ISBN 9784814401109

Linuxカーネルプログラミング 第2版

Linuxカーネルプログラミング 第2版
刊行
2025-07

概要

Linuxカーネルの内部構造を理解しモジュールを実装する

想定読者

カーネルプログラミングに初挑戦するエンジニア。Cの基礎知識とLinuxコマンドライン操作の経験があれば、カーネルビルドからモジュール実装・同期機構まで体系的に習得できる。組み込みLinuxやシステムプログラミングに踏み込もうとする開発者に特に適する。

こんな人には向いていない

  • Cを書いたことがない、またはポインタ・メモリ管理の基礎が固まっていない読者にはカーネルコードの読解で詰まる箇所が多い
  • すでにLinuxカーネルモジュールを業務開発・保守している中上級者には、基本事項の比重が大きく発展的なトピック(eBPF、ドライバサブシステム詳細等)は別書で補完が必要
  • 特定のカーネルサブシステム(ネットワークスタック、ファイルシステム等)の深掘りを期待する読者には、本書は汎用的な入門として設計されておりサブシステム固有の詳細には踏み込まない

読了後にできるようになること

  • ソースから6.x系LTSカーネルをビルドし、自分の環境に合わせた設定・インストールができる
  • カーネルモジュールを作成し、insmod/modprobeで動的にロード・アンロードするサイクルを実践できる
  • プロセスとスレッドのカーネル内部表現(タスク構造体・スタック・コンテキスト切り替え)を説明できる
  • スラブアロケータ等のカーネルメモリ割り当てAPIを目的に応じて選択し、リーク・断片化を避けた実装ができる
  • CPUスケジューラのポリシー(CFS・RT・Deadline)を理解し、リアルタイム要件のあるタスクに適切な設定を選べる
  • ミューテックス・スピンロック・メモリバリアを使ってレースコンディションを防ぐカーネルコードを書ける

本書のキー概念(章解説)

  • 第 1 章 Linuxカーネルプログラミング入門 — 開発環境のセットアップと本書全体の地図。最初に全体像を把握してから後章に進む
  • 第 2 章 6.x系Linuxカーネルのソースからのビルド(前編) — ビルド設定・コンフィグのオプション選択が詳述されており、後工程の理解の土台になる
  • 第 3 章 6.x系Linuxカーネルのソースからのビルド(後編) — インストールとブートプロセス確認まで。実機またはVM環境で手を動かしながら進めると定着が早い
  • 第 4 章 初めてのカーネルモジュールを書く(前編) — モジュールの基本構造とHello Worldレベルから。カーネル空間とユーザー空間の違いをここで体感する
  • 第 5 章 初めてのカーネルモジュールを書く(後編) — printk・デバッグ手法・パラメータ渡しなど実開発で必要な周辺知識をカバー
  • 第 6 章 カーネルの内部構造:プロセスとスレッド — タスク構造体の読み方を覚えるとカーネルデバッグ全般に応用が利く中核章
  • 第 7 章 メモリ管理の内部構造 — ページテーブル・仮想アドレス空間レイアウトの基礎。8〜9章の前提として読む
  • 第 8 章 モジュール開発者向けカーネルメモリ割り当て(前編) — kmalloc/kzallocの使い分けとGFPフラグの意味を正確に把握するための章
  • 第 9 章 モジュール開発者向けカーネルメモリ割り当て(後編) — スラブキャッシュ・vmalloc・DMAアロケーションまで。メモリ系バグの根本理解に直結
  • 第 10 章 CPUスケジューラ(前編) — CFSの内部動作とスケジューリングポリシーの違い。リアルタイム要件の判断基準を養う
  • 第 11 章 CPUスケジューラ(後編) — マルチコア環境でのスケジューリングとcgroupによる制御。コンテナ環境の理解にも接続する
  • 第 12 章 カーネル同期機構(前編) — ミューテックス・セマフォの選び方と実装パターン。レースコンディション事例つき
  • 第 13 章 カーネル同期機構(後編) — スピンロック・RCU・メモリバリアまで。並行処理の難所を段階的に整理した章

ハイライト

  • パフォーマンス向上のために必要な、メモリの割り当て、スケジューラ、同期といった複雑なテクニックを説明し、実際にどのようにプログラミングして活用すればよいのか、その要点と、つまづきやすいポイントなども教えてくれます。(本書が単なる内部構造の解説にとどまらず、実装上の落とし穴まで扱う実践志向であることを示す箇所)
  • Linuxカーネルプログラミングが初めてのエンジニアに対して(ただしCの知識は必要)、ソースコードからビルドすることからはじめ、カーネルソースコードの修正、モジュールの作成方法を説明します。(対象読者と学習の起点が明確に定義されており、購入判断の参照点として適切)

外部からの言及

  • オライリー・ジャパンの公式紹介によれば、本書は6.1 LTSカーネルを対象とした現行バージョン対応の実践書として位置付けられており、492ページにわたってビルドからモジュール実装・同期機構まで体系的に扱う構成が強調されている。2025年7月刊行の新刊のため、Qiita等コミュニティでの言及は現時点では確認できない。(other)

編集メモ

Qiita記事での直接ISBN言及は確認できず(article_count=0、total_likes=0)。2025年7月刊行の新刊であり、コミュニティでの引用蓄積はこれから。Rakutenランキング情報も現時点では未取得。シグナル不足のためsupplementaryとする。

読む前に押さえておきたいこと

  • C言語でのプログラミング経験。特にポインタ演算・構造体・関数ポインタを自分で書ける程度の習熟度
  • Linuxコマンドライン操作(ファイル操作・プロセス管理・シェルスクリプト基礎)に不自由しないレベル
  • makeによるビルドの基本(Makefile読解・gcc呼び出しの仕組みの理解)があると第2〜3章の作業が滑らかに進む

学習のコツ

  • 第1章で開発環境(QEMU+KVMまたはVirtualBox上のUbuntu/Debian)を整えてから進む。ハンズオン前提の構成のため、手を動かせる環境なしでの通読は定着しにくい
  • 第4〜5章(初めてのモジュール)でprintk出力とdmesgによる確認ループを体に覚え込ませると、後続章でのデバッグ作業が格段に楽になる
  • 第12〜13章(同期機構)は難度が高いため、第6章(プロセス/スレッド)を完全に理解してから進むことを推奨する。前後を行き来しながら読むと効果的
  • 各章のコードサンプルはGitHubリポジトリで公開されているので、手元でビルド・実行しながら各パラメータを変更して挙動を確認する使い方が最も学習効率が高い
出版社による内容紹介

Linuxカーネルの内部を理解し、ソースコードとモジュールコードを書く方法を学ぶ! Linuxカーネルプログラミングが初めてのエンジニアに対して(ただしCの知識は必要)、ソースコードからビルドすることからはじめ、カーネルソースコードの修正、モジュールの作成方法を説明します。またパフォーマンス向上のために必要な、メモリの割り当て、スケジューラ、同期といった複雑なテクニックを説明し、実際にどのようにプログラミングして活用すればよいのか、その要点と、つまづきやすいポイントなども教えてくれます。Linuxカーネルに関する知識を広く学ぶことが可能です。

この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。

質問に答えるだけで、
あなたに合う専門書が見つかる

IT・デザイン・士業・医療・経理・教育・研究 ほか、あらゆる分野の専門書と 「読む順序」(学習ロードマップ)を収録。何を選べばいいか分からなくても、 いくつかの質問に答えるだけでたどり着けます。