ISBN 9784863241671

Fishing Cafe VOL.71

Fishing Cafe VOL.71
著者
シマノ
出版社
木楽舎
刊行
2022-04

概要

釣りと魚食文化を通じて水産資源の持続可能性を考える

想定読者

釣りを趣味とし、魚食文化や水産環境問題にも関心を持つ社会人。シマノが刊行するライフスタイル誌として、アウトドア志向と食文化の両面から魚と人の関係を掘り下げたい読者に向く。

こんな人には向いていない

  • 釣りの実技テクニック(仕掛け・ルアー選定・キャスティングの解説)を中心に求める読者には本号の内容は薄い
  • 水産科学・環境学の専門的な学術情報を求める読者には記述が一般向けにとどまる
  • シマノ製品のインプレッションや機材レビューを期待する読者には製品紹介が主眼ではないため物足りない

読了後にできるようになること

  • 江戸時代の越後村上藩で実践された種川の制がサケ資源回復に果たした役割と、現代のSDGS概念との連続性を把握できる
  • 日本の魚食文化が持つ『頭から骨・皮まで余さず使う』という考え方が水産資源の持続利用とどう結びつくかを理解できる
  • 近畿大学水産研究所による18魚種の種苗生産成功など、国内養殖研究の技術的発展の概要を知ることができる
  • サクラマスの環境保全活動、オリーブハマチの海上釣り堀活用、長野県雑魚川の野生イワナ保護など地域固有の取り組みを知る
  • アマモ場(海草床)が釣魚の産卵・育成環境として持つ生態的役割を理解できる
  • 釣具・漁具の歴史的変遷を連載コラムを通じて俯瞰でき、道具と釣り文化の関係を見渡せる

本書のキー概念(章解説)

  • 巻頭インタビュー 音尾琢真ー逃がした魚は、大きくない! — 俳優・音尾琢真が釣りへの向き合い方を語るインタビュー。文化的な入口として機能する
  • 特集:美しい国ニッポンの育む魚、活かす釣り『魚・釣り・人・未来』 — 本号の主軸特集。江戸期のサケ保護から現代の養殖まで通史的に俯瞰する
  • 21世紀の水産危機を救う『ブルーレボリューション』 — 世界規模の水産資源問題と日本の貢献を概説する
  • 『サクラマスの聖地』 環境保全活動 — 地域固有種の保全事例として具体的な活動内容を扱う
  • 海上釣り堀を魅了するオリーブハマチ — 養殖魚と釣り場の融合という実践例
  • 原種の野生イワナが豊富に泳ぐ川 長野県・雑魚川 — 絶滅危惧に近い原種イワナが残る河川の現状を取材
  • 釣魚の揺りかご『アマモの森』 — 海草床の生態的役割と保護活動を解説
  • 先端技術の開発に取り組み養殖の未来を切り拓く — 養殖技術の最前線。種苗・飼料・IT活用の方向性を見渡せる
  • 連載コラム:太公望万歳! 末広恭雄(農学博士) — 農学的視点から釣りと魚の関係を語る学術寄りのコラム
  • 新連載:釣・魚画帳 入門/宮田亮平 — 釣りと美術の接点。絵の視点から魚を捉え直す
  • 新連載:釣音(つりおと)/宮沢和史 — 音楽家・宮沢和史が釣りの音風景を語る新連載
  • 釣人たちの輪舞曲/錦織則政 — 釣り人同士のコミュニティや出会いを描く連載
  • 釣具物語 釣具・漁具の歴史とその変貌 — 道具の進化史を追う連載。文化・技術の変遷として読める
  • 同じ水、同じ流れの中で/土屋守 — フィールドと人の関係を文学的に綴るコラム
  • フィッシング・カフェ・クラブ — 読者コミュニティページ

