ISBN 9784798154053

人工知能システムのプロジェクトがわかる本 企画・開発から運用・保守まで

人工知能システムのプロジェクトがわかる本 企画・開発から運用・保守まで
著者
本橋 洋介
出版社
翔泳社
刊行
2018-02

概要

AIシステム開発プロジェクトを企画から運用・保守まで体系的に進める

想定読者

社内にAIを導入するプロジェクトマネージャーや、AIシステム開発に初めて携わるシステムエンジニア。通常のシステム開発経験はあるが、AIプロジェクト特有のフェーズ管理・トライアル設計に不慣れな人。

こんな人には向いていない

  • 機械学習アルゴリズムの数学的な仕組みや実装コードを学びたい人には内容が合わない。本書はモデル構築技術ではなくプロジェクト管理プロセスに焦点を当てている
  • すでにAIシステムの本番運用経験を複数プロジェクト持つ上級PMには、基礎的な説明の比重が大きく感じられる可能性がある
  • アジャイル・反復開発を前提とした現代的なMLOpsフローを求める読者には、ウォーターフォール寄りのプロセス記述が主軸となっている点で齟齬が生じやすい

読了後にできるようになること

  • 通常のシステム開発とAIシステム開発でプロセスがどう異なるかを、フェーズ別に整理して説明できる
  • AIプロジェクトの企画書・開発計画書・トライアル分析提案書の構成要素を理解し、実際に作成できる
  • トライアルフェーズで精度評価・解釈性評価・過学習度合いの評価をどう設計・実施するかを把握できる
  • 学習データ不足・異常値処理・自動再学習など、AI固有の要件定義上の意思決定ポイントを列挙できる
  • 運用フェーズでAIモデルを『見守る・育てる・人と協調させる』という保守観点を体系として持てる

本書のキー概念(章解説)

  • 第 1 章 実用化されつつある人工知能 — AI定義・歴史・用途の整理。AI未経験のステークホルダー説得資料を作る際の語彙基盤として活用できる
  • 第 2 章 通常のシステムと人工知能システムの開発プロセスの違い — 本書の核心。既存SIerのPMが最初に読むべき章
  • 第 3 章 人工知能システムの企画 — 目的設定・データ選び・運用方針の検討まで網羅。企画フェーズのチェックリストとして使える
  • 第 4 章 人工知能プロジェクトのトライアル — 精度・解釈性・過学習度合いの評価を5段階で解説。トライアル設計の骨格として参照価値が高い
  • 第 5 章 人工知能システムの開発 — 要件定義6工程が具体的。学習データ不足時の対応方法など実務課題への対処法を含む
  • 第 6 章 人工知能システムの運用・保守 — 自動再学習・忘却・新知識追加という運用の3軸が整理されており、長期運用計画の立案に直結する

ハイライト

  • 人工知能が搭載されたシステムの開発で行うことを体系的に理解しなければなりません。本書では企画から運用までの一連のプロセスのノウハウを解説します。(本書がプロセス全体の体系化を目的としていることを最も端的に示す記述)
  • 人工知能を見守る・人工知能を育てる・人工知能と人の協調。運用保守フェーズの3つの観点。(AI運用保守の独自フレームワークを示す箇所。通常のシステム保守との違いが最も明確に現れている)

外部からの言及

  • 初めてAIプロジェクトに携わるエンジニアが読むと、プロジェクトの全体像がつかみやすいという評価がある。特にトライアルフェーズでの検証プロセスの可視化と、AIの判定結果を最終的に人間が評価しなければならないという運用上の洞察が実務的だとされている(blog)
  • ウォーターフォール寄りのプロセス記述が主体であり、出版から数年が経過した現在のアジャイルAI開発やMLOps潮流との乖離を指摘する声も存在する(other)

編集メモ

Qiita検索でISBN直接引用ゼロ件、書名引用は0いいねの感想記事1件のみ確認。Rakutanランキング情報なし。シグナル量が少なく、supplementaryとする。2018年刊行でMLOpsやアジャイルAI開発が主流となった現在は補完的な位置づけ

