ISBN 9784864473521

釣りの名著50冊 : 古今東西の「水辺の哲学」を読み解く

釣りの名著50冊 : 古今東西の「水辺の哲学」を読み解く
著者
世良 康
出版社
つり人社
刊行
2020-06

概要

古今東西50冊の釣り文学を通じて「水辺の哲学」を読み解く

想定読者

釣りを趣味とし、釣り文学・釣りエッセイに関心のある読書家。幸田露伴・井伏鱒二・ヘミングウェイなど古典文学との接点を求める釣り人

こんな人には向いていない

  • 釣りの技法・タックル・ポイントといった実釣情報を求める読者(本書は純粋に文学批評と書評が中心)
  • 釣り文学にまったく関心がなく、アウトドアの実践的知識のみを求める人
  • 紹介される50冊すべてを読んでいる熟練の釣り文学愛好家にとっては、発見の余地が限られる場合がある

読了後にできるようになること

  • 幸田露伴・井伏鱒二・太宰治・開高健など多彩な文豪が書き残した釣りをめぐる文章の背景と読みどころを把握できる
  • アイザック・ウォルトン『釣魚大全』やヘミングウェイ『老人と海』など西洋の釣り文学の古典がどのような思想的文脈に置かれるかを理解できる
  • 釣り体験が文学的に昇華されるときの「喜怒哀楽の強度」についての著者独自の読解視点を得られる
  • 江戸期から現代にわたる日本の釣り文化史を、作家の生き様と水辺の記憶を通じて俯瞰できる
  • 釣りを愛した音楽家・落語家・政治家など異ジャンルの著名人が残した言葉を、専門的な書評家の目線で整理された形で読める
  • 本書自体が「釣り文学入門ガイド」として機能し、次に読む一冊を選ぶ判断軸を得られる

本書のキー概念(章解説)

  • 第 1 章 『幻談』幸田露伴 — 日本釣り文学の出発点として位置づけられる作品
  • 第 2 章 『老人と海』アーネスト・ヘミングウェイ — 西洋釣り文学の最高峰。著者がどう読み解くかが本書の見せ場のひとつ
  • 第 3 章 『完訳 釣魚大全1』アイザック・ウォルトン — 17世紀英国の古典。釣り文学の原典として参照される
  • 第 4 章 『川釣り』井伏鱒二 — 日本近代文学と釣りの接点を代表する一冊
  • 第 5 章 『令嬢アユ』太宰治 — 太宰と釣りという意外な組み合わせが本書の発見を象徴する
  • 第 6 章 『戦場の博物誌』開高健 — 釣り師としての開高健を文学的に読み解く
  • 第 7 章 『チヌの月』伊集院静
  • 第 8 章 『岩魚の休日』桂歌丸
  • 第 9 章 『マクリーンの川』ノーマン・マクリーン — 米国で映画化もされた名作。和文批評は希少
  • 第 10 章 『大江戸釣客伝』夢枕獏 — 江戸期の釣り文化を現代語りで復元した作品

ハイライト

  • 人生の喜怒哀楽は1本のサオにも及ばない。釣り人が味わう一投一打の悲喜劇は、それほど激しく強烈であると、私は思う(著者・世良康が本書全体の読解姿勢を端的に示す冒頭の言葉であり、なぜ釣り文学が哲学足り得るかを一文で表している)
  • 幸田露伴に井伏鱒二、ウオルトンにヘミングウエイといわゆる釣り文学の古典はもちろん、伊集院静、桂歌丸、團伊玖磨、畑正憲など、釣りを愛した小説家、詩人、俳人、落語家、学者、政治家、俳優、音楽家……実に多彩な著名人が書いた古今東西の釣りの名著50冊を読み解いた(50冊の著者陣の多様性を示す記述。単なる釣り師の文章集でなく、各界の知性が水辺と向き合った記録であることが分かる)

編集メモ

Qiita 言及 0件 / Rakuten ランキング情報なし。釣り文学という専門ジャンル向けで、一般的な技術書・専門書の需要とは性質が異なるニッチな良書

読む前に押さえておきたいこと

  • 釣りの基本的な経験(竿を持ったことがある程度で十分。名人レベルの技術は不要)
  • 文芸批評・書評エッセイへの基本的な親しみ(純文学の読書習慣があると著者の読解がより楽しめる)

