ISBN 9784760826766
自立活動の視点に基づく 高校通級指導プログラム : 認知行動療法を活用した特別支援教育
概要
認知行動療法を軸に高校通級指導の実践プログラムを体系化する
想定読者
高校で通級による指導を担当する教員・特別支援コーディネーター、および特別支援教育に認知行動療法を取り入れたい支援者
こんな人には向いていない
- 小学校・中学校段階の通級指導を対象とする支援者(高校特有の制度・ニーズに特化した構成であるため)
- 認知行動療法の理論を深く学びたい臨床心理士・研究者(実践プログラムの活用が主眼であり、CBT理論の網羅的解説は行っていない)
- すでに高校通級の実践経験が豊富で独自プログラムを確立している教員(本書のワークシート群は制度導入期の標準化を意図しており、既存実践の補強には物足りない場面がある)
読了後にできるようになること
- 高校における通級による指導の制度的位置づけと、小中との制度差を整理できる
- 認知行動療法の基本概念(行動の機能分析・随伴性・強化の仕組み)を特別支援教育の文脈で適用できる
- 自立活動の6区分(健康の保持・心理的安定・人間関係の形成・環境の把握・身体の動き・コミュニケーション)に対応した指導目標を立案できる
- 生徒の特性に応じて17本のプログラムモジュールを選択・組み合わせて個別の指導計画を構成できる
- ワークシートを用いた視覚支援の授業設計と、日常生活への般化を促す指導のポイントを習得できる
- 通級で得たスキルを在籍学級・社会生活に転移させるための連携・フォローアップ手法を理解できる
本書のキー概念(章解説)
- 第 1 章 高校における通級による指導のポイント — 制度の背景・対象生徒のニーズ把握から評価までの留意点を整理しており、担当初年度の教員が最初に読むべき章
- 第 2 章 特別支援教育における認知行動療法 — CBTの基礎理論と特別支援教育への接続を解説。臨床経験のない教員でも実践に入る前に読んでおきたい理論的背景
- 第 3 章 高校通級指導プログラムの構成と活用のしかた — 17本のモジュールをどう選択・組み合わせるかの設計図。個別の指導計画作成時に繰り返し参照する章
- 第 4 章 高校通級指導プログラム(全17モジュール) — ストレス対処・コミュニケーション・自己理解・行動分析など多様な場面を網羅。生徒の実態に応じて選択して使う
- 第 5 章 実践を有効なものにするために — 般化・ポジティブな場の設定・未来志向の3ポイントを解説。プログラム終了後の継続支援に役立つ
ハイライト
- 学習指導要領に示される『自立活動の6区分』に即して、高校生活だけでなく社会に出てからも通用するスキルや知識が学べる。視覚情報を中心としたワークシートを併用して、理解と定着を深める。(本書の設計思想が端的に示されている。在学中の指導に留まらず卒業後の社会参加を見据えている点が他書と異なる)
編集メモ
Qiita記事での言及なし(qiita_article_count=0)、楽天ランキング情報なし。外部シグナルが取得できない状態のため supplementary と判定。金子書房は特別支援教育の専門出版社であり、本書は高校通級という制度整備後に登場した実践書として専門的位置づけにある
読む前に押さえておきたいこと
- 高校における通級による指導制度の基本的な仕組み(2018年告示の学習指導要領改訂で制度化された経緯を知っておくと第1章の理解が深まる)
- 特別支援教育の基礎概念(個別の教育支援計画・個別の指導計画の違いと作成経験があると実践編の読み方が変わる)
- 行動観察の基本的なスキル(ABC分析の枠組みを知らない場合は第2章の前に入門書を1冊読むと理解が速い)
学習のコツ
- 第3章の『生徒の特徴に応じたプログラムの選択』を先読みし、担当生徒の実態と照合してから各モジュールを選ぶと、第4章の活用効率が高まる
- 第2章のCBT理論は通読より辞書引き的に使うほうが実務的。プログラム実施中に行動の機能分析が難しくなった時点で戻るサイクルが現場に合う
- ワークシートは生徒と一緒に記入することを前提に設計されているため、教員が先に自分で試してみると支援の見立てが精度を増す
- 第5章の『通級指導はポジティブな場所!』という方針は、在籍学級担任との情報共有の際にも共通認識として伝えると連携がスムーズになる
出版社による内容紹介
学習指導要領に示される「自立活動の6区分」に即して、高校生活だけでなく社会に出てからも通用するスキルや知識が学べる。視覚情報を中心としたワークシートを併用して、理解と定着を深める。 はじめに 1 高校における通級による指導のポイント 1.高校における通級による指導に向けた動向 2.本書を読むための「通級による指導」に関する確認 3.「通級による指導」の大前提 4.対象生徒のニーズ把握から評価までの留意点 5.高校における通級による指導の課題 2 特別支援教育における認知行動療法 1.認知行動療法とは 2.行動の「機能」に着目する 3.認知行動療法の効果は「あと」から決まる? 4.認知行動療法を特別支援教育に活用する 5.「行動」に着目するメリット 6.認知行動療法と特別支援教育の今後の発展 3 高校通級指導プログラムの構成と活用のしかた 1.プログラムの構成 2.プログラムの活用のしかた 3.生徒の特徴に応じたプログラムの選択 4.本書の発展的活用 5.高校での通級指導が目指す「ゴール」 4 高校通級指導プログラム ●プログラムの使い方 01 ちょっと先の未来図 02 リラックスしよう 03 自分の特徴を知ろう 04 ストレスとうまく付き合おう 05 行動のメリット 06 適切な距離感 07 コミュニケーションのコツ 08 相談できる人・場所を見つけよう 09 ベストのパフォーマンスをするには 10 約束を守るためのコツ 11 あいつが悪い!? 私はダメなやつ!? 12 イライラしたとき,どうする!? 13 コミュニケーションのコツ 14 整理整頓でスッキリ 15 うまくいかない行動を分析して解決 16 自分の「取り扱い説明書(トリセツ)」を作ろう 17 1年前の自分と今の自分 5 実践を有効なものにするために ポイント1.通級指導で得た知能やスキルを日常生活に活かそう ポイント2.通級指導はポジティブな場所! ポイント3.過去ではなく,未来に目を向けよう さいごに おわりに
この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。