体サブタイプの対応表を自分で作りながら読み進めると定着しやすい
- 5章(循環系)と13章(感染症)は臨床実習や業務で遭遇頻度が高いため、早い段階で読み直す価値がある
- カラーイラストが本書の主要な価値のひとつ。デジタル版より紙版で読む方が図と本文を同時に参照しやすい学習体験になる
- 章末に記載されている疾患の病態生理は、薬の作用機序を理解する前提として先に確認しておくとスムーズ
出版社による内容紹介
身近な薬が「どうして効くのか」を丁寧に解説した薬理定番テキスト.カラーイラストで捉える機序は記憶に残ると評判.「感覚器」「感染症」「抗癌剤」など独立・整理し,医療の現場とよりリンクさせやすくなりました 1章 薬理学総論 薬理学の基本 薬はどのように作用するのか:受容体作用薬を例にして 薬の作用の解析 2章 自律神経系に作用する薬 神経系の構造と機能 自律神経系とは 交感神経系と薬 副交感神経系と薬 3章 体性神経系に作用する薬 局所麻酔薬 神経筋遮断薬 4章 中枢神経系に作用する薬 中枢神経系とは 中枢神経系の生理活性物質(神経伝達物質・神経調節物質) 統合失調症の治療薬(抗精神病薬) 気分障害の治療薬 睡眠薬 抗不安薬 抗てんかん薬 パーキンソン病治療薬 認知症治療薬 全身麻酔薬 鎮痛薬 5章 循環系に作用する薬 心臓の構造と機能 血管系の構造と機能 心不全治療薬 不整脈の治療薬 虚血性心疾患の治療薬 高血圧症の治療薬 6章 消化器系に作用する薬 消化器系の機能調節 胃・腸の疾患と治療薬 肝臓・胆嚢・膵臓の疾患と治療薬 7章 呼吸器系に作用する薬 呼吸の調節機構 気道の生体防御機構 呼吸興奮薬 鎮咳薬 去痰薬 気管支喘息治療薬 8章 利尿薬と泌尿器・生殖器系に作用する薬 腎臓の機能 利尿薬 泌尿器・生殖器作用薬 9章 血液に作用する薬 止血のメカニズム 血栓溶解のメカニズム 血液凝固系または線溶系の異常に用いられる薬 貧血とその治療薬 10章 代謝性疾患とその治療薬 糖尿病 脂質異常症 痛風・高尿酸血症 骨粗鬆症 11章 抗炎症薬・抗リウマチ薬・抗アレルギー薬 炎症と炎症性物質 抗炎症薬 抗リウマチ薬 抗アレルギー薬 12章 感覚器に作用する薬 目の疾患とその治療薬 耳の疾患とその治療薬 皮膚の疾患とその治療薬 13章 感染症治療薬 感染症治療薬概論 細胞壁合成阻害薬 タンパク質合成阻害薬 核酸合成の抑制 細胞膜の機能障害 その他の感染症治療薬 14章 抗癌薬 抗癌薬概論 殺細胞性抗癌薬 ホルモン療法薬 分子標的薬 その他の抗癌薬 抗癌薬投与時の支持療法
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