学習のコツ

  • 全50冊を順番通りに読み進める必要はない。気になる著者名から入り、知らない書名を「次の一冊候補」として書き留めながら読むと収穫が大きい
  • 各章はおおむね6〜8ページで完結しているため、1日1〜2章ずつ釣行前後のすき間時間に読む「釣り旅の副読本」として機能する
  • 紹介される50冊のうち入手しやすいものと品切れ状態のものが混在する。章を読んだ直後に古書検索・図書館検索をセットで行うと積読計画が立てやすい
  • 幸田露伴・井伏鱒二・ヘミングウェイなど既読の作品から読み始めると、著者の批評眼とのズレや共鳴が体感しやすく、本書の独自性が見えてくる
出版社による内容紹介

幸田露伴に井伏鱒二、ウオルトンにヘミングウエイといわゆる釣り文学の古典はもちろん、 伊集院静、桂歌丸、團伊玖磨、畑正憲など、釣りを愛した小説家、詩人、俳人、落語家、学者、政治家、俳優、音楽家…… 実に多彩な著名人が書いた古今東西の「釣りの名著50冊」を読み解いた。著者の世良康さんはこう語る。 「人生の喜怒哀楽は1本のサオにも及ばない。釣り人が味わう一投一打の悲喜劇は、それほど激しく強烈であると、私は思う」 これほどまでに熱く深く行間を読んだ、釣りの名著の書評はいまだかつてあったのか? 釣り人ならば絶対耽読したくなる1冊が本書にはある。 006 まえがき 010 『幻談』 幸田露伴 017 『老人と海』 アーネスト・へミングウエイ 024 『魚の泪』 大庭みな子 031 『二人の友』 モーパッサン 039 『ブラックバス』 神吉拓郎 046 『突堤にて』 梅崎春生 053 『完訳 釣魚大全1』 アイザック・ウォルトン 060 『魔味談』 佐藤垢石 074 『川釣り』 井伏鱒二 081 『令嬢アユ』 太宰 治 088 『粗朶の海』 永井龍男 095 『わが釣魚伝』 福田蘭童 102 『イワナとヤマメ 渓魚の生態と釣り』 今西錦司 116 『アユの話』 宮地伝三郎 123 『春鮒日記』 英 美子 133 『釣りひとり』 山村 聰 140 『釣するこゝろ』 佐藤惣之助 147 『魚になった興義』 室生犀星 153 『釣りのうたげ』 室生朝子 160 『釣師気質』 石井研堂 166 『釣の楽しみ』 滝井孝作 173 『氷雨』 葉山嘉樹 181 『思い浮ぶこと』 飯田龍太 188 『石鯛釣り』 團伊玖磨 195 『江戸前の釣り』 三代目三遊亭金馬 202 『わたしの隅田川』 鈴木鱸生 209 『戦場の博物誌』 開高 健 217 『釣人物語ー緑の水平線』 林 房雄 224 『秘伝』 高橋 治 230 『八畳の滝』 森下雨村 236 『魚影の群れ』 吉村 昭 243 『帝王』 F・フォーサイス 250 『三月の鮠』 藤沢周平 256 『鎌いたち(「顎十郎捕物帳」より)』 久生十蘭 262 『奥日光の鱒釣りー名人勘蔵の思い出』 西園寺公一 269 『生ぐさ太公望』児玉誉士夫 275 『鮎釣り海釣り』 稲葉 修 281 『鱸』 幸田 文 288 『鮎つりの思ひ出(歌集「黒松」より)』 若山牧水 294 『ハヤ』 坪田譲治 300 『つり人生』 土師清二 306 『利根の鱸釣り』 朝倉文夫 312 『チヌの月』 伊集院 静 318 『アメリカの鱒釣り』 リチャード・ブローティガン 324 『岩魚の休日〜ちょっとうるさい釣り行脚』 桂 歌丸 331 『日田の鯉』 畑 正憲 337 『マクリーンの川』 ノーマン・マクリーン 343 『大江戸釣客伝』 夢枕 獏 354 『松方弘樹の世界を釣った日々』 松方弘樹 360 『夜釣』 泉 鏡花

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