ISBN 9784860437404
ニューロモルフィックコンピューティング : 省エネルギーな機械学習のハードウェア実装に向けて
概要
ニューロモルフィックハードウェアとSNNの協調設計を体系的に理解する
想定読者
AI・機械学習のハードウェア実装に関わる研究者・エンジニア、およびニューロチップ設計に関心を持つ大学院生
こんな人には向いていない
- ソフトウェアフレームワーク(PyTorch・TensorFlowなど)の使い方を学びたい実務エンジニア向けではない
- ニューラルネットワークの基礎から入門したい人には、前提とする回路・アーキテクチャ知識のハードルが高い
- エッジデバイス向けモデル軽量化(量子化・プルーニング)のみを扱う実装技法書ではない
読了後にできるようになること
- スパイキングニューラルネットワーク(SNN)の動作原理と、Leaky Integrate and Fire モデルを含む代表的なスパイキングニューロンモデルの違いを説明できる
- デジタルアクセラレータとアナログ/ミックスドシグナルアクセラレータの特性差を踏まえ、ハードウェアニューラルネットワークの実装方式を選択できる
- アルゴリズムとハードウェアの協調設計(co-design)・協調最適化の方法論を理解し、省エネルギー推論の設計判断軸を持てる
- 浅い層・深層 SNN それぞれの学習手法の違いと実装上の課題を把握できる
- 適応型動的計画法(ADP)向けエネルギー効率アクセラレータの事例から、設計検討の具体的な流れを追える
- ポップフィールドネットワークによるメモリ自己修復など、ニューロモルフィック固有の応用アーキテクチャを知識として持てる
本書のキー概念(章解説)
- 第 1 章 概要 — ニューラルネットワークの歴史とニューロモルフィックハードウェアの必要性を整理する導入章。背景を確認してから後続章に進む際の基準点になる
- 第 2 章 人工ニューラルネットワークの基礎 — 深層学習の基礎をハードウェア視点で再整理する章。ソフトウェア側の知識がある読者は速読で通過できる
- 第 3 章 ハードウェアにおける人工ニューラルネットワーク — 汎用プロセッサ・デジタルアクセラレータ・アナログ/ミックスドシグナルの3系統を比較し、ADPの事例研究を収録。実装選択の判断軸を得るうえで本書の中核
- 第 4 章 スパイキングニューラルネットワークの動作原理 — LIF モデル・MAT モデルを付録で詳説。SNNの学習(浅い層/深層)まで踏み込む本書の理論的中心
- 第 5 章 スパイキングニューラルネットワークのハードウェア実装 — デジタル SNN とアナログ/ミックスドシグナル SNN の実装例を並列比較する。4章の理論を実装レベルに落とす章
- 第 6 章 結論 — 展望と今後の課題を整理。研究テーマ選定や論文サーベイの起点として活用できる
ハイライト
- ハードウェアニューラルネットワークの構築に必要なアルゴリズムとハードウェアの協調設計、協調最適化の方法論をまとめた、類を見ない1冊(本書が国内でほぼ唯一のニューロモルフィック協調設計書であることを示す出版社による位置づけ)
編集メモ
Qiita 言及 0 件 / 楽天ランキング情報なし。ニューロモルフィックコンピューティングは国内では専門性が高く一般流通量が限られる学術的領域であり、本書は同分野を日本語で体系的に扱う数少ない書籍として位置づけられる
読む前に押さえておきたいこと
- 線形代数・微積分の基礎(重み行列・誤差逆伝播の数式を追える程度)
- デジタル回路設計の基礎概念(CMOS、FPGA、ASICの区別)
- 機械学習の基礎(順伝播・誤差逆伝播・CNN/RNNの概要)
- アナログ回路の素養があると3章・5章のアナログ/ミックスドシグナル節をより深く読める
学習のコツ
- ソフトウェアML経験者は2章を速読し、3章のアクセラレータ比較から読み始めると投資対効果が高い
- 4章の付録(LIF/MATモデル)は数式密度が高いため、神経科学モデルに不慣れな場合は先に神経科学の入門資料を参照してから戻ると理解が早い
- 5章はアナログとデジタルの両実装を並列に追うと比較軸が明確になる。どちらか一方の実装方向が決まっている読者は対応するセクションを重点的に読むだけでも価値がある
- 付録のポップフィールドネットワーク節は本文と独立しており、メモリ自己修復アーキテクチャに関心がある場合は単独で参照できる
出版社による内容紹介
◆AI技術の高度化に不可欠なニューロチップの基礎となる脳型(ニューロモルフィック)コンピューティングを詳説! ◆ハードウェアニューラルネットワークの構築に必要なアルゴリズムとハードウェアの協調設計、協調最適化の方法論をまとめた、類を見ない1冊! ◆AI技術の最新動向、ハードウェア実装に関心のある研究者や技術者、学生などに。 【主な目次】 第1章 概要 第2章 人工ニューラルネットワークの基礎 第3章 ハードウェアにおける人工ニューラルネットワーク 第4章 スパイキングニューラルネットワークの動作原理 第5章 スパイキングニューラルネットワークのハードウェア実装 第6章 結論 付録 序文 謝辞 第1章 概要 1.1 ニューラルネットワークの歴史 1.2 ソフトウェアにおけるニューラルネットワーク 1.3 ニューロモルフィックハードウェアの必要性 1.4 本書の目的と概略 参考文献 第2章 人工ニューラルネットワークの基礎 2.1 人工ニューラルネットワークの動作原理 2.2 ニューラルネットワークに基づく機械学習 2.3 ネットワークトポロジー 2.4 データセットとベンチマーク 2.5 深層学習 参考文献 第3章 ハードウェアにおける人工ニューラルネットワーク 3.1 概要 3.2 汎用プロセッサ 3.3 デジタルアクセラレータ 3.4 アナログ・ミックスドシグナルアクセラレータ(analog/mixed-signal accelerators) 3.5 事例研究:適応型動的計画法(ADP)のためのエネルギー効率の高いアクセラレータ 参考文献 第4章 スパイキングニューラルネットワークの動作原理 4.1 スパイキングニューラルネットワーク 4.2 浅い層を持つSNNにおける学習 4.3 深層SNNでの学習 第4章 付録:Multi-timescale adaptive threshold モデル (MATモデル) 4.付.1 Leaky Integrate and Fire モデル 4.付.2 MATモデル 4.付.3 スパイキングニューロンモデルの比較 参考文献 第5章 スパイキングニューラルネットワークのハードウェア実装 5.1 特殊化したハードウェアの必要性 5.2 デジタルSNN(digital SNN) 5.3 アナログ/ミックスドシグナルSNN(analog/mixed-signal SNN) 参考文献 第6章 結論 6.1 展望 6.2 結論 参考文献 付録 付.1 ポップフィールドネットワーク 付.2 ポップフィールドネットワークによるメモリの自己修復 参考文献 索引
この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。