ISBN 9784822285487
The DevOps ハンドブック 理論・原則・実践のすべて
概要
DevOps の3つの道を理論から実践まで体系的に習得する
想定読者
開発と運用の分断に課題を感じており、デプロイパイプラインの整備・組織改善・セキュリティ統合を本格的に進めたいエンジニアおよびエンジニアリングマネージャ
こんな人には向いていない
- CI/CD や自動テストをすでに本番運用しており、組織改革の理論的背景よりも具体的ツールの設定手順を求めている人には情報量の比率が合わない
- DevOps を初めて聞いた段階の入門者には、前提となる開発・運用の実務経験がないと概念が抽象的に映りやすい
- 個別ツール(Terraform / Kubernetes 等)の実装詳細を探している場合、本書はプラクティスの『なぜ』を扱うため別途ツール専門書が必要になる
読了後にできるようになること
- ITバリューストリームのボトルネックを特定し、WIP 制限とバッチサイズ削減でデプロイリードタイムを短縮する手法
- 本番フィードバックを高速化するための遠隔測定(テレメトリ)設計と、アンドン方式の問題可視化を組織に組み込む方法
- 継続的インテグレーション・デプロイパイプラインを構築し、ローリスクリリースを実現するアーキテクチャ選定の判断軸
- Conway の法則を踏まえた組織・チーム構造とアーキテクチャの対応付けの考え方
- 情報セキュリティ・変更管理・コンプライアンスを DevOps パイプラインに統合し、開発者の日常業務として扱う実践的アプローチ
- Google / Netflix / Etsy ほか実例を通じて、ビジネス成果に結びつく DevOps 指標の設計方法
本書のキー概念(章解説)
- 第 1 章 序章・第1部: 3つの道 — アジャイル・継続的デリバリーとの位置付けを整理する章。全体の読解地図として最初に熟読する価値がある
- 第 2 章 第2部: スタートのための糸口 — 最初に手を付けるバリューストリームの選択とConwayの法則の適用が核心。組織設計に関わる立場には特に重要
- 第 3 章 第3部: 第1の道 - フロー改善の技術的実践 — デプロイパイプライン・CI・自動テスト・ローリスクリリースの実装方法。即実践に移せる内容が集中している
- 第 4 章 第4部: 第2の道 - フィードバックの技術的実践 — 遠隔測定データ設計と仮説駆動開発。SRE やオブザーバビリティ実践者にとって補強となる章
- 第 5 章 第5部: 第3の道 - 継続的な学習と実験の技術的実践 — 学習文化の組織的定着。技術施策よりもマネジメント側面が強いため、EMやVPoEが優先して読む価値がある
- 第 6 章 第6部: 情報セキュリティ・変更管理・コンプライアンスの統合 — DevSecOps の実践として単独参照されることもある。セキュリティ担当との合意形成資料として活用できる
ハイライト
- 第6部「情報セキュリティ、変更管理、コンプライアンスを統合するための技術的実践」(p.396-438)が実践的で大変参考になります。(セキュリティ統合の章が単独でも参照価値があることを示す具体的なページ範囲付きの言及)
- 第1の道はITバリューストリームのスピードアップであり、開発から運用を経て顧客接点のビジネスまでのスムーズな展開、第2の道はその逆方向でのフィードバックプロセスの有効化と迅速化、第3の道はこうした展開の安定と継続のなかで組織的に学習していくプロセスを表している。(3つの道の全体像を監修者が端的にまとめた箇所。本書の構造を30秒で把握できる)
外部からの言及
- エンジニアリングマネージャ・プロダクトマネージャ向けの読書ガイドや、Webエンジニア向けスキルアップロードマップで繰り返し推薦されており、SREおよびDevOps文脈で『まず読むべき一冊』として位置付けられることが多い(qiita)
- 『The Phoenix Project』の実践的な補完書として評価されており、小説形式のプロセス理解の後にハンドブックで技術的実践を体系化するという読み方が複数の記事で紹介されている(qiita)
- LeanとDevOpsの科学(Accelerate)と並ぶ2010年代の代表的DevOps文献として位置付けられ、ジーン・キムとジェズ・ハンブルの著者信頼性が引用の動機になっているケースが目立つ(qiita)
- 第6部のセキュリティ・コンプライアンス統合の章は、DevSecOps の実践資料として単独参照されることがあり、単なる概論書にとどまらない実用性を持つ点が評価されている(qiita)
- 一方で、内容が発刊時点(2017年)から大きく変わっていないとの指摘もあり、Kubernetes / GitOps 以降の具体的なツールスタックと接続するには別途補完が必要との声もある(qiita)
編集メモ
