ISBN 9784875252108

なるほど統計学

なるほど統計学
著者
村上雅人
出版社
海鳴社
刊行
2002-10

概要

標準偏差から確率分布まで、統計の理論を数式の意味から理解する

想定読者

統計学を基礎から体系的に学び直したい理工系社会人・学生。数式が苦手なまま実務に当たってきたが、正規分布・検定・確率密度関数の意味を腑に落としたい人

こんな人には向いていない

  • Python や R を使ったデータ分析の実装手順を求める人には、本書はコードを一切扱わない純粋な理論書のため用途が合わない
  • ビジネス統計の入門(グラフの読み方・記述統計の集計)だけを求める人には、確率密度関数やガンマ関数など数学的深度が過剰
  • 機械学習の統計的背景を速習したい人には、2002年刊行のため機械学習文脈の接続が薄く、別書での補完が必要

読了後にできるようになること

  • 標準偏差をデータのばらつきを定量化する指標として数式の意味から説明できる
  • 正規分布とガウス関数の数学的関係を理解し、実データへの当てはまりを判断できる
  • 推測統計における母集団・標本・信頼区間の考え方を説明できる
  • 統計的検定(帰無仮説・有意水準・p値)の手順と判断基準を理解できる
  • 確率密度関数の概念を積分と結びつけて解釈できる
  • 二項分布・ポアソン分布・t分布など主要な確率分布の適用場面を区別できる

本書のキー概念(章解説)

  • 序文: 標準偏差は悪か? — 統計数値への典型的な誤解を切り口にする導入。購入前の立ち読みポイントとして著者の論旨が分かる
  • 第 1 章 標準偏差を使ったデータ分析 — 本書の出発点。分散・標準偏差の計算だけでなく、なぜそう定義するかの理由を追う
  • 第 2 章 正規分布とガウス関数 — 確率密度関数への橋渡し。ガウス関数の数式が正規分布曲線と一致する理由を導く
  • 第 3 章 推測統計学 — 母集団と標本の関係・信頼区間の考え方。実務で検定結果を読む前提となる章
  • 第 4 章 統計的検定 — 帰無仮説・有意水準・p値を丁寧に解説。実務利用頻度が最も高い章の一つ
  • 第 5 章 確率と確率分布 — 確率論の基礎を整理してから分布概念へ進む構成。この章で躓かなければ後半は読み通せる
  • 第 6 章 確率密度関数 — 連続確率変数を積分で扱う発想の説明。数学的な飛躍が最も大きい章で、付録の指数関数・べき級数と合わせて読むと理解が深まる
  • 第 7 章 その他の確率分布 — 二項・ポアソン・t・カイ二乗分布を俯瞰する。それぞれの適用場面を整理する章として機能する

ハイライト

  • 理論をわかりやすく解説しつつ実用性も持たせた内容。序文のタイトルは「標準偏差は悪か?」であり、数値を正しく読む眼を養う姿勢が全章を貫いている。(本書が単なる数式説明ではなく、統計への誤解を解きほぐす編集方針を持つことが最も端的に表れている)

編集メモ

Qiita 言及 0件 / likes 0。booklog 登録 23件・評価 3.0。2002年刊行で20年超の書籍であり、統計理論書として一定の認知はあるが外部シグナルが乏しい。理論の直観的な説明に特化した補完書としての位置づけ

読む前に押さえておきたいこと

  • 高校数学レベルの微分・積分の概念(厳密な計算力より、積分が面積を表すという感覚)
  • 指数関数・対数関数の基本的な性質
  • 記述統計の基礎(平均・中央値・ヒストグラムの読み方)

学習のコツ

  • 第1章(標準偏差)と第2章(正規分布)は本書の核であり、第5章以降の確率分布論の土台になる。この2章をしっかり読み切ってから先に進むことを推奨する
  • 付録の指数関数・ガンマ関数・スターリング近似は本文中の数式展開を補完する参照用資料なので、本文に数式の理解が止まった時点でその都度参照するのが効率的
  • 第4章(統計的検定)は単独で読み返しやすい構成のため、実務で検定結果を確認する際の手引きとして手元に置く使い方が向いている
  • なるほどシリーズは直観的な説明を優先しているため、厳密な証明を求める場合は数理統計学の教科書(久保川達也「現代数理統計学の基礎」等)で補完するとよい

この本がどの学習段階で役立つかは、 関連する ロードマップ から確認できます。

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