ISBN 9784798165387
ここはウォーターフォール市、アジャイル町 ストーリーで学ぶアジャイルな組織のつくり方
- 著者
- 沢渡 あまね/新井 剛
- 出版社
- 翔泳社
- 刊行
- 2020-10
概要
ウォーターフォール組織でアジャイルを現場から段階的に根付かせる
想定読者
ウォーターフォール型の開発・業務プロセスが定着した組織で変革の糸口を探しているチームリーダー・情報システム担当者・変化を起こしたい現場メンバー
こんな人には向いていない
- ScrumやKanbanのフレームワーク仕様・運用手順を体系的に習得したい人には説明が薄い。プラクティスの「なぜ・どう導入するか」は物語で示されるが、フレームワークの詳細は別書が必要になる
- すでにアジャイルチームを継続運営している経験者には、取り上げられる手法の多くが既知となり新規学習量は少ない
- コーディング・テスト自動化などの技術的実装スキルを本書から得ることはできない。TDDやBDDはキーワードとして登場するが、エンジニアリング実践の書ではない
この本で身につくこと
- タスクボード(ToDo/Doing/Done)と朝会・夕会を組み合わせてチームの進捗と課題を可視化できる
- KPT・タイムラインふりかえり・Story of Storyなど複数のふりかえり手法を状況に応じて使い分けられる
- バリューストリームマッピングとECRSで業務の流れを図示し、根拠ある改善提案を立案できる
- 心理的安全性・称賛の壁・ドラッカー風エクササイズでチームの相互理解とエンゲージメントを高められる
- 抵抗勢力への納得戦略とコンフリクトマネジメントを使い、組織内で変革の連帯を広げられる
- ウォーターフォールとアジャイルを対立として扱わず、現場の状況に合わせて段階的に共存させる変革計画を描ける
ハイライト(外部からの言及)
着任早々目にしたのは、見切り発車で問題だらけのシステム、地獄絵図のヘルプデスク、開発チームと運用チームの格差、融通の利かない上司、忙殺されイラ立つスタッフたち — 出典
多くの読者が自分の職場と重ねやすい「変革前の現場」が端的に描かれており、共感から読み始められる入口として機能している
ウォーターフォールとアジャイルは融合できる。現場のリアルが詰まった、幸せな共存ストーリー。過去アジャイルに挫折した人も、これなら大丈夫。 — 出典
「全面転換」ではなく「共存」を打ち出す本書の独自ポジションが最も明確に示されており、購買判断の核となる一節
章立て
第1章 無力感
組織変革の動機となる「現場の課題」の解像度を上げる章。自組織の現状と照らし合わせながら読むと変革の優先順位が見えやすい
第2章 小さな一歩
タスクボードと朝会・夕会の導入など、明日から試せる最小のアクションが集中する。読了後に真っ先に実行候補をメモしておく価値がある
第3章 抵抗
組織内の反発への対処法を扱う。納得戦略とコンフリクトマネジメントの実践が描かれており、変革推進者が直面しやすい局面の参考になる
第7章 快感体験
チームが変化を実感する転換点。モブワーク・称賛の壁などエンゲージメント施策が集中し、導入後の手応えをどう演出するかのヒントが多い
第9章 越境
部署間コラボレーションとクロスファンクションへの展開を扱う。チーム単位の変革をスケールアップさせる段階で再読すると効果的
関連記事 / 参考情報
- タイムライン振り返りとStory of Story -モブプロ開発を行っているチームでやっている取り組み- — モブプログラミングチームが実践するタイムラインふりかえりとStory of Storyの手法を解説。本書のプラクティスを現場適用した事例記事
- 2020年をふりかえる — 2020年の年次振り返り。本書が読了書籍の一つとして言及されている
学習のヒント
- ストーリー形式なので通読が基本だが、第2章と第7章は「すぐ試せるプラクティス」が集中するため、時間が限られる場合は2→7→残りの順でも主要な知見を得やすい
- 本書末尾の登場キーワード一覧(KPT・バリューストリームマッピング・ECRS等)を読了後に確認し、次の実践候補を1〜2個絞り込む使い方が現場への転用を早める
- チームで輪読し、各章終了後に「自組織のどの場面と重なるか」を5分議論するスタイルが、現場適用のスピードを高める