Qiita で『DevOpsハンドブック』を明示的に言及する記事が20件以上確認でき、likes 上位記事(hirokidaichi 2,375 / JunyaShibato 658 / yuzoiwasaki 114 / takeshi_nozawa 120 / rilmayer 89)への掲載が複数存在。累計 likes は軽く300を超え、2017年刊行から2023年まで継続的に新規言及がある。DevOps 領域の読書ガイドやSRE書籍リストで必ず挙げられる定番書としての位置付けが安定している
読む前に押さえておきたいこと
- アジャイル開発(スクラム・カンバン等)の基本概念と、スプリント・バックログといった用語への慣れ
- CI/CDの概念(継続的インテグレーション・継続的デリバリーの違い)についての大まかな理解
- 本番環境での開発または運用の実務経験(どちらか一方で構わない。概念が抽象的に感じる場合は『The Phoenix Project』を先に読むと文脈をつかみやすい)
学習のコツ
- まず序章と第1部(3つの道の概念)を熟読して全体構造を頭に入れてから各部に進む。監修者が序文で明示している通り、矢印の重ね合わせ図が本書の中核なので繰り返し参照する
- 第3部(フロー改善の技術的実践)は現場実装に最も直結する。デプロイパイプライン・CI・自動テストの章は、担当チームの現状と対比しながら読むと施策の優先順位が立てやすい
- 第5部および第6部はエンジニアリングマネージャやセキュリティ担当との合意形成に使える。技術者が読むだけでなく、関係者への説明資料として章ごとに参照する使い方が有効
- 本書は網羅的なため一読で全てを吸収しようとすると重くなる。第2部のバリューストリーム選択の章で自チームの優先課題を特定してから、関連する章だけを精読するアプローチが実務向き
出版社による内容紹介
システムの開発と運用を一体化するDevOpsの理論と実践を徹底解説。 ビジネス成果に結びつく考え方・導入・実践・事例を網羅した決定版です。 事例については、Google、Facebook、Twitter、LinkedIn、Netflix、Target、Etsy、Pivotalなどの実例を当事者のコメントやポイントともに紹介しています。 (本書で詳述する)「3つの道」はDevOpsの大原則であり、DevOpsを理解・実践するための大きな着眼点であるととらえればよい。第1の道はITバリューストリームのスピードアップであり、開発から運用を経て顧客接点のビジネスまでのスムーズな展開、第2の道はその逆方向でのフィードバックプロセスの有効化と迅速化、第3の道はこうした展開の安定と継続のなかで組織的に学習していくプロセスを表している。第1章の図5に示されているシンプルな矢印の重ね合わせこそが大原則なのである。 本書の構成はこの「3つの道」を中心の部として配置し、そのなかにトピックごとの章立てがなされている。まずは「3つの道」の概念をしっかりと理解、頭に入れた上で読み進めるのがよいだろう。 (監修者あとがきより) 序章 DevとOpsがDevOpsになる世界を想像してみよう 第1部 3つの道 第1章 アジャイル、継続的デリバリー、そして3つの道 第2章 第1の道:フローの原則 第3章 第2の道:フィードバックの原則 第4章 第3の道:継続的な学習と実験の原則 第2部 スタートのための糸口 第5章 最初に手を付けるバリューストリームの選択方法 第6章 バリューストリーム内の作業を理解し、それを可視化して、組織全体に広げる 第7章 Conwayの法則を念頭に置いた組織とアーキテクチャの設計 第8章 開発の日常業務に運用を統合してすばらしい成果を生み出す方法 第3部 第1の道:フロー改善の技術的実践 第9章 デプロイパイプラインの基礎の構築 第10章 高速で信頼性の高い自動テストの実現 第11章 継続的インテグレーションの実現と実践 第12章 自動化とローリスクリリースの実現 第13章 ローリスクリリースのアーキテクチャ 第4部 第2の道:フィードバックの技術的実践 第14章 問題の可視化と解決のための基礎となる遠隔測定データを作り出す 第15章 遠隔測定データを分析して問題の予測と目標の達成に活かす 第16章 フィードバックループを実現して開発と運用が安全にコードをデプロイできるようにする 第17章 日常業務に仮説駆動開発とA/Bテストを組み込む 第18章 レビューと調整プロセスによって現在の仕事の品質を上げる 第5部 第3の道:継続的な学習と実験の技術的実践 第19章 日常業務での学習の実現と日常業務への学習の注入 第20章 一部門の発見を全社的な進歩につなげる 第21章 組織的な学習と改善を生み出すための時間を確保する 第6部 情報セキュリティ、変更管理、コンプライアンスを統合するための技術的実践 第22章 すべてのエンジニアの毎日の職務として情報セキュリティを位置づける 第23章 デプロイパイプラインを防御する 行動提起:DevOpsハンドブックの締めくくりに
この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。