ハイライト

  • サケの母川回帰性を発見した越後村上藩の下級武士・青砥武平治は、三面川に産卵に適した分流『種川』を設け、サケの産卵を助けることでサケの回帰を促した。(江戸時代の持続可能な漁業管理という本号の核心テーマが最も端的に表れている箇所)
  • こうした種苗、栽培、養殖といった水産資源の増産技術の背景には、「頭や内蔵、中骨や皮に至るまで捨てることなく、大切に味わう」という日本独自の魚食文化がある。(技術論と食文化論を結びつける本誌の編集視点が凝縮されている)

編集メモ

Qiita 言及 0件 / 累計 likes 0 / rakuten ranking データなし。外部シグナルなし。釣り・アウトドア関連の読者層に向けた補完的な一冊として位置づける

読む前に押さえておきたいこと

  • 特定の専門知識は不要。釣りや漁業・食文化・環境問題への基本的な関心があれば十分

学習のコツ

  • 特集本文(p.13〜p.39)で水産危機とSDGSの全体像を把握してから各地域事例を読むと、個別の取り組みが体系的に理解しやすい
  • コラム群(p.43〜)は特集と独立しているため、釣り文化・芸術・音楽の側面から入りたい読者はそちらから先に読んでも差し支えない
  • 釣具物語(p.60)は道具の進化を通じて釣り文化を俯瞰できるので、技術史に関心がある読者には特に読み応えがある
出版社による内容紹介

「皮に恋して、骨まで愛する」魚食民族ニッポンのSDGs 「鮭のまち」として知られる新潟県村上市三面川流域では、サケの調理法が100種類を超えるといわれ、平安時代には遠く京の都にサケが献上され、越後村上藩の主要な財源となっていた。しかし、江戸時代後期になると、乱獲により不漁が続く。そこでサケの母川回帰性を発見した越後村上藩の下級武士・青砥武平治(あおとぶへいじ)は、三面川に産卵に適した分流"種川"を設け(種川の制)、サケの産卵を助けることでサケの回帰を促した。三面川に産卵に適した分流“種川”を設け(種川の制)、サケの産卵を助けることでサケの回帰を促した。これは養殖でもなければ、単なる漁獲でもない。まさに江戸時代に行われたSDGs、持続可能な取り組みだ。さらに明治12(1879)年に欧米式のサケ・マスの孵化放流を種川の制が進んだ三面川で行うと、5年後の1884年には、それまでの約5倍の約73万7千匹を漁獲。単一河川では、日本の最高記録となっている。やがて、昭和23(1948)年に発足した近畿大学水産研究所では、「養殖用原魚は天然資源に依存しない人工種苗を使うべきだ」という理念のもと、1970年に水産養殖種苗センターを設立。枯渇が予想される水産資源を補うため、世界に先駆け18魚種の種苗生産に成功している。こうした種苗、栽培、養殖といった水産資源の増産技術の背景には、「頭や内蔵、中骨や皮に至るまで捨てることなく、大切に味わう」という日本独自の魚食文化がある。 3 ◎巻頭インタビュー 音尾琢真ー逃がした魚は、大きくない!- 13 ◎特集:美しい国ニッポンの育む魚、活かす釣り「魚・釣り、人・未来」 15 ◎21世紀の水産危機を救う「ブルーレボリューション」 21 ◎「サクラマスの聖地」 環境保全活動 27 ◎海上釣り堀を魅了するオリーブハマチ 31 ◎原種の野生イワナが豊富に泳ぐ川 長野県・雑魚川 35 ◎ 釣魚の揺りかご「アマモの森」 39 ◎先端技術の開発に取り組み養殖の未来を切り拓く ●連載コラム 43 太公望万歳! 末広恭雄(農学博士) 45 新連載 『釣・魚画帳』入門/宮田亮平 47 新連載 釣音(つりおと)/宮沢和史 53 釣人たちの輪舞曲/錦織則政 60 【釣具物語】 釣具、漁具の歴史とその変貌 64 同じ水、同じ流れの中で/土屋守 68 フィッシング・カフェ・クラブ Fishing Cafe CLUB

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