ISBN 9784862763563

イシューからはじめよ[改訂版] : 知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ[改訂版] : 知的生産の「シンプルな本質」
著者
安宅和人
出版社
英治出版
刊行
2024-09

概要

解く前に「本当に解くべき問題」を見極める

想定読者

施策や分析に追われがちで、努力量のわりに成果が出ないと感じているビジネスパーソン・研究者・学生。職種は問いません

こんな人には向いていない

  • 具体的なフレームワークやツールの手順書を求めている人(本書は手順集ではなく思考のOSを扱います)
  • すでにイシュー設定を習慣化し、自分の判断軸を言語化できている上級者には基本事項の比重が大きく感じられます
  • プログラミングやデータ基盤の実装テクニックを学びたい技術者(本書はデータ・AI時代の意思決定態度を論じますが、実装書ではありません)

読了後にできるようになること

  • 目の前の「問題らしきもの」から、いま決着をつけるべきイシューを切り分けて選べるようになる
  • イシューを分解し、サブイシューを並べてストーリーラインを組み立てられる
  • 分析に入る前に絵コンテ(必要なアウトプットの完成形)を描き、手戻りを減らせる
  • 「やみくもに量をこなす犬の道」を避け、着手すべき作業を100分の1に絞る判断ができる
  • 空気や権威ではなくファクトと論理を土台に意思決定を組み立てる姿勢が身につく

本書のキー概念(章解説)

  • 序章 この本の考え方:脱「犬の道」 — 本書全体の前提。やみくもな努力を避ける思想がここで提示される
  • 第 1 章 第1章 イシュードリブン:「解く」前に「見極める」 — 本書の核。実務に最も直結するため繰り返し読む価値がある
  • 第 2 章 第2章 仮説ドリブン(1):イシューを分解し、ストーリーラインを組み立てる
  • 第 3 章 第3章 仮説ドリブン(2):ストーリーを絵コンテにする
  • 第 4 章 第4章 アウトプットドリブン:実際の分析を進める
  • 第 5 章 第5章 メッセージドリブン:「伝えるもの」をまとめる

ハイライト

  • イシューとは、2つ以上の集団の間で決着のついていない問題であり、根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題の両方の条件を満たすもの。世の中で問題だと思われていることのほとんどは、イシューではありません(本書の出発点である「イシュー」の定義が最も端的に示された箇所)
  • 知的生産の現場において空気、常識、権威で判断することや、努力すればなんとかなるという根性論を終わらせ、本当に向き合うべき課題に取り組む人が増えることを期待して書いた(改訂版で著者が改めて掲げた問題意識が表れている一節)

外部からの言及

  • イシュードリブンの思考はどの業界・職種でも応用でき、価値ある課題に集中することで少ない労力で大きな成果を得られる、と汎用性と効率の両面を評価する声が見られる(blog)
  • 知的生産の「バイブル」として繰り返し読み返す対象に挙げられる一方、イシューという概念自体が抽象的で初読では掴みにくく、複数回読む必要があるという指摘も併存する(other)

編集メモ

Qiita等の技術記事からの引用シグナルは未取得のためメカニカル指標では supplementary。ただし累計60万部のロングセラーで「読者が選ぶビジネス書大賞2025」イノベーション部門賞を受賞している点は別軸の評価材料

読む前に押さえておきたいこと

  • 特別な前提知識は不要だが、自分が実際に取り組んでいる課題やプロジェクトを1つ思い浮かべながら読むと理解が進む
  • 資料作成や分析、提案など、何らかのアウトプットを出す業務経験があると各章の具体性が腹落ちしやすい

学習のコツ

  • 第1章「イシュードリブン」が本書の心臓部。時間がなければまず序章と第1章を読み、イシューの見極め方を掴んでから残りに進むと迷子になりにくい
  • 改訂版では「課題解決の2つの型」「なぜ今『イシューからはじめよ』なのか」が追加されている。旧版既読者は、まずこの追加コラムとあとがきから読むと改訂の差分を効率よく回収できる
  • 概念が抽象的なため、自分が今抱えている具体的な仕事を1つ題材に置き、各章の枠組みを当てはめながら読むと定着しやすい
出版社による内容紹介

「読者が選ぶビジネス書大賞2025」イノベーション部門賞受賞 NewsPicks選「21世紀のビジネス名著」ベスト100[第2位] 【時代が変わっても読者が増え続ける】 累計60万部ロングセラー『イシューからはじめよ』改訂版が発売! 「課題解決の2つの型」「なぜ今『イシューからはじめよ』なのか」などを新たに収録 ■『イシューからはじめよ』とは? 2010年の『イシューからはじめよ』(旧版)発売以来、知的生産のバイブルとしてビジネスパーソンを中心に研究者や大学生などから幅広く支持されてきました。14年間一貫して売れ続けて累計60万部に到達(紙と電子版、旧版と改訂版を合算)。ビジネススキルの本として異例のロングセラー、ベストセラーとなっています。 そしてこのたび、「課題解決の2つの型」「なぜ今『イシューからはじめよ』なのか」など、読者の実践に助けとなる内容を追加した『イシューからはじめよ[改訂版]』を発行いたします。 ■イシューとは? イシューとは、「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」であり「根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題」の両方の条件を満たすもの。 世の中で問題だと思われていることのほとんどは、 イシュー(今この局面でケリをつけるべき問題)ではありません。 本当に価値のある仕事は、イシューの設定から始まります。 ■今回の改訂点 ・New「課題解決の2つの型」(コラム) ・New「なぜ今『イシューからはじめよ』なのか」 ・New「改訂版あとがき:旧版の裏話と今回の改訂にあたって」 ・24ページ増(旧版248ページ→改訂版272ページ) ・全文推敲、一部事例差し替え ■なぜ今『イシューからはじめよ』」なのか(本書から抜粋) この本は、知的生産の現場において空気、常識、権威で判断することや、努力すればなんとかなるという根性論を終わらせ、本当に向き合うべき課題に取り組む人が増えることを期待して書いた。日本はイシューからはじまる社会に近づいているのだろうか。残念ながら、手応えは今ひとつだ。 イシューという言葉自体はずいぶん浸透したが、日本社会で行われているのは、今もなおイシュードリブンではなく空気ドリブンだ。ひとつ断っておくと、僕は「空気を読む力」を否定しているわけではない。重要なのは、空気はあくまでファクトと論理の上にあるべきだということだ。 では、イシュードリブンな社会に移行するには何が必要なのか。かつて電気や化学が登場し今や当たり前になったように、データやAIがない世界に戻ることはないだろう。価値観の刷新と新しい行動は避けられない。一人ひとりの行動変容が不可欠だ。その一助になればと思い、本書ではあまり詳しく触れていなかったことをお伝えしたい。

この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。

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