ISBN 9784798153346

カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで

カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
出版社
翔泳社
刊行
2018-02

概要

1人から始める業務改善を越境するチーム変革へと育てる実践

想定読者

SIerや大企業の現場でアジャイル・スクラムを導入したいが権限もサポートもない状態から一歩踏み出したいエンジニアおよびチームリーダー。役職に関係なく改善を始めようとする当事者意識の高い人

こんな人には向いていない

  • スクラムやカンバンの理論を体系的・網羅的に習得したい人には、実践ストーリー形式ゆえにフレームワークの定義が散在しており、体系書として使うには別書が必要
  • すでにアジャイルチームを自律運営しており、組織横断の変革管理(OKR・ポートフォリオカンバン等)を深めたい上級者には基礎寄りの内容が多い
  • クライアント対応のない社内プロダクト開発チームには、SIer固有の外圧(無理難題・検収・多重下請け構造)の描写が半分以上を占めるため刺さりにくい箇所がある

読了後にできるようになること

  • タスクボードとふりかえりを1人でも開始できる最小単位の運用パターンを身につける
  • カンバン・ユーザーストーリーマッピング・仮説キャンバスを用いて、チームの仕事の可視化と優先順位付けができるようになる
  • ファイブフィンガー・期待マネジメント・リーダーズインテグレーションなど、チームの心理的安全性を高めるプラクティスを選択・適用できる
  • バリューストリームマッピングで業務の流れを可視化し、ボトルネックを特定する考え方を習得する
  • モブプログラミングを通じた知識共有とチームの一体感醸成の進め方を学ぶ
  • アジャイルをトップダウン指示なしで広げるために、周囲を巻き込む越境の論理と実践手順を言語化できる

本書のキー概念(章解説)

  • 第 1 章 第1部: 一人から始める — 第1話から第8話。タスクボード・ふりかえり・カンバンを個人で試す最小の出発点。読者が最初に実践できる内容が集中しており、ここだけでも現場に持ち帰れる
  • 第 2 章 第2部: チームで強くなる — 第9話から第19話。ユーザーストーリーマッピング・モブプログラミング・期待マネジメント等、チームスケールのプラクティスへ発展する。第1部実践後に読むと文脈が繋がりやすい
  • 第 3 章 第3部: みんなを巻き込む — 第20話以降。リーダーズインテグレーション・仮説キャンバス・バリューストリームマッピングでクライアントや経営層を巻き込む越境の実践。組織変革に関わる立場には特に参照価値がある

ハイライト

  • タスクボードや『ふりかえり』などを1人で地道に続けていると、同僚が興味を示したため、今度は2人でカイゼンに取り組んでいく。ここから、チームやクライアントを巻き込んだ、現場の改革がはじまる。(1人から徐々に広がる越境のプロセスが最もリアルに描かれている箇所。読者が自分の現場に重ねやすい)
  • 良い問いは人を立ち返らせてくれます。読者のみなさんにとっての良い問いと出会えるよう、江島同様、自分がいる場所から外に出て、いろいろと見聞きしてみてください。(著者が本書の目的を端的に示した後書きの言葉。技術的ノウハウよりも問いかけとしての側面を明示している)
  • 日本のSIer向けのアジャイル開発・スクラム手法の取り組み方。なかなか改善できない環境のあなたに。(SIer現場特有の制約環境を前提に置いた紹介文。対象読者のリアリティを最も端的に示している)

外部からの言及

  • SIerや旧来型組織でアジャイルを始めたいエンジニア向けの推薦書として繰り返し登場する。なかなか改善できない環境にいる人への実践ガイドとして、大規模読書ガイド記事の中で独自のポジションを占めている(qiita)
  • アジャイル導入エピソードがわかりやすく描かれており、チーム導入時のポイントと知識を同時に理解できるとして、エンジニアの技術習熟ロードマップに組み込まれている(qiita)
  • 本書中のファイブフィンガーなどのプラクティスが現場でそのまま応用・改変されている事例が報告されており、読後に実際のチーム運営へ直接移植された形跡がある(qiita)
  • 専用の書評記事では、越境という概念がエンジニアの境界を超えた貢献を促すものとして評価されており、経験の浅いアジャイル実践者よりも組織の壁を感じている中堅エンジニアに特に刺さるとの指摘がある(qiita)