読む前に押さえておきたいこと

  • ウォーターフォール型またはV字モデルによる通常のシステム開発プロジェクトへの参画経験
  • 機械学習の概念的な理解(教師あり学習・分類・回帰の区別程度)。数式の知識は不要
  • 要件定義書・設計書・WBSといったSIer標準的な成果物の読み書き経験

学習のコツ

  • Chapter 2から読み始めると、通常システムとの違いが早期に掴める。Chapter 1のAI基礎史は状況に応じて後回しにしてよい
  • 付録の成果物テンプレート(提案依頼書・WBS・機能要件定義書など)は、実プロジェクトのドキュメント雛形として直接流用できる。本文を読みながら対応する付録を参照すると定着が早い
  • Chapter 4のトライアル評価5段階(評価指標・精度・解釈性・過学習・ケーススタディ)は、自社トライアル設計のチェックリストとして抜き出して使うと実用度が高い
  • 運用フェーズを担当するメンバーはChapter 6を先に読み、その後Chapter 3・4に戻ると、企画段階から運用を見据えた設計判断の重要性が腑に落ちやすい
出版社による内容紹介

自社システムに人工知能を導入したいときに読む本! 機械学習をはじめとする人工知能への期待は増加していますが、 人工知能が搭載されたシステムを開発するプロジェクトマネージャの数は足りておらず、その数は今後さらに必要になっていきます。 また、大規模システムに人工知能が入るようになっていくと、それを運用・保守する仕事も必要となります。 大規模なシステムになるほど、「開発工程において何をするのか」を規定することが重要であり、 人工知能が搭載されたシステムの開発で行うことを体系的に理解しなければなりません。 本書では、人工知能システムを企画・開発し、運用・保守したい人向けに、 企画から運用までの一連のプロセスのノウハウを解説します。 【本書のポイント】 ・人工知能システムの開発を行うエンジニアやプロマネ向けのノウハウ集 ・人工知能システムの企画書や開発計画書が書けるようになる ・人工知能のトライアルを計画・実施できるようになる ・人工知能システムの開発および運用・保守の一連のプロセスを把握できる Chapter1 実用化されつつある人工知能 人工知能の定義 人工知能の歴史 人工知能の利用用途 認識の具体例 分析の具体例 対処の具体例 Chapter2 通常のシステムと人工知能システムの開発プロセスの違い 人工知能システムの開発プロセス 企画フェーズでの特徴 トライアルフェーズでの特徴 開発フェーズでの特徴 運用・保守フェーズでの特徴 Chapter3 人工知能システムの企画 目的の設定 システム構成の検討 業務フローの作成 データ選び スケジュール検討 運用・保守方針の検討 Chapter4 人工知能プロジェクトのトライアル トライアルのプロセス 分析内容定義 データ観察 モデル設計 データの加工 結果の評価(1)-評価指標の決定 結果の評価(2)-精度の評価 結果の評価(3)-解釈性の評価 結果の評価(4)-過学習度合いの評価 結果の評価(5)-CASE STYDYでの評価例 Chapter5 人工知能システムの開発 開発フェーズのプロセス 要件定義工程(1)-計画作りー 要件定義工程(2)-精度の確認ー 要件定義工程(3)-データ量の決定ー 要件定義工程(4)-更新方法の決定ー 要件定義工程(5)-学習データが少ないときの対応方法 要件定義工程(6)-異常値処理方法の決定 設計工程 テスト工程 Chapter6 人工知能システムの運用・保守 人工知能を見守る 人工知能を育てる(1)-自動再学習ー 人工知能を育てる(2)-忘れさせるー 人工知能を育てる(3)-新しい知識を教えるー 人工知能と人の協調 付録 提案依頼書 開発提案書 トライアル分析提案書 トライアル分析報告書 WBS 機能要件定義書・非機能要件定義書 要件定義のためのデータ分析結果報告書

この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。

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