- TDD・BDD・Specification by Exampleはキーワードとして登場するが技術手順書ではない。これらの実装詳細は別書で補完する前提で読むと期待値のずれが生じない
前提知識
- ウォーターフォール型の開発プロセスまたは業務運営に携わった経験(主人公と同じ立場で感情移入するための共通文脈として)
- アジャイルの事前知識は不要。本書がアジャイルへの最初の入口として機能する
- 組織やチームの変革・改善活動に何らかの形で関与した経験があると、「抵抗」「越境」の章がより具体的に響く
次に読む本
カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
著者の一人・新井剛が手がけた姉妹作。個人からチームへのアジャイル変革を同じストーリー形式で描いており、本書の延長線上として読み進めやすい
アジャイルサムライ−達人開発者への道−
本書のストーリーで体感したアジャイルの概念を、イテレーション計画・ユーザーストーリーといった具体的なフレームワークとして体系化する際の定番書
心理的安全性のつくりかた
本書で繰り返し登場する心理的安全性をより深く掘り下げる。チームのエンゲージメント施策の実践知を補完できる
出版社による内容紹介
アジャイル開発「最初の一歩」に好適! ウォーターフォールとアジャイルは融合できる。 現場のリアルが詰まった、幸せな共存ストーリー。 過去アジャイルに挫折した人も、これなら大丈夫。 【本書のポイント】 ・ストーリーでアジャイル開発の基本を学べる ・現場から目の前のことをどんどん解決していく方法が満載 ・昔ながらの開発をしている会社でも、大企業でもできる ・開発に限らず、チームワークや部署間の連携にも効く 【アジャイルの効能】 ・どんな現場でも使える ・変化に対応できる ・競争力が高まる ・カイゼンサイクルが回る ・組織がセイチョウする ・個人の力を活かせる ・協調性が生まれる ・部署の壁を越えられる 【あらすじ】 3月のある月曜日。大手精密機器メーカー、ハマナ・プレシジョン株式会社に勤める相良真希乃は、マーケティング部門から情報システム部門への異動を通達される。着任早々目にしたのは、見切り発車で問題だらけのシステム、地獄絵図のヘルプデスク、開発チームと運用チームの格差、融通の利かない上司、忙殺されイラ立つスタッフたち……。真希乃はなんとかしなければと思うものの、周囲は変化することに拒否反応を示す。そんなとき、ある勉強会でアジャイルと出合い、ウォーターフォールと共存できることを知る。「無力感」に包まれた現場を変える真希乃の挑戦が始まった。 【本書に登場するキーワード(プラクティスやテクニック)】 タスク管理(チケット管理)/朝会と夕会/見える化/仕組み化/場づくり/カイゼン/ふりかえり/ふせん/ホワイトボード/ToDo/Doing/Done/インシデント管理/アナログの力/問題 vs. わたしたち/納得戦略/心理的安全性/エンゲージメント/チャットツール/言える化/環境環境と空間/コラボレーション/チェンジ・エージェント/クロスファンクション/ドラッカー風エクササイズ/期待マネジメント/KPT/コンフリクトマネジメント/モブワーク/バリューストリームマッピング/ECRS/サーバント・リーダーシップ/称賛の壁・サンクスボード/多様性/ハイパープロダクティブなチーム/ふりかえりむきなおる/タイムラインふりかえり/Story of Story/ナレッジマネジメント/社内勉強会/合宿/発信の文化/TDD/Specification by Example/8つのP ★読者特典あり★ 「登場キャラクター設定資料」をダウンロード提供! ※感想はハッシュタグ「#ここアジャ」で! プロローグ 静寂に響くキータッチ音 第1章 無力感 第2章 小さな一歩 第3章 抵抗 第4章 変化 第5章 意外な理解者 第6章 相手のキーワードに飛び込む 第7章 快感体験 第8章 衝突からのセイチョウ実感 第9章 越境 第10章 さらなるセイチョウ エピローグ ここはウォーターフォール市、アジャイル町
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