編集メモ

Qiita確認7件(likes合計2916)。うち1493likesのSIer新人ノウハウ集と1324likesのエンジニア読書リストで明示的に推薦されており、アジャイル入門書カテゴリの中で日本SIer文脈の代表書として繰り返し位置づけられている。2018年刊行から2025年まで継続的な新規言及がある

読む前に押さえておきたいこと

  • アジャイル・スクラムの用語(スプリント・バックログ・ふりかえり等)を事前に知っている必要はないが、自分のチームや現場に何か課題を感じている実務経験があること
  • SIerや多重下請け構造の経験がなくても読めるが、そのような環境にいる読者ほど物語への没入度が高い

学習のコツ

  • 第1部は読みながら即実践する。タスクボードとふりかえりは1人から始められるので、読み進めながら翌日の業務に試すと本書の実感が早まる
  • ストーリー形式のためプラクティス名が本文中に散在する。巻末の索引やプラクティス一覧を先に眺めてから本文を読むと、各話でどのプラクティスが登場しているかを追いやすい
  • 第3部(越境の実践)はすぐに使える段階でなくても一読しておくと、チームが成長したときに何を目指せばよいかのイメージが持てる。最初の読み通しで理解が浅くても問題ない
  • 同僚や上司への説得材料として使う場合、第2部の期待マネジメントとリーダーズインテグレーションの話(第20〜21話付近)を先に読み、相手の関心に合った話から紹介するほうが刺さりやすい
出版社による内容紹介

「日本の現場」に寄り添った、アジャイル開発の実践! 現場のストーリーで、開発の神髄を学ぼう 【本書の特徴】 ・現場のストーリーから、考え方とプラクティスを一緒に学べる ・1人でも始められる業務改善の手法から、チームマネジメントの手法まで解説 ・日本の現場を前提にしているので、実践しやすい ・アジャイルをこれから始める人だけでなく、もっとうまく実践したい人にも最適 【本書に登場するプラクティス】 モブプログラミング / バリューストリームマッピング / ユーザーストーリーマッピング / 仮説キャンバス / ハンガーフライト / カンバン / 期待マネジメント / リーダーズインテグレーション / ファイブフィンガーなど 【あらすじ】 ITエンジニアとしてSIer企業に勤務する江島は、 問題だらけのプロジェクト、やる気のない社員たちに嫌気が差していた。 そんな中、ある開発者向けイベントに参加したことがきっかけで、 まずは自分の仕事から見直していこうと考える。 タスクボードや「ふりかえり」などを1人で地道に続けていると、 同僚が興味を示したため、今度は2人でカイゼンに取り組んでいく。 ここから、チームやクライアントを巻き込んだ、現場の改革がはじまる。 チーム内の軋轢、クライアントの無理難題、迫りくるローンチ…… さまざまな困難を乗り越え、江島がたどり着いた「越境する開発」とは。 【筆者コメント(「あとがき」より)】 良い問いは人を立ち返らせてくれます。 そのような問いは人によって異なるでしょう。 読者のみなさんにとっての良い問いと出会えるよう、 江島(本書の主人公)同様、自分がいる場所から外に出て、 いろいろと見聞きしてみてください。 もちろんこの本があなたにとっての 良い問いになることを願っています。 【目次(抜粋)】 ●第1部 一人から始める ・第1話 会社を出ていく前にやっておくべきこと ・第2話 自分から始める ・第3話 一人で始めるふりかえり etc ●第2部 チームで強くなる ・第9話 一人からチームへ ・第10話 完成の基準をチームで合わせる ・第11話 チームの向かうべき先を見据える etc ●第3部 みんなを巻き込む ・第20話 新しいリーダーと、期待マネジメント ・第21話 外からきたメンバーと、計画づくり etc

この